呼気アルコール濃度の計算方法と下げ方 酒気帯び運転とアルコールが抜けるまでの時間について
呼気アルコール濃度の計算方法や、アルコールが抜けるまでの時間の計算方法などについて解説します。また、酒気帯び運転の基準値や、呼気アルコール濃度を下げる方法についてもご紹介します。お酒を飲まれる方は、ぜひとも知っておいてくださいね。
もくじ
呼気アルコール濃度と酒気帯び運転
酒気帯び運転とは、アルコールを摂取している状態で車両を運転する行為のことです。呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上、または血液1ミリリットル中のアルコール濃度が0.3mg以上含んでいると取り締まりの対象になります。
呼気1リットル中に含むアルコール濃度が0.15mg以上で免許停止(停止期間90日)となります。さらに0.25mg以上になると、免許取り消しだけでなく、免許を再取得することができない交付停止処分期間が付きます。
さらに、アルコールが原因で正常な判断や動作ができないと思われる場合、酒酔い運転となります。罰則・罰金ともに酒気帯び運転よりも重い処分を受ける可能性がありますので、充分に気をつけてください。
呼気アルコール濃度の計算方法
道路交通法において、酒気帯び運転の基準値となる呼気1リットル中のアルコール濃度は0.15mg以上です。これは血液1ミリリットル中のアルコール濃度が0.3mg以上(0.03%)に当たります。
血中アルコール濃度とは、血液中に含まれるアルコールの濃度のことで、以下のように計算することができます。
血中アルコール濃度(%)={アルコール度数(%)×飲酒量(ml)}÷{体重(kg)×833}×100
アルコール度数5%のビールを350ml飲んだ、体重50kgの人を例に計算してみると、
(0.05%×350ml)÷(50kg×833)×100
となり、飲酒後の血中アルコール濃度は0.042%となります。
血中アルコール濃度が0.05%以上では、呼気中アルコール濃度は0.25mg以上、血中アルコール濃度が0.03%以上では、呼気中アルコール濃度は0.15mg以上となるので、上記の例では呼気中アルコール濃度は0.15mg以上ということになります。
ただし、この計算式はあくまで目安にすぎません。人によって、また体調によっても、同じ量のアルコールを摂取した場合でも、血中濃度が高くなることも理解しておいてください。
呼気アルコール濃度と時間との関係
アルコールの抜けるまでの時間は、次のように計算することができます。
まず、飲んだアルコールの度数と量から摂取したアルコールの量を求めます。
アルコール量g=度数%×摂取量ml×0.8
アルコール度数5%のビールを350ml飲んだとすると、0.05%×350ml×0.8となり、アルコール量は14gとなります。
1時間に分解できるアルコール量g=体重kg×0.1
体重50kgの人を例にすると、1時間に分解できるアルコール量は5gといういことになります。
つまり、体重50kgの人がアルコール度数5%のビールを350ml飲んだ場合、アルコールを分解するのに3時間程度が必要ということです。
一般的に、血中のアルコールの分解力は体重が重いほど高く、分解できるアルコールの量が多くなります。こちらも、体調や体質などの個人差がありますので、あくまでも目安として考えましょう。
呼気アルコール濃度を下げる方法
少しでも早くアルコールを分解したい場合に、分解を早める方法について紹介します。
以下の内容は覚えておいて損はないですよ。
スポーツドリンクを飲む
アルコールを分解するためには、大量の糖分が必要となります。また、アルコールの利尿作用によって、お酒を飲んだ後は水分不足になっています。
そのため、糖分が含まれているスポーツドリンクを飲むことは、とても有効です。ただし、アルコールで弱った胃腸に負担をかけないためにも、常温で適量を飲むことをおすすめします。
タウリン・たんぱく質・ビタミンB1を摂取する
タウリン・たんぱく質・ビタミンB1は、肝臓でアルコール分解を助けてくれる栄養素です。
タウリンは貝類・イカ・タコ、たんぱく質は魚介類・肉類、ビタミンB1はシジミなどに多く含まれています。これらを食べることで、アルコール分解の効果が期待できます。
起きている時の方が分解が早い
睡眠時はアルコールを吸収する腸の働きや、アルコールを分解する肝臓の働きが弱まります。そのため、起きている時よりも寝ている時よりもの方がアルコールの分解がゆっくりになるのです。
ただ、睡眠不足だと車の運転時に眠くなり、居眠り運転を招く危険性もあります。早くアルコールを分解したいからといって、寝ずに翌日車の運転をする、なんていう危険な行為は避けてくださいね。
呼気アルコール濃度を下げるためのNG方法
サウナなどで大量に汗をかくと、アルコールが体外に排出されるイメージがあるかもしれませんが、サウナに入ると血行が良くなり、血中のアセトアルデヒドが全身に回るスピードも速くなるので逆効果です。
また、アルコールの利尿作用によって水分が失われている状態でさらに汗をかくと、脱水症状を引き起こす原因となり非常に危険です。
ジョギングなどの運動も、サウナに入ったときと同じようにアルコールが全身に回ってしまいます。アルコールを抜くには、できるだけ安静にする方が効果が高いことを覚えておいてください。
まとめ
道路交通法では、酒気帯び運転の基準値は呼気アルコール濃度が0.15mg以上です。
体重50kgの人がアルコール度数5%のビールを350ml飲んだ場合、呼気アルコール濃度は0.15mgを超えてしまいます。
そして、体重50kgの人がこのアルコールを分解するには、少なくとも3時間程度が必要ということが計算によって判ります。
お酒を少しでも飲んだら絶対に運転しない、アルコールが分解されるまでは絶対に運転しない。そう強く心に誓ってください。
ちょっとした心の緩みが、生涯悔やむことに繋がりかねません。
「自分だけは大丈夫」という根拠のない過信こそが、危険なのです。