1970年代を彩った国産名車たち いま見ても美しいデザイン 旧車ブームで再び脚光を浴びる

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1970年代を彩った国産名車たちをご紹介します。いま見ても美しいデザインの70年代の日本車たちは、2020年代になり旧車ブームとともに世界中で再び脚光を浴びています。今見ると余計に輝いて見えるのは、当時の日本の未来が輝いていたからでしょうか…。

自動車が美しかった1970年代

昔の車は、いま見るととえも美しい有機的なデザインのものがたくさんありました。そのデザインが昇華したのが1970年代といえるでしょう。

後にアメリカで5マイルバンパーの導入などの法規ができたために、車のバンパーは大きくされることを余儀なくされ、それまでの華奢なデザインとはマッチせず、自動車のデザインの根本が大きく変わっていったように思われます。

ただ、日本車の多くは、まださほど海外での評価も高くなく、それゆえに5マイルバンパーを意識しないデザインの車が、まだまだ作られていました。

今となっては殆どの車がこの世から無くなってしまった70年代の国産車たち。

その中でも70年代を象徴する名車を、いくつか紹介したいと思います。

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日産 スカイライン GT-R

もはや世界中で伝説となっているのが日産スカイラインGT-Rです。

通称ハコスカの愛称で呼ばれるスカイラインのGT-Rが、1970年に登場しました。

新車のハコスカの価格は、4速の2000GTが90万円弱に対し、GT-Rは150万円以上と、1.5倍以上の価格差が付けられていました。

ちなみに当時の大卒の初任給が5万円程度ですから、いかにGT-Rが高価だったかがわかります。

ハコスカは美しいというよりも、どこか昭和の頑固な職人さんのようなおじさん顔をしています(笑)。

そしてハコスカの愛称の通り、四角いボディはとても日本らしく、どこか武士のような威厳さえ感じさせます。

そんなハコスカのGT-Rは登場以来、常に人気を博し、現在の中古車相場では4000万といった値が付けられています。

しかしGT-Rは、1973年にハコスカの次のモデルとなる通称ケンメリのGT-Rバージョンが発売されます。

このケンメリGT-Rは、なんとわずか4ヶ月で生産が終了し、総生産台数197台という、これまた伝説のGT-Rとなっています。

ケンメリはハコスカと打って変わって、流れるようなスマートなデザインで、ボディも大型化しました。

ケンメリGT-Rはどこかアメ車を意識したような迫力なるフロントマスクをしています。

こちらはハコスカGT-Rよりも更に希少なため、現在の中古相場ではもはや値がつけられないほどです。

日産 フェアレディ240Z-G

オープンカーとして人気を得ていたダットサン フェアレディが大きくモデルチェンジして、「Z」の文字が加わったフェアレディZとしてデビューしたのは1969年のことです。

この初代フェアレディZにL24型のエンジンを載せ、通称Gノーズと呼ばれる更に長く尖ったノーズとオーバーフェンダーとが装着されたフェアレディ240Z-Gが、1971年に登場しました。

それでなくとも長いフロントがGノーズにより更に延長され、デザインもよりレーシーなものになり、性能アップと併せて人気を博しました。

この240Z-Gは今見てもとても美しく独特な形をしています。

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トヨタ セリカ1600GT

1970年代にスペシャリティーカーと呼ばれる車のジャンルが生まれました。

その先駆けがトヨタセリカです。

スペシャリティーカーは比較的低廉な価格でありながら、スポーツカーやGTカーの雰囲気を持ち、ファッショナブルな若者を中心に人気を集めました。

初代セリカは、通称ダルマセリカと呼ばれており、テール周りが丸っこいのが特徴です。後にルーフがよりなめらかになり、テール部分が少しスポイラーのように持ち上がったリフトバックというモデルに変わります。

リフトバックは、1600ccに加え、2000ccのモデルも発売され、LB2000GTがとても人気を得ました。

精悍なマスクとスポーティーなデザインは独特で、当時の若者に人気があったのもうなずけます。

マツダ サバンナ RX-7GT

マツダサバンナ(RX-3)はマツダが得意とするロータリーエンジンを搭載した車で、初代サバンナは1971年にデビューしました。

この初代サバンナはレースでも大活躍し、あのハコスカGT-Rを破り、国内ツールングカーレースで大活躍した車でもあります。

そのサバンナが、1978年に、全く別物と言えるほどデザインが一新され、RX-3の後継モデルとして登場したのが、サバンナRX-7GTです。

特徴的なのは、当時大流行していたスーパーカーブームを反映してかの、リトラクタブルヘッドライト(隠しライト)です。

これは当時の子供たちにも大ウケでした。

性能はさほどスーパーではありませんでいたが、それでもデザインは立派なスーパーカーで、「これなら自分でもいつか手に入るかも」と思わせる、現実的なスーパーカーでした。

いま見ても初代RX-7、とてもシンプルでかっこいいです。今思うと、ポルシェ924をより平べったくしたような、そんなデザインにも見えますね。

1980年代の始まりの予感を感じさせるような、そんなデザインでもあります。

まとめ

ハコスカとRX-7とを比べると、わずか10年足らずで車のデザインも大きく変わったことに驚かされます。

同じ1970年代の車なんですよね。

それくらいデザインが激しく進化した時代でしたし、日本もどんどん景気が良くなり、車の種類やモデルチェンジの頻度も激しい時代だったのでしょう。

ここでは紹介できませんでしたが、1970年代には本当に美しい車が他にもたくさんありました。

また、ずいぶん不細工な車もたくさんありましたが、そんな車でさえも今見ると、どこか可愛らしく見えてしまいます。

今の車とは異なり、工業製品でありながらもまるで1台1台に魂が宿っているような、そんな有機的なデザインの車は、1970年代を最後になくなったように思います。

もうこういった車が作られることは、ないんでしょうね…。

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