ブレインフォグとは?新型コロナ感染の後遺症について 新たな症状と重症化による認知機能低下の恐ろしさ
新型コロナ感染の後遺症で、ブレインフォグという症状に見舞われているという人が増えているそうです。このブレインフォグが起きるとどのような症状が現れるのか、まだまだ知られていない新型コロナウイルスの後遺症による認知機能低下の恐ろしさについてお伝えします。
もくじ
新型コロナの後遺症に悩む人たち
新型コロナに感染した人が、累計で1900万人を超えたそうです。
ざっくりと計算すると、6-7人に1人が感染したことになりますが、あなたの周囲で感染した人の数と比べてみて、いかがでしょうか。
そして、そのおよそ3分の1の約650万人が、現在、コロナ感染後の後遺症に悩まされているそうです。
後遺症は感染したコロナの株により異なるようですが、共通して主に現れている後遺症が、次のような症状です。
- けん怠感
- 頭痛
- 睡眠障害
- 脱毛
- 嗅覚障害
- 味覚障害
- 呼吸困難
新型コロナが流行した当初は、後遺症として味覚障害や嗅覚障害が多くみられましたが、オミクロン株ではけん怠感や頭痛などの後遺症を訴える人が増えているそうです。
新型コロナの新たな後遺症
ところが、最新の新型コロナの後遺症として、新たに訴えるケースとして多いのが、
- 光過敏
- 聴覚過敏
- 腹痛
- 腰痛
- 力が入らない
- めまい
- 記憶障害
- 視覚障害
- 思考力や集中力の低下
といったものです。
中でも、問題視されているのが、
- 記憶障害
- 視覚障害
- 思考力や集中力の低下
の、主にこの3つの症状を伴う「ブレインフォグ」と呼ばれるものです。
ブレインフォグとは
ブレインフォグとは、文字通り、頭の中に霧がかかったような状態になることを指し、これまで無意識にできていたことが、よくよく考えないとできなくなってしまう、言わば認知能力が低下が現れるものです。
このブレインフォグの患者の脳の状態を調べてみると、脳の血流が極端に下がっている現象が見られるそうです。ブレインフォグの状態で電気的な刺激を脳に与えても、一時的には回復するもの、再び元の状態に戻ってしまい、根本的な回復がなかなか見られないそうです。
ブレインフォグが起こる原因は、コロナウィルスにおよって生成されたあるタンパク質が、脳に炎症を起こすスイッチを起動するもととなり、ブレインフォグを引き起こしているのではないかと言われています。
脳のどの部分が炎症を起こすかにより、現れる症状は変わってきます。そのため、嗅覚障害も実はブレインフォグが原因ではないかという説もあります。
すぐに疲れてしまい何もできない…
またブレインフォグでは、極度の倦怠感が生じる場合もあり、その症状はうつ状態にも似ているそうです。
ちょっとした軽い物を持つのも耐えられなかったり、少し動いただけで疲れてしまい立っていられないなど、仕事はおろか日常生活における認知行動にさえ支障をきたしているといった問題が、いま多くの人たちを悩ませています。
後遺症による味覚や嗅覚の障害は年代別の差はさほどなく、感染者のおよそ20-30%位の割合で、コロナの後遺症として出ています。
それに対し、後遺症による記憶障害のような認知障害は、若い世代よりも40代以上に多く、若い世代が10%程度の名に比べ、40代以上では20%以上と、高齢になるに連れ認知障害を起こす割合は増えているようです。
まとめ
新型コロナウイルスに感染した際の症状が軽症の場合でも、ブレインフォグのようなひどい後遺症を残すケースはよくあることのようです。
現在、ブレインフォグに対しては各病院で対処療法が行われていますが、その効果に関してエビデンスが取れているものはまだなく、決定的な治療方法は見つかっていないそうです。
なのでブレインフォグを避ける唯一の対策は、何よりも新型コロナに感染しないことです。
新型コロナ自体の感染時の症状が、初期の頃よりもだいぶ緩和されてきていることから、世の中のコロナ対策が少しずつゆるくなり、警戒心も薄れ始めているように思います。
しかし、コロナに感染することのみを問題とするのではなく、その後の後遺症により人生がままならなくなる人もいる事実を踏まえ、引き続き感染対策を意識的に行っていきたいところです。