脈拍数の平均値と正常値について 脈拍数が速い(頻脈)・遅い(徐脈)の原因や脈拍数と心拍数の違いなど
健康診断などでは必ず脈拍数を計測されます。その際に「心拍数が高い」と指摘されたことがある方もいることでしょう。脈拍数の平均値や正常値はどれくらいなのか、脈拍数が速かったり(頻脈)、遅かったり(徐脈)とはどういった状態なのか、またその原因は?脈拍数と心拍数の違いなどについても説明していきます。
脈拍数と心拍数の違い
脈拍数と心拍数、よく耳にしますがこの違いって何なのでしょうか。
脈拍数とは、血管が1分間に脈動する回数のことです。それに対し心拍数とは、心臓が1分間に拍動する回数のことです。
脈拍数と心拍数との関係は、正常に心臓が拍動している人であれば「心拍数=脈拍数」になります。
しかし、不整脈が生じた場合はイコールになりません。
ではなぜ不整脈が生じるのかというと、心臓が収縮した直後に心臓が拍動すると、心臓内に血液が充満されず、心拍によって脈拍が出現しないことがあるためです。
ただ不整脈があっても、毎日脈拍数を測ることで自分自身の標準の状態を把握はでき、健康状態を把握するためのバロメーターとしては利用できます。
脈拍数の平均値
脈拍数の平均値とはどれくらいなのでしょうか。
健康診断や人間ドックなどでは、一般的な成人の心拍数の正常値を、1分間に60~100回と定めています。
心拍数の平均値は1分間に60~70回で、85回以上は比較的まれのようです。
なので脈拍数の平均値も、多少不整脈があったとしても、心拍数の平均値とほぼ同じくらいとなります。
ただし、心拍数には個人差があるので、心拍数の平均値と異なるからと言って、正常・異常と簡単に判断できるものでもありません。
不整脈の有無や血圧の数値などとあわせ、総合的に健康状態を判断する必要があります。
脈拍数が速い「頻脈」とは
安静時の心拍数が1分間に100回以上の、いわゆる脈が速い状態を、頻脈(ひんみゃく)と言います。
1分間に120回以上の頻脈では、何かしらの病気が原因で起きている可能性が疑われるため、精密検査を受けることをおすすめします。
頻脈の主な原因としては、
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 心不全
- 虚血性心疾患
などによる電気信号の異常によるものや、
- 高血圧
- 糖尿病
- 甲状腺疾患
などの病気、また、
- 疲労の蓄積
- ストレス
- 飲酒
- 喫煙
- 睡眠不足
などの生活習慣の乱れによって起こることもあります。
1分間に120回以上の頻脈の場合、血液を全身に効率的に送ることができなくなると言われていますの要注意です。
脈拍数が遅い「徐脈」とは
安静時の心拍数が1分間に60回以下の、いわゆる脈の遅い状態を、徐脈(じょみゃく)と言います。
心拍数が異常に低下すると、ふらつきやめまいなどが起きたり、意識を失うこともあるので注意してください。
徐脈の原因としては、
- 加齢
- 動脈硬化
- 甲状腺の病気
- 薬の副作用(降圧薬や抗うつ薬など)
などがか考えられます。
若い人でも徐脈は起こります。
脈拍がずいぶんと少ないなと感じている場合は、病院にて検査を受けることをおすすめします。
高齢者の脈拍正常値はどれくらい?
まず、成人の心拍数の正常値ですが、1分間に60~100回とされています。
それに対し高齢者の心拍数の正常値は、1分間に50~70回と若干少なくなります。
この理由は、高齢者が成人と比べて活動量や代謝が少ないため、体内の酸素消費量が低下し、そのため心臓がさほど頑張らなくても十分に役割を果たせていると感じるため、心拍が落ちてくるようです。
年を取って心拍数が落ちたなと感じているとしたら、そういう理由があるので、1分間に50~70回くらいなら大丈夫かなと、ひとつの目安にしてください。
まとめ
一般的に不整脈が起きない限り、脈拍数と心拍数の値は等しくなります。
成人の心拍数の正常値は1分間に60~100回とされており、平均値は1分間に60~70回程度です。高齢になると、もう少し少なくなってきます。
心拍数は高血圧や脂質異常、高血糖、肥満などの生活習慣病とも関連しており、心拍数が高い人は低い人よりも心臓や血管の病気を発症しやすく、そのため死亡リスクも高いといわれています。
自分の心拍数がどの程度なのかを日頃から把握しておいて、原因不明の乱れが続く場合には、早めに医師の診断を受けるようにしてください。