引きこもり家族が高齢化していく8050問題の後は9060家族となって更に沼へ・・・
引きこもりのと言葉に出すのは簡単ですが、定義としては、
- 就労しない・できない
- 学校に行かない・行けない
- 外出しない・できない
- 他との交流がない・できない
これらのことが6ヶ月以上続くと「引きこもり」と厚生労働省は定義しています。
これまで引きこもりは若年層と決めつけていた傾向がありますが、実際は年齢に関係ないということが中高年層の増加で決定的となっている印象です。
誰でも「引きこもり」の可能性があると言えるのでしょうが、今回のテーマは、引きこもっている中高年層と支える親世代についてコラム的に書いてみます。
もくじ
8050問題
簡単に言えば、50代になっても引きこもり続けている子を、80代の親が支えている状況における諸問題を言います。
経済的な問題が一番大きいでしょうね。
何せ収入源は親の年金が頼りですから、物価の高い地域だと厳しい状況に追いやられるはずです。
年金もイメージするほど一般的には高額ではないですし、ひと月を暮らしていくことが精一杯と推測されます。
世の中の摂理で言えば、どうしても親が先に天寿を全うするわけですから、その時のことを考えると現状のままではいられないはずなのですが・・・。
打開策が無いから問題となっているわけです。
引きこもりの数
内閣府の統計では、2019年に発表した数字ではありますが、
- 若年層(15歳-39歳):54.1万人
- 中高年層(40歳~64歳):61.3万人
でした。
今となっては1割2割は増えているものと予想されます。
単純に100万人以上は引きこもりとなっている人がいるということです。
多いか少ないかは別として、恐らく、引きこもっている人に対する支援は、ほぼ家族に委ねられていると想像できます。
ともかく外出しない・できない、人との交流も家族以外はしない・できないというですから、公的支援もやり辛さがあるように感じます。
手助けしたいけど出来ないもどかしさもあるでしょうね。
9060家族
中高年層の方が若年層よりも引きこもりが多いとなると、その世帯の平均年齢が上がることになります。
子が50代60代ともなると支える親は80代90代になってもおかしくないわけです。
80代90代の親が引きこもりの子を支えるのは、もはや運頼みとしか言えないでしょう。
高齢の親の健康状態が、たまたま支えるだけのラインを維持できているからこそ成り立っているわけで、その親が倒れたらと考えると手の打ちようがありません。
突然、親が倒れたら、引きこもっている子は行動を起こすでしょうか?
甚だ疑問です。
逆に危機的状況がきっかけで、引きこもりから脱出するという希望を持ちたいですが、現実は厳しく家族崩壊に向かう気がします。
引き出し屋
自立支援を事業内容とした、ちょっと行き過ぎた感のある民間業者を、引き出し屋と呼ぶようですね。
これに関しては、ウィキペディアを参照した方が実態を把握するには良いでしょう。
まとめ
「引きこもり家族が高齢化していく8050問題の後は9060家族となって更に沼へ・・・」というテーマで、コラム的なことを綴ってみました。
引きこもりは登校拒否の学生がなるものという認識は、もう昔の話です。
今では、とあることがきっかけで社会的な繋がりを失ってしまった人たちのことを指しています。
人に会いたくないという気持ちは多少は理解できますが、根の深さは測り知れないものがあるのではないでしょうか。
毎日が綱渡りの家庭は想像以上に多いのかも。
参考
生活状況に関する調査 (平成30年度) – 内閣府
長期化するひきこもりの実態|令和元年版子供・若者白書(概要版) – 内閣府