不安の原因は自律神経の乱れにあり 自律神経の乱れの症状や原因・整え方 更年期やHSPへの影響
根拠のない不安に苛まれているという方、ひょっとするその原因は自律神経の乱れにあるかもしれません。現代の暮らしは知らず知らずのうちに自律神経の乱れを引き起こすようにできています。何が自律神経を乱しているのか、その原因や症状を知っておいてください。また、更年期やHSPへの影響も大きい自律神経です。整え方を知り、本来の体調を取り戻しましょう。
もくじ
自律神経の乱れが不安を生んでいる
自律神経という言葉を聞いたことがあると思います。「自律神経」とは、自分の意志と関係なく機能する神経のことで、人間の体の中で勝手に働いてくれているとても優れた機能の1つです。
この自律神経が呼吸や血液の流れ、体温調節、消化、排泄、免疫力など、人の意志によらず自動で機能しているが故に、私たちは普通に暮らしていけているわけで、いうなれば「縁の下の力持ち」の役割を果たしてくれているのです。
ただ、現代の生活スタイルが、ときに自律神経に乱れを生じさせてしまい、この自動機能に不具合を起こしてしまうことがあります。
「不安感」も、そんな自律神経の乱れが原因となっているものの1つと言われています。
自律神経が乱れる原因
どうすると自律神経が乱れるのでしょうか。その原因について説明します。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」という2つの神経からなっています。
「交感神経」は、身体を活発にさせるための、いわば「活動する神経」です。それに対し、「副交感神経」身体を休ませるための「休息・回復の神経」になります。
この交感神経と副交感神経の2つの働きがバランスよく機能することで、自律神経は正常に保たれ、私たちは日々元気に活動できるわけです。
ところが私たちの生活スタイルは、この大切な自律神経のバランスを乱しやすい方向へと環境が変化しつつあり、そのために自律神経の乱れを起こして体調を崩す人が増えています。
自律神経の乱れを生みやすい時代
以前の暮らしと比べ、自律神経を乱しやすい環境にへんかしつつあるわけですが、それはいったいどういったことが原因となっているのでしょうか。
自律神経の乱れの要因となっているは、大きくはこの2つです。
- 不規則な生活習慣
- 過度のストレス
このような状況が続くと自律神経の乱れが生じ、不安感(精神的な落ち込み)などの体調不良となって現れてきます。
自律神経の乱れの要因となっている「不規則な生活習慣」や「過度のストレス」は、共に交感神経の働きを活発にさせる状況です。
つまり、常に交感神経を優位にさせてばかりいるがために、副交感神経による休息や回復が間に合わず、体調不良を引き起こしてしまうわけです。
交感神経を優位にさせてしまう要因
交感神経を優位にさせてしまう要因を具体的にあげると、次のようなものがあります。
- 精神的ストレス(人間関係・仕事のプレッシャーなど)
- 身体的ストレス(肉体的な過労・温度差など)
- 光や音の影響
精神的なストレスとしては、労働におけるノルマや重責のためのプレッシャー、労働時間の長時間化、職場環境・人間関係等があげられます。
現代はIT化・グローバル化が進んだことにより、より短時間で多くの処理が求められ、常にスピードが要求される忙しい時代です。それによる精神的な負担も以前と比べ大きくなっています。
また、SNSなどによりコミュニケーションの頻度も高まり、人間関係にも疲れやすさが出やすい状況にあります。
精神的に疲れてくると肉体的にも披露が出てきます。通勤時の混雑や残業による労働時間の長時間化も、人を疲弊させます。夏場に職場のエアコンが効きすぎて寒いといったことも、身体的なストレスを与えます。
更に、近年のスマホ利用の浸透により、常にスマホの画面を見るといった新たな習慣が多くの人に身についてきています。
このスマホは常に多くの情報を脳へと伝えます。それは音やスマホの画面が放つ光、刺激的等です。
そうした脳に対しての刺激を常に与えることで、常に交感神経を優位な状況へと導くだけでなく、その時間がまた慢性的な寝不足や不規則な生活を生み、自律神経の乱れを誘う悪循環を生んでいるのです。
自律神経の乱れの症状
自律神経の乱れには不安感以外にも様々な症状となって現れます。
その症状には次のようなものがあげられます。
- 不安感(精神的落ち込み)
- 緊張感の高まり
- 吐き気
- 多汗・冷や汗
- 全身の疲労感
- 頭痛
- 肩こり
- 手足のしびれ
- 動悸
- 不整脈
- めまい
- 不眠
さらに自律神経の乱れが続くと、長期的なうつを発症させたり、臓器にまでも悪影響を及ぼしてきます。
自律神経の乱れが及ぼす更年期やHSPとの関係
更年期にさしかかる40代の頃になると、副交感神経の働きが急速に低下していきます。そのうえホルモンバランスも変化する年代に入るため、余計に自律神経が乱れやすい状況にあります。
普段から自律神経の乱れがちな人は、この更年期に差し掛かった際に生じる更年期障害の症状も、より症状が重くなると言われています。
また、生まれつき視覚や聴覚などに敏感で刺激を受けやすいHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)の人にとって、自律神経の乱れはより大きな影響を与え、さらなる不安感を募らせる要因となります。そしてこの不安感が原因で不安神経症などに発展する可能性もあります。
こういったことからも、自律神経の乱れに対しては、普段から対処が必要となります。
自律神経の整え方
こうした乱れてしまった自律神経を整えるには、どうすれば良いのでしょうか。
それは精神的ストレスと肉体的ストレスを減らすことで交感神経の働きを下げ、副交感神経による機能回復に努めることです。
そのうえで大事なことが、次のような点です。
- 完璧主義をやめる
- 対人関係を見直す
- スマホやパソコン・テレビの時間を減らす
- 十分な睡眠時間を確保(最も大事!)
- 健康的な食事をとる
- 適度な運動習慣を持つ
- 自分に優しくする・好きなことをする時間を持つ
これらを簡単にまとめると、「デジタルから意識的に離れるようにし、適当な自分を許し、たっぷり寝る」ということです。
これって結局、「昭和のスタイル」で生きるということなんですよね。
まとめ
不安の原因を始めとした様々な体調不良を生む要因となっている自律神経の乱れは、いわば現代病の1つと言えるでしょう。
よりスピード化を求められるわたしたちの現代社会。段々とそのスピードに人間が付いていけなくなってきている現れなのだと思います。
昔も今も変わらないのは、1日が24時間であるということです。
一度1日の時間の使い方を振り返ってみてください。きっと意外と必要のないことに時間を消費してしまっていることに気付けると思います。
そうした無駄な時間を削り(交感神経の働きを抑える)、ぜひとも副交感神経を機能させて休息・回復の時間を意識的に持つようにしましょう。
ちなみに、スマホをさわるのは、自律神経にとっては休息ではありませんので、ご注意を。