お酒に弱いのとアルコールアレルギーとの違い その仕組みについて
お酒に弱いという人がいます。また、アルコールアレルギーだという人も。このふたつ、意味が異なります。本当は自分がどちらなのか、知っておいてください。また、アルコールを分解する仕組みについてもお伝えします。
もくじ
お酒に弱いのとアルコールアレルギーは違う
自分は「お酒に弱い」と答える人がいます。
それは本当にお酒に弱いだけなのでしょうか。
ひょっとしたら、お酒に弱いのではなく、アルコールアレルギーなのかもしれません。
お酒に弱いのとアルコールアレルギーとは別物です。
その違いについて見ていきましょう。
お酒に弱い人とは
お酒に弱い人とというのがいます。
この人たちは少し飲んだだけで、酔ってしまったり、顔が赤くなったりして、あまりたくさんのお酒を飲むことができません。
あまりお酒を飲んでしまうと、具合が悪くなってしまいます。
お酒が弱い人というのは、アルコールの分解能力が低いのです。
アルコールは体内に入ると、肝臓でアセトアルデヒドという物質に分解されます。
アセトアルデヒドはとても毒性の強い物質で、このアセトアルデヒドの分解能力が低い人が顔が赤くなったり、頭痛、吐き気などの不調を起こします。
アセトアルデヒドを分解するにはALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)
が必要で、日本人はこのALDH2の活性が弱い民族です。
日本人のおよそ40%の人がALDH2活性の弱い「低活性型」と言われています。
アルコールアレルギーとは
アルコールアレルギーは、上で説明したALDH2の働きが全くない人のことです。
つまり、アルコールが体内に入って肝臓でアセトアルデヒドに分解された際、このアセトアルデヒドという毒性の強い物質が分解できません。
そうなると、蕁麻疹が出たり、呼吸困難(息苦しい)、喉が詰まった感じ(閉塞感)などが起こります。
軽度の場合は、鼻づまりや顔が赤くなる程度。
アルコールアレルギーは飲酒だけでなく、アルコールの入ったスイーツや食品にも反応しますし、駐車の前のアルコール消毒にも反応します。
日本人の約4%がアルコールアレルギーであるALDH2の「不活性型」です。
ALDH2の活性タイプは、大抵が遺伝によるものだそうで、体質が改善されることはなく、根本治療する方法も現在のところありません。
また、これまでお酒を普通に飲めた人でも、突如アルコールアレルギーを起こすこともあるそうなので、充分に注意が必要です。
ちなみに、ヨーロッパ系やアフリカ系の民族には、「不活性型」の人はいません。
「不活性型」は、アジア系モンゴロイドならではの特徴だそうです。
体格や性別、年齢によるアルコール分解能力の違い
アルコール分解能力の差は、根本的にALDH2の活性タイプの違いによるということが分かりました。
そのうえで、体格や体格や性別、また年齢によって、お酒に対する強弱というものは変わってくるのでしょうか。
まず、体格によるお酒の分解能力の違いですが、これはあります。
アルコールは血液に溶け、体全体にまわり、また、水分にもよく溶けます。
体の大きな人は、体内の血液の量も水分量も多いので、同僚のお酒を飲んだ場合、体内のアルコール濃度は低く、小さい人と比べ酔いにくくなります。
男女による差もあります。
女性は男性よりも肝臓が小さいので、そのぶんアルコールの分解能力も低いのです
年齢による違いもあります。
年をかさね、体力が落ちてくるとともに、お酒も弱くなります。
いつまでも若いころと同じように飲んでいると、お酒が原意となる失敗を引き起しかねませんのでご注意を。
まとめ
お酒が弱い人でも、仕事のお付き合い等で飲酒の機会をどうしても避けられないこともあるでしょう。
またお酒が弱い人は(そうでない人も)、お酒を飲みながら同量の水を飲むようにすることをお勧めします。
体内の水分量を増やすことで、アルコールの濃度を下げることができますので、酔いづらくなりますよ。
お試しください。