Amazonプライムビデオ広告導入は吉か凶か?顧客とVOD市場への影響と契約のメリット・デメリットを徹底解説

amazon prime videoの広告イメージ

ついに、この日がやってくるとは・・・。

2024年4月8日より、Amazonプライムビデオで配信される映画やドラマに、あの忌まわしい広告が付きます。

これまでプライム会員は、追加料金なし、しかも格安での視聴が最大のメリットだったのですが、同様の環境での視聴には月額390円の追加料金を支払うことが求められます。

この広告導入の背景には、Amazonの明確な狙いがあると考えています。

  • コンテンツ投資の継続
    オリジナル作品や独占配信コンテンツへの投資をさらに拡大し、サービスの魅力を高めるためには、安定的な収益源が不可欠。
    広告収入は、そのための重要な柱。
  • 広告収入の増加
    Amazonは、巨大な広告プラットフォームとしての地位を確立しており、プライムビデオへの広告導入は、広告事業全体の成長を加速させる。

とはいうものの、いつも負担を強いられ之は消費者です。

すでに契約している筆者としては、どうしたものかと考えるわけですが、一般的な目線においても、Amazon prime videoについて改めてメリットやデメリットを伝えます。

顧客への影響:メリットとデメリット

顧客にとって、Amazonプライムビデオの広告導入は、様々な側面から影響を与える可能性があります。

ここでは、広告導入が顧客にもたらすメリットとデメリットを、それぞれ考えてみます。

メリット

まずは、広告付きプランをそのまま利用する場合に享受できるメリットについて。

  • 広告付きのままなら追加料金なしで視聴可能
    これまでと変わらずプライム会員費のみで視聴できるため、出費を抑えたいユーザーには歓迎されます。
    特に、ライトユーザーにとっては、追加料金なしで豊富なコンテンツを楽しめるのは大きな魅力です。
  • 広告なしオプションで快適な視聴体験
    月額390円を追加すれば、広告による中断のない快適な視聴体験を得られます。
    映画やドラマに没入したい、ストレスなくコンテンツを楽しみたいユーザーにとっては、価値のある選択肢です。
  • 広告による新たな商品やサービスの発見
    広告は必ずしもネガティブなものではなく、興味関心に合った商品やサービスを知るきっかけになる可能性も秘めています。
    Amazonの高度なターゲティング技術により、関連性の高い広告が表示されることが期待できますが・・・。

広告付きプラン、つまり追加料金なしでプライムビデオを楽しめる、広告の出現が新たな発見につながると考えるならば、とくに大きな影響はないといえます。

デメリット

広告導入によって、顧客が被る可能性のあるデメリットは、どういったものか。

  • 広告による視聴の中断
    これまで広告なしで視聴できていたユーザーにとって、広告による中断があるとしたら、それは大きなストレスとなります。
    特に、映画のクライマックスやドラマの重要なシーンでの広告挿入は、視聴体験を大きく損なう可能性があります。
  • 広告なしオプションの追加料金
    広告なしで視聴するためには、月額390円の追加料金が必要です。
    年間で4,680円となり、プライム会員費に加えると1万円を超えるため、無視できない負担増となります。
  • プライム会員の価値低下と感じる可能性
    「プライム会員=広告なし」というイメージを持っていたユーザーにとって、今回の広告導入はプライム会員の価値低下と感じられる可能性があります。
    「だったら他のVODサービスでもいいのでは?」という考えに繋がる可能性も否定できません。

広告なしでプライムビデオを楽しんでいた、筆者のようなユーザーにとっては、少なくとも不満ゼロということにはならないですね。

表示される広告の内容、大きさ、広告の視聴時間といったことが、明確にわからなければ判断のしようがないので、広告配信の詳細な説明が欲しいところです。

サブスク動画サービス市場への影響

Amazonプライムビデオの広告導入は、個々の顧客だけでなく、サブスク動画サービス市場全体にも大きな波紋を広げると考えられます。

プライムビデオの広告導入が、競合サービスを含む市場全体にどのような影響を与えるのか、具体的な項目を挙げて考察してみます。

  • 競合他社への影響
    NetflixやDisney+も広告付きプランを導入しており、プライムビデオの参入は、広告付きプランがVODサービスの新たなスタンダードとなる流れを加速させる可能性があります。
    各社は、広告の種類、頻度、価格設定など、差別化を図りながら競争していくことになります。
  • 広告付きプランの普及加速
    プライムビデオという巨大プラットフォームが広告付きプランを導入したことで、スタンダード化することが懸念されます。
    広告付きプランは、低価格でサービスを提供するための手段として、今後ますます普及していくと考えられます。
  • 価格競争の激化
    広告付きプランの普及は、VODサービス間の価格競争を激化させる可能性があります。
    各社は、広告収入と顧客獲得のバランスを取りながら、魅力的な価格設定を模索していくことになります。
  • 広告付きプランの一般化
    今後、VODサービスは広告付きプランと広告なしプランの二極化が進むと考えます。
    広告付きプランは低価格帯のスタンダードプランとして、広告なしプランはより高品質な視聴体験を求めるユーザー向けのプレミアムプランとして位置づけられるようになるかもしれません。
  • 広告収入によるコンテンツ投資の増加
    広告収入の増加は、VODサービス全体のコンテンツ投資を活発化させる手段として定着しそうです。
    各社は、広告収入を元手に、より魅力的なオリジナル作品や独占配信コンテンツを拡充し、顧客獲得競争を繰り広げることになります。
  • 視聴者の選択肢の多様化
    広告付きプランと広告なしプランの登場は、視聴者の選択肢を多様化させます。
    価格を重視するユーザーは広告付きプラン、快適な視聴体験を重視するユーザーは広告なしプランを選ぶなど、自身のニーズや予算に合わせてサービスを選択できるようになります。

総合的に見ると、プライムビデオの広告導入は、VOD市場における競争環境を大きく変化させる可能性があると言えそうです。

今後は、各社が広告戦略をどのように展開し、差別化を図っていくのかが注目されます。

顧客層別の影響

広告導入に対する反応は、顧客層によって大きく異なることが予想されます。

ここでは、プライム会員とサブスク動画サービス顕在層という2つの顧客層に焦点を当て、それぞれの反応と今後の動向を考察します。

プライム会員

まず、既存のプライム会員は、今回の広告導入をどのように受け止めるか・・・。

広告への許容度や、広告なしオプションの選択など、反応の違いについて見ていきますが、意外に解約率は高くない気がします。

長年プライム会員であるユーザーの中には、広告導入に抵抗を感じる人もいるはずです。

しかし、Amazonのサービスを幅広く利用しているヘビーユーザーや、もともと広告視聴に抵抗がないユーザーは、広告付きプランを許容する可能性があります。

広告なしオプションの料金である月額390円という絶妙な金額設定が、会員継続の判断に大きく影響すると考えられます。

会員の流出を少しでも防ぎ、サービス全体の価値を維持するためには、Amazonとしては丁寧な説明と、納得感のあるコンテンツの配信が不可欠です。

サブスク動画サービス顕在層

次に、他のVODサービスも積極的に利用している層は、プライムビデオの広告導入をどのように評価するのか、気になるところではあります。

恐らく、既にNetflixやDisney+などの広告なしプランを利用しているユーザーは、プライムビデオの広告付きプランに抵抗を感じる可能性があります。

広告なしオプションの価格設定や、プライムビデオ独自のコンテンツの魅力が、競合サービスからの乗り換えを促す要因となるのは間違いありません。

が、個人的なことを言わせてもらえば、ここ最近のAmazon prime videoのコンテンテツ、魅力的なものが減ってきている気がしてなりません。

今後の展望

アマゾンプライムビデオの広告戦略は、これから始まるわけですが、今後、さまざまな変化が予想されます。

ここでは、今後の展望として、広告戦略の進化、広告の種類や配信方法の変化、そして視聴者の反応と市場の動向という3つの視点から考察します。

  1. Amazonの広告戦略の進化
    Prime video広告を見ると、スポンサー広告、スポンサープロダクト広告、スポンサーブランド広告、スポンサーディスプレイ広告、スポンサーTV、ディスプレイ広告、動画広告、音声広告、アウトオブホーム広告、デバイス広告と多種多様なフォーマットが用意されています。
    実際の広告の配信ぶりを体験しなければ何とも言えませんが、どれだけ「邪魔しないか」というところだけは、考慮してほしいところです。
  2. 広告の種類や配信方法の変化
    将来的には、Amazon独自の高度な広告フォーマットが登場するかもしれません。
    視聴者の反応を見ながら、広告体験の最適化が図られていくと考えられます。
  3. 視聴者の反応と市場の動向
    広告導入に対する視聴者の反応は、今後の市場動向を大きく左右します。
    もし、広告付きプランが広く受け入れられれば、広告配信の舞台は広がります。
    逆に、視聴者の反発が大きければ、広告戦略の見直しを迫られる可能性は高いです。

加入者の増加については、広告戦略だけでなく、コンテンツの充実度や料金プラン、競合サービスの動向など、複合的な要因が絡み合ってきます。

物価高の最中ですから、タイミングとしては良くない状況ですが、引き続き注目していく必要があります。

まとめ

アマゾンプライムビデオの広告導入は、VODサービスのビジネスモデルを決定づけるかもしれません。

  • 広告付きプラン
    追加料金なしで視聴可能、新たな発見の可能性。ただし、視聴中断などは避けられないかも。
  • 広告なしオプション
    快適な視聴体験。ただし、月額380円の追加料金が必要。

さて、ユーザーはどちらのプランを支持するのか、その選択に関心があります。

参照

Prime Video広告: プレミアムコンテンツでブランドを宣伝する | Amazon Ads

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