これまでの映画007シリーズの作品の順番や歴代ジェームズ・ボンド役と作品の関係、歴代ボンドガールについてご紹介します。
映画007シリーズとは?
『007シリーズ』は、イギリスの作家イアン・フレミングが生み出したスパイ小説を原作とする映画シリーズです。初作『007は殺しの番号(Dr. No)』が公開されたのは1962年。それ以来、60年以上にわたって世界中のファンを魅了し続けてきました。
主人公は、MI6(英国秘密情報部)に所属するスパイ「ジェームズ・ボンド」。彼のコードネーム「007」は、“殺しのライセンス”を持つエージェントであることを示しています。スタイリッシュなスーツ姿、ボンドカー、ガジェット、美女とのロマンス、そして激しいアクション――こうした魅力が詰まった作品群は、スパイ映画の金字塔とも言える存在です。
本記事では、007シリーズの公開順・視聴順を整理しながら、歴代ボンド俳優やボンドガールの変遷にも触れ、初心者の方でもわかりやすくその魅力をお伝えしていきます。
007映画シリーズの公開順一覧【2025年版】
007シリーズは60年以上の歴史を誇り、計25作品(イーオン・プロダクション製作)におよびます。以下に、初代ショーン・コネリーから6代目ダニエル・クレイグまで、公開年順に整理した全作品リストを紹介します。初めて視聴する方も、この順番に沿って観るとストーリーや時代背景の流れがつかみやすくなります。
公開順に見る歴代作品一覧
- 1962年:007は殺しの番号(Dr. No)
- 1963年:007 ロシアより愛をこめて(From Russia with Love)
- 1964年:007 ゴールドフィンガー(Goldfinger)
- 1965年:007 サンダーボール作戦(Thunderball)
- 1967年:007は二度死ぬ(You Only Live Twice)
- 1969年:女王陛下の007(On Her Majesty’s Secret Service)
- 1971年:007 ダイヤモンドは永遠に(Diamonds Are Forever)
- 1973年:007 死ぬのは奴らだ(Live and Let Die)
- 1974年:007 黄金銃を持つ男(The Man with the Golden Gun)
- 1977年:007 私を愛したスパイ(The Spy Who Loved Me)
- 1979年:007 ムーンレイカー(Moonraker)
- 1981年:007 ユア・アイズ・オンリー(For Your Eyes Only)
- 1983年:007 オクトパシー(Octopussy)
- 1985年:007 美しき獲物たち(A View to a Kill)
- 1987年:007 リビング・デイライツ(The Living Daylights)
- 1989年:007 消されたライセンス(Licence to Kill)
- 1995年:007 ゴールデンアイ(GoldenEye)
- 1997年:007 トゥモロー・ネバー・ダイ(Tomorrow Never Dies)
- 1999年:007 ワールド・イズ・ノット・イナフ(The World Is Not Enough)
- 2002年:007 ダイ・アナザー・デイ(Die Another Day)
- 2006年:007 カジノ・ロワイヤル(Casino Royale)
- 2008年:007 慰めの報酬(Quantum of Solace)
- 2012年:007 スカイフォール(Skyfall)
- 2015年:007 スペクター(Spectre)
- 2021年:007 ノー・タイム・トゥ・ダイ(No Time to Die)
視聴のポイントと補足
近年の作品(ダニエル・クレイグ時代)は、ストーリーが続き物になっており、特に『カジノ・ロワイヤル』から『ノー・タイム・トゥ・ダイ』までは順番通りの視聴がおすすめです。各作品は現在、Amazon PrimeやU-NEXTなどで配信されている場合も多いため、視聴前に確認してみましょう。
007シリーズの歴代ボンド俳優まとめ
ジェームズ・ボンドは、俳優によってその印象が大きく変わるキャラクターです。これまでに6人の俳優がボンド役を演じており、それぞれのスタイルや魅力が作品ごとに異なります。この章では、歴代ボンドの特徴と代表作を紹介し、時代ごとの変遷を追っていきます。
ショーン・コネリー(初代:1962〜1971, 1983)
初代ボンドを務めたショーン・コネリーは、007シリーズの礎を築いた存在です。男性的な色気とユーモアを兼ね備え、シリーズの人気を決定づけました。代表作は『007 ゴールドフィンガー』『007 ロシアより愛をこめて』など。
ジョージ・レーゼンビー(1969年のみ)
わずか1作のみ出演した異色のボンド。『女王陛下の007』では、感情を表現する演技で新境地を開きました。シリーズ唯一の“結婚するボンド”としても知られています。
ロジャー・ムーア(1973〜1985)
軽妙なユーモアとスマートさで人気を博したのがロジャー・ムーア。長期間にわたりボンド役を務め、代表作には『私を愛したスパイ』『ムーンレイカー』などがあります。
ティモシー・ダルトン(1987〜1989)
原作に忠実な“冷静でシリアスなスパイ像”を打ち出したのがティモシー・ダルトン。アクション重視の作風で『リビング・デイライツ』『消されたライセンス』に出演しました。
ピアース・ブロスナン(1995〜2002)
現代的なスタイリッシュさと旧作の雰囲気を融合させたブロスナン時代は、シリーズの再人気化に成功。『ゴールデンアイ』『トゥモロー・ネバー・ダイ』などが高評価です。
ダニエル・クレイグ(2006〜2021)
最もシリアスで“人間味のあるボンド”を演じたクレイグは、シリーズに大きな変革をもたらしました。『カジノ・ロワイヤル』から始まる一連の5作品は、ストーリー性と演技力の高さでファン層を広げました。
歴代ボンドガール一覧と特徴
「ボンドガール」とは、007シリーズに登場するジェームズ・ボンドの相手役となる女性キャラクターのこと。シリーズごとに美しく聡明な女性が登場し、物語に華を添える存在としてファンの注目を集めてきました。ここでは、歴代の主要ボンドガールとその特徴を振り返ります。
ボンドガールの変遷と時代ごとの描かれ方
初期のボンドガールは、ミステリアスでセクシーな魅力が強調される一方で、時代が進むにつれて、自立したキャリアウーマンや戦う女性像へと変化しています。これは、映画界全体の女性像の変化や社会的なジェンダー意識の反映でもあります。
例えば、1962年の『007は殺しの番号』ではウルスラ・アンドレスが演じるハニー・ライダーが象徴的な存在でしたが、2006年の『カジノ・ロワイヤル』に登場するヴェスパー・リンド(演:エヴァ・グリーン)は、ボンドと対等な関係で描かれています。
印象的なボンドガール一覧
- ハニー・ライダー(『007は殺しの番号』/ウルスラ・アンドレス)
- プッシー・ガロア(『007 ゴールドフィンガー』/オナー・ブラックマン)
- トレーシー・ボンド(『女王陛下の007』/ダイアナ・リグ)
- マジョーラ・クレメント(『007 カジノ・ロワイヤル』/エヴァ・グリーン)
- マドレーヌ・スワン(『007 スペクター』『ノー・タイム・トゥ・ダイ』/レア・セドゥ)
ファンの間で人気のボンドガールTOP3(参考)
- ヴェスパー・リンド(2006年版『カジノ・ロワイヤル』)
- トレーシー・ボンド(1969年『女王陛下の007』)
- マドレーヌ・スワン(2015年『スペクター』以降)
美貌だけでなく、知性・行動力・人間味といった要素が高く評価されているのが、現代のボンドガールの特徴です。
よくある疑問|『007 スペクター』はなぜ評価が分かれる?
シリーズ第24作『007 スペクター(Spectre)』は、ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドの4作目として2015年に公開されました。大規模な製作費や世界各地でのロケーションが話題となった一方で、賛否の分かれる作品でもあります。この章では、なぜ『スペクター』が「ひどい」とも言われるのか、その背景を探ります。
「スペクター」が批判される主な理由
- ストーリーの複雑さ:過去作品とのつながりが濃く、初見では理解が難しいという声も。
- テンポの悪さ:派手なアクションシーンが少なく、全体に冗長と感じる人も。
- 敵キャラの描写:宿敵ブロフェルド(演:クリストフ・ヴァルツ)があまりに唐突に登場し、深みが感じられないという意見も見られます。
評価する声も多数ある理由
- シリーズ集大成的な演出:過去3作とリンクした伏線回収に感動するファンも多い。
- 映像美と音楽:サム・メンデス監督ならではの美しい画面構成や、オスカー受賞の主題歌『Writing’s on the Wall』は高評価。
- マドレーヌ・スワンの登場:後の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』にもつながる重要キャラの初登場作として注目されています。
つまり『スペクター』は、シリーズを通して観ることで真価がわかる作品であり、単体で評価するか、シリーズの一部として捉えるかで印象が大きく異なるのです。
まとめ|007シリーズはどこから見るのが正解?
007シリーズは全25作品と長大な歴史を誇るため、「どこから見ればいいのか迷う」という声も少なくありません。そんな方に向けて、目的別に視聴スタートのおすすめ作品を以下に紹介します。
- 最新の作品から楽しみたい人:ダニエル・クレイグ版の1作目『カジノ・ロワイヤル(2006年)』から順に観るのがおすすめです。
- 往年の名作を味わいたい人:初代ショーン・コネリーの代表作『ゴールドフィンガー』や『ロシアより愛をこめて』をどうぞ。
- アクションやテンポ重視の人:ピアース・ブロスナンの『ゴールデンアイ』や『トゥモロー・ネバー・ダイ』が好適です。
すべての作品を一気に観るのは大変ですが、それぞれの時代に合った個性豊かなボンドたちの魅力を感じながら、少しずつ楽しんでみてください。お気に入りのボンドや作品を見つけることが、このシリーズを深く楽しむ第一歩になるでしょう。