BNPの基準値と心不全について 高齢者でBNPの数値が500だった場合、見られる症状や特徴は?

心不全かどうかを診断するためには、聴診・胸部X線検査・心電図検査・心エコー検査・血液検査などさまざまな検査を行いますが、その検査の中のひとつに、BNPという検査項目があります。BNPとその基準値について、そのBNPが基準値以上だった場合に起こりうる症状、高齢者の心不全の特徴などについてお伝えします。

BNPとは

BNP(Brain Natriuretic Peptide)とは、「脳性ナトリウム利尿ペプチド」のことで、心臓から分泌されるホルモンのことです。このホルモンはもともと脳で発見されたので脳性と名前がついています。

BNPには血管を広げ尿を出す作用があり、血液を全身にスムーズに送り出したり、余計な水分や塩分を排泄してむくみや息切れを改善する働きをもっています。

つまり心臓に負担がかかったときに、心臓を守るようBNP量が増加します。そのため、血液中BNP濃度を測ることで、心臓の状態を把握することができるわけです。

BNP検査は心不全の診断や経過観察や治療効果判定に使われており、一般的にBNPの数値が高いほど心不全の症状がひどく、重症化につながるとされています。

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BNPの基準値

BNPの基準値は、18.4pg/ml未満が正常とされています。

この基準値は、検査をした95%の人が含まれる範囲の値であり、基準値内であれば心不全の可能性は極めて低くいと判断されます。

18.5pg/mlから39pg/mlが要経過観察、40pg/mlから99pg/mlは目に見える症状がなくても要精密検査対象となります。

100pg/ml以上は心不全の疑いがあるため、専門医に診てもらう必要があります。

200pg/ml以上は、専門医による治療が必要な可能性が高く、500pg/ml以上だと重症な心不全の可能性が極めて高いと予想されます。

BNPが18.4以上の場合

BNPの値は心房の圧を反映します。そのため、心臓のポンプ機能が低下してうっ血が生じたり、体に水分が貯留したりすることで、心房の圧が高まるとBNP値も上昇します。

心不全でなくても、高血圧や不整脈があると心房の圧が高くなる事もあり、その場合もBNPの値は上昇することがあります。

また、高齢者では腎機能の低下や水分貯留がみられるので、それが影響することもあります。

つまり、BNPの値が高いからといって、必ずしも心不全の可能性があるというわけではありません。

心エコー検査など、さらに詳しい検査によって、心不全の原因となるような心疾患があるかを調べる必要があります。

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心不全の症状

心不全とは病名ではなく、心臓の異常によりポンプ機能が低下し、全身の臓器が必要とするだけの血液を十分に送り出せなくなった状態のことをいいます。

心臓は大きく4つの部屋に分かれていますが、右側の心臓は肺へ血液を送りだす働きをし、左側の心臓は全身へ血液を送りだす働きを担っています。

心不全の場合、右側の動きが悪くなる「右心不全」と、心臓の左側の働きが悪くなる「左心不全」によって症状が異なります。

右心不全による症状

右心不全になると、肺へ血液を送り出せなくなります。また、心臓に戻ってきた血液を、受け入れることができなくなります。

そのため静脈に血液が溜まり、下肢や顔面などがむくんだり、肝臓が腫れたり、お腹に水が溜まったりといった他に、以下のような症状も現れます。

  • 食欲不振
  • 吐き気、嘔吐
  • 便秘
  • 体重増加(2~3キロ程度)

左心不全による症状

左心不全になると、肺に血液が溜まります。そして、やがて肺が水浸しの状態になるため、呼吸困難となります。

また、心臓から押し出される血液の量が減ってしまうため、疲れやすくなったり、手足が冷えたりする他、以下のような症状が現れます。

  • 動悸
  • 低血圧
  • 冷や汗
  • 四肢チアノーゼ(手足の末端が青白くなる)
  • 意識障害
  • 乏尿(尿の量が1日400ml以下になる)

高齢者の心不全の特徴

心不全の症状には、「収縮機能」(血液を送り出す機能が低下し、全身の臓器に十分な血液が行き渡らない)と、「拡張機能」(全身の血液が心臓に戻る機能が低下し、血液がうっ滞する)から起こる症状とがあります。

高齢者の場合は、収縮機能が保たれた心不全(拡張不全)が多いことがわかっています。

つまり、心臓に戻る機能の低下よりも、静脈や肺、心臓などに血液が溜まりやすくなるのです。これは通常の検査では見つかりにくく、決め手となる治療法も現在のところ限られています。

また高齢者の心不全では、自覚症状がはっきりと現れにくいだけでなく、息切れなどの症状も「年齢のせい」だと見過ごされてしまいがちです。

これまで普通にできていた動作ができなくなったり、急に体重が増えた、動悸や息切れが増えたと感じた場合は、早めにかかりつけ医に相談し、一度検査を受けることをおすすめします。

まとめ

BNPの基準値は、18.4pg/ml未満です。BNPが基準値を超えていたら、一般的には心不全の可能性が高いと見られるわけですが、高齢者の場合は腎機能の低下などといった他の原因も考えられます。

また高齢者の場合、心不全の症状も判断がしにくいので、定期的に病院で検査を受けることをおすすめします。

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