車検費用は経費扱いできるのか?個人事業主の経費計上の悩みを解消する
会社員を辞めてから個人事業主として働き始めると、何が困るかって帳簿付けです。
元々取引数は多くないですし、銀行口座と連携して自動で仕訳してくれるツールを利用しているので大きな負担はありません。
しかし経費扱いできるのかどうか、判断に迷う取引はあります。
例えば車検費用です。
そこで今回は、自家用車を仕事で使うことがある個人事業主が、車検費用に対して仕訳をどうするかについてお伝えしたいと思います。
もくじ
個人事業主でも帳簿は必要
白色申告、青色申告に関わらず、
事業所得、不動産所得又は山林所得(以下「事業所得等」といいます。)を生ずべき業務を行う全ての方(所得税及び復興特別所得税の申告の必要がない方も含みます。)は、帳簿を備え付け、これらの業務に係る取引を所定の方法により記録し、一定期間保存することが所得税法で義務付けられています。
と、国税庁が公開しているパンフレットで記されています。
詳細は国税庁のサイトをご覧ください。
参照:個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について|国税庁
実務に関しては、何も知らずに個人事業主をスタートした方も多いでしょうから、
- ツール
- ウェブ上の情報
- 税理士
という3つの選択肢から情報を得て適切な対応をするしかありません。
一番手っ取り早いのはウェブ上での検索です。
事業主貸と事業主借
個人的に理解に時間が掛かったのは、
- 事業主貸
- 事業主借
という勘定科目でした。
しかし、ある時点で「個人」と「個人事業主」のひとり2役を担っていると考えると、理解が早まったので現在では問題は解消しています。
それぞれ簡単に解説しておきます。
ちなみにどちらも経費として認められません。
事業主貸
事業のお金を個人用の口座に移動、個人向けに必要な物品を事業用のお金で支払った、などの場合に適用します。
つまり事業主が個人に貸したという解釈です。
例:生活費を事業用口座から10万円を引き出した
借方 | 貸方 | ||
事業主貸 | 100,000円 | 預金 | 100,000円 |
事業主借
個人のお金を事業用の口座に移動、事業として必要な経費を個人のお金で支払った、などの場合に適用します。
つまり事業主が個人に借りたという解釈です。
例:生活費の中から事業用口座に10万円を入金した
借方 | 貸方 | ||
預金 | 100,000円 | 事業主借 | 100,000円 |
車検費用は経費計上可能か
さて本題ですが、プライベートでも仕様している自家用車を仕事に使うことは、個人事業主は良くあることだと思います。
交通費や駐車場代など、仕事のために利用したという証明は難しくありません。
商談の日時や場所、内容のメモがあれば、それらを経費計上することの説明として成り立ちます。
車検費用の場合、自家用車を仕事で使う割合によって、経費計上が可能です。
年間通して大体3割程度なら、車検費用の3割を経費として仕訳します。
ただし、税理士や税務調査で突っ込まれた場合は、3割程度使用したことを具体的に示せる何かをもって説明できなければなりません。
仕事での使用が比較的多いにも関わらず、口頭だけだと怪しいと思われても仕方がないでしょう。
車検費用は金額が大きいです。
場合によっては家計から一部を回すこともあるでしょうから、「事業主借」勘定を使うかもしれませんね。
まとめ
「車検費用は経費扱いできるのか?個人事業主の経費計上の悩みを解消する」というテーマで、仕事に使用した割合の分だけ経費計上するということを伝えました。
同時に、個人事業主では「事業主貸」と「事業主借」という独特な仕訳勘定科目があるため、それについて言及しています。
帳簿保存のこともあるので、仕訳はツールに任せるのがベストな選択かと。
そのまま確定申告もできますからね。