カーボンニュートラル(炭素中立)脱炭素社会への取り組み 私たちにできること
地球の温暖化が進み、いま様々な異常気象が起きています。この原因を生んでいるのが温室効果ガス、つまり二酸化炭素です。その課題を解決すべく考えられたカーボンニュートラル。それを実現するための脱炭素社会。私たちはいま、早急に解決せねばならない、かなり深刻な課題を抱えているのです。
もくじ
カーボンニュートラルとは?
カーボンニュートラルとは炭素中立とも言い、人間が生きていく中で排出される温室効果ガス(二酸化炭素)を、人の力によって吸収(除去)し、結果的に排出量をプラスマイナスゼロに持っていこうという考えです。
産業革命以降、地球上では石炭や石油などの化石燃料を燃やし、工場などで何かを生産したり、自動車を大量に製造し走らせたりしてきました。
その結果、これまで大量の二酸化炭素(CO2)を排出してきました。
大気中に二酸化炭素やメタン、フロンなどの温室効果ガスが増え過ぎると、これまで宇宙に放出できていた熱が地表近くにたまり、地球全体の気温が上昇してしまいます。
これが地球温暖化です。
地球温暖化が起こるとどうなる?
地球温暖化が起こると、いったいどういったことが起こるのでしょうか。
地球温暖化が起こると、地球上のあらゆる地域で、気候変化が起こります。
気候変化が起こると異常気象が起こります。
最近ここ日本でも、激しい台風や局地的大雨が増えたと思いませんか?
そんな異常気象による自然災害が増え、近年、日本のあちこちで大きな被害が起きるようになってきています。
これも地球温暖化による気候変化が原因と言えるでしょう。
温暖化は南極や北極の氷や氷河を溶かし、海面上昇を生むことで海の面積を広げていきます。
海が広がることにより、雲のでき方や風の吹きかたなども変わります。
そしてそれが、大雨や洪水、台風を起こす原因を生んだり、また反対に、雨が降らなくなって砂漠化を生んだりします。
また、気候変化だけでなく、氷が解け海面水位が上がり地球上の土地面積が減ることで、氷上で暮らす動物たちの住む場所が失われたり、その他の動植物たちの生息する場所が減ることで、生態系も崩れていきます。
そんな地球温暖化がいま、恐ろしいスピードで現在も進んでいるのです。
これは世界中の人たちが力を合わせて、一考も早く解決しなくてはならない重要な問題です。
カーボンニュートラルの取り組みと脱炭素社会
いま世界各国では、カーボンニュートラルへの取り組みを行っています。
もちろんここ日本も「脱炭素社会」と掲げ、「二酸化炭素の排出が実質ゼロとなる社会」への取り組みを行っています。
日本で行っている脱炭素社会に向けた取り組みは次の4つです。
- COOL CHOICE
- 地域の新エネルギー事業
- エネルギーミックス
- 世界への発信
COOL CHOICE
これは政府が国民に向けた脱炭素社会を目指すうえでの取り組みで、国民運動として脱炭素社会につながる製品やサービスを選ぶよう推進するものです。
例えば、車をエコカーにする、新築の家を建てたりリフォームする際にはエコ住宅にする、家電をエコ家電に買い換えるなど。
照明はLEDに替える、マイカーではなくなるべく公共交通機関を利用する、クールビズやウォームビズを実践するといったものまで、二酸化炭素をなるべく排出しないライフスタイルへシフトしていけるよう、そのためのキャンペーンや優遇措置などを行っています。
地域の新エネルギー事業
日本は火力発電による電力発電の割合が多い国です。
それを避けるために原子力発電が導入されても来ましたが、東日本大震災以降、原発の稼働率は減りました。
それ以前に原発自体には、使用するうえでの大きな課題がありますので、火力発電の代替発電とはなりません。
ということで、これまでの発電方法以外の地域独自による様々な発電事業にも力を注いでもらい、新たな発電事業方式による売電ビジネスが推進されるよう国は支援をしています。
また発電だけではなく、街全体が高効率なエコタウンとして機能するような仕組みを構築し、災害時に外部からの電力供給に依存しなくても済む自治体作りといった取り組みも行われています。
エネルギーミックス
クリーンエネルギーの導入は、自治体依存ではなく、政府主導でも進められています。
太陽光、風、水流などの再生可能エネルギーは、燃料を必要としないため環境を壊しません。
また、海外からの輸入に頼らないバイオマスによる発電なども進めています。
ただ、現在の日本の環境や技術力では、すべての電力をクリーンエネルギーで賄うことは難しいのが現実です。
そのため、クリーンエネルギーで足りない部分を火力発電で補うといった、エネルギーミックスでの電力供給の体制を進めています。
世界への発信
脱炭素社会を実現するには、まだまだ様々な革新的技術が必要となります。
そこで、世界で協力し情報共有ができるよう、日本は国際会議を開催しました。
このように日本は世界各国が協力や発信できる場を積極的に提供する姿勢を示しています。
「脱炭素社会」に向け、私たち個人ができること
「脱炭素社会」を作ることは、何も国任せにするものではなく、私たち個人個人が取り組まなくてはならない重要課題です。
これは他人事ではなく、言うなれば地球滅亡がかかっている重大問題ですからね。
では、私たち個人が「脱炭素社会」に向けできることにどんなことがあるでしょうか。
例えば、
- ガソリン自動車をやめ、電気自動車にする
- 電力消費量を減らすよう節電する
- マイカーではなく、なるべく公共の交通機関を利用する
- ムダな消費をやめ、ゴミを減らす努力をする(ごみ焼却量を減らす)
まだ他にも考えればできることがあるでしょう。
大人も子供も一緒になって考え、今すぐにでも一人一人が取り組める事を実践していきましょう。
まとめ
地球温暖化を防ぐべくカーボンニュートラルと日本の「脱炭素社会」の取り組みについていろいろと見てきましたが、この地球温暖化を防ぐうえで一番大事なことは、実はもっと身近にあるのではないかと思っています。
それは「足るを知る」ということです。
「もっともっと」という思考をやめ、「これで充分」という思考にシフトしていくのです。
これまで「向上心」というポジティブなイメージを持つ言葉により、特に先進国では物質的に満たされる生活に目標の重きを置いて努力をしてきました。
しかしその考えは、どうやら間違っていたようです。
これからは、まずは不要なものを捨て、シンプルに暮らすことからもういちど始めることです。
モノを減らす(物質依存をやめる)と、ランニングコストが減ります。
そうすると生きていくうえでの必要な毎月のお金も減ります。
ということは、収入がいまより少なくなっても問題ないわけです。
そうなると、高給のために続けていた嫌な仕事からも解放されますし、失業しても少ないお金で生きていけるので、仕事探しにも困りません。
何よりストレスが格段に減ります。
そうやって、「もっともっと」といった物質志向・高級志向などはやめ、自分の身の丈に合った「足るを知る」生活をすることです。
そうすれば、無駄なエネルギーの消費も減り、ごみの排出量も減り、心の余裕から生まれる自然との共生もできていくのではないかと思います。
私たちはおそらく、文明を進化させることにこれまで重点を置きすぎました。
地球全体のバランスにまで、目が行き届いていなかったのだと思います。
その結果、いまの環境問題を生んでしまったのです。
いま全体を俯瞰できる境地まで進化したわけですから、あえてのダウンシフトを試み、今度は地球全体の共生のために知恵を働かせる番です。
もう経済中心の考えは、前時代的考えです。
その先の次元で物事を考え、生きていかなくてはなりません。
そうしないと人類の未来はありません。
「人は進化した結果、自らを滅ばしてしまった」というのでは、笑い話にもなりませんからね。