アルコール性認知症とは 症状や治療法・大量飲酒の目安 日本人はお酒を飲みすぎている?
アルコール性認知症と言うものがあるそうです。名前のとおりアルコールの大量摂取により引き起こす認知症です。症状や治療法について、大量飲酒の目安などについて説明します。また、日本人は諸外国に比べ、お酒を飲みすぎている民族であることにも触れていきます。
もくじ
アルコール性認知症とは
アルコール性認知症とは、アルコールを多量に飲み続けたことにより起こる認知症のこと。
アルコール性認知症には大きく2種類あります。
1つは、もともとの生活習慣病にアルコールの大量摂取が影響し、脳内に小さな脳梗塞が複数発生し、脳内に酸素が上手く行き渡らないことによる認知症です。
そしてもう1つは、アルコールの過剰摂取によるビタミンB1欠乏が起こり、栄養障害を起こすことで発症する認知症です。
近年では、アルコールの多量接種で脳が委縮していくとの研究もあり、認知症は高齢者だけでなく、若い人たちにも見られようになりました。
アルコール認知症の症状
アルコール認知症の症状には、次のようなものが見られます。
- 注意力の低下
- 記憶力の低下
- 感情がコントロールができない
- 歩行時のふらつき
- 手の震え
- 作り話をする
- 自分のいる場所がわからない
- 日時がわからない
症状の中の「作り話をする」とはどういうことかというと、これは記憶障害が原因となり起こるものです。記憶障害が起こると、話のつじつまを合わせようと脳が働き、「作り話」をするようになるのだそうです。
アルコール認知症になりやすい人は、定年退職した方や配偶者を失くした等のショックな出来事が起きた方といった、アルコールに手を出しやすい環境にある方に多く発症する傾向があります。
アルコール認知症は治るの?
アルコール性認知症は、お酒をやめて治療に専念することで、回復は可能とされています。
治療法には、
- 断酒
- 薬物療法
- 食事療法
- 生活習慣の改善
といったものを、組み合わせて行います。
ただし、萎縮した脳はもとに戻ることはありませんので、くれぐれもアルコールの大量摂取は避けたいところです。
大量飲酒とはどれくらいの量を指すのか?
アルコール性認知症を起こすに値する、大量飲酒とは、いったいどれくらいの量のことを言うのでしょうか。
厚労省の「健康日本21」によると、アルコールの多量飲酒は、「1日平均60グラム以上の飲酒」とされています。
6%の濃度のお酒を500ミリリットル飲むと、30グラムのアルコールを摂取することになります。
つまりこのようなチューハイの500グラムの缶を2本飲んだら、アルコール量は60グラムになりますので、これはもう大量摂取に該当します。
ストロングなど9%の濃度のお酒だと、350グラムの缶を2本飲んだら、70グラム近いアルコールを摂取したことになります。ストロング系はとても危険ですね。
1日の適切なアルコール摂取量は、
ビール(5%):500ml
ワイン:180ml
日本酒:180ml
以下とされています。
日本人はお酒を飲みすぎている
欧米のほうがお酒をよく飲むイメージがありますが、実は欧米などでは、お酒はパーティーやイベントのときに飲むものであり、毎日飲むものではないとされています。
しかし日本では、仕事帰りに同僚と毎日のようにお酒を飲んだり、家でひとりで晩酌をしたりといった人が多いです。
アルコールのCMもとても多いのが日本で、海外の人から見ると、日本のテレビでのアルコールCMの多さは異常だそうです。
1回に飲むアルコールの量は欧米よりも少ないかもしれませんが、少量でも毎日のように飲む日本の文化は、見直す必要がありそうです。
まとめ
飲酒時にあまり食事を取らないという人もいますが、これはよりビタミンB1不足に陥りやすくなります。飲酒時は適度に食事も取るようにしましょう。
また、インスタント食品やスナック菓子などをよく食べている人も、ビタミン不足で認知症発生のリスクが高まります。
ビタミン不足が気になる人は、サプリメントで補給するか、貝や山菜などを意識的に食べるようにしてください。