サウナで脳貧血が起きやすいケースと脳貧血を予防する方法 サウナに入るときの注意点とは
最近では「ととのう」という言葉も注目され、サウナ愛好家「サウナー」も増加し続けているようですねね。そんなサウナ、うまく付き合えば心身ともに健康になりリフレッシュもできますが、脳貧血による立ちくらみなどに気を付けないと、せっかくのサウナも逆効果となってしまいます。サウナで脳貧血が起きやすいのはどういったケースか、また、脳貧血を予防する方法、サウナに入るときの注意点などについて説明します。
もくじ
脳貧血とは
脳貧血とは、起立性低血圧または起立性調節障害と呼ばれるものです。急に立ち上がった際に血圧が下がり、脳に酸素が送り込めないことが原因で起こります。
椅子から立ち上がったときなどに、頭が一瞬ぐらっとする・目の前が暗くなる・いきなり倒れるなどの症状が挙げられます。
貧血とは血液中の赤血球が不足している状態のことですが、脳貧血は血圧の問題なので貧血とはまったく違うものです。常時血圧が低い「低血圧」とも異なりますので、覚えておいてください。
脳貧血のメカニズム
サウナなどでリラックスしている状態では、自律神経の「副交感神経」が優位になり、血管が拡がり血流が良くなっています。
この状態で急に立ち上がると、血液は下半身へと一気に流れ、上半身の血液量が少なくなります。
更に血管も広がった状態なため、血圧も低下しています。この場合、血液を上へ上げるポンプ作用も弱くなっているので、血液を脳へ送り込むことができなくなります。
正常な状態であれば、自律神経は血圧の低下に反応し、下半身の血管を収縮させ、心拍数を増加させることで血圧の低下を抑えます。そうすることで、脳への血液循環が維持されます。
しかし、自律神経機能が低下している状態では、このメカニズムがうまく働きません。つまり、脳貧血は自律神経の状態が大きく影響してくると言えます。
サウナで脳貧血が起きやすいケース
サウナで脳貧血が起きやすいケースは、次のようなときです。
- サウナで汗をかき、急に立ち上がったとき
- 水風呂から上がったとき
- 休憩用のベンチで外気浴して、立ち上がったとき
サウナで脳貧血が起きたときに最も怖いのは、脳貧血が起きたこと自体よりも、それによる転倒や失神で頭をぶつけることです。
貧血で転倒し、頭をぶつけて出血するというケースが本当に多く、これが原因で亡くなられる人も少なくありません。
サウナでの脳貧血の予防方法
サウナで脳貧血を予防するために、次の点に注意してください。
ゆっくりと立ち上がる
サウナ・水風呂・休憩用のベンチなどから立ち上がるときは、急激に立つのではなく、ゆっくりと立ち上がるように意識しましょう。
サウナでは頭を下げたままゆっくり立ち上がる、水風呂では一旦湯船のへりに腰かけるなど、行動に1クッション入れると良いです。
「あっ!」と思ったらしゃがみこむ
もしも立ちくらみが起きて「あっ!」と思ったら、すぐにその場にしゃがみこむようにしてください。
すぐにしゃがめば頭の位置も低いので、仮に転倒しても立ったまま倒れるよりも頭を打った際のダメージリスクは大幅に低減できます。
体調が悪いときは無理をしない
自律神経は体調に大きく影響を受けます。体調のあまりすぐれないときは、無理のない範囲でサウナを楽しんでください。
サウナに入るときの注意点
サウナで脳貧血が起きないようにするために、次の注意点を守ってください。
- 飲酒後はサウナに入らない
- 休憩時間を作り、こまめに水分補給をする
- 体調に異変を感じたら通常の室温で座るか横になる
- 高血圧の人、心臓・脳などに持病がある人は、かかりつけ医に相談してから利用する
脳貧血がたまに起きる程度ならさほど気にする必要はありませんが、脳貧血の頻度が多い・立ちくらみだけでなく気持ち悪くなる・目の前が暗くなって失神する、といった場合には、別の病気が隠れている可能性もあります。その場合は、一度医師に相談してみてください。
まとめ
脳貧血と貧血は、言葉はよく似ていますが別物なんですね。
「脳貧血」は、血液中の赤血球が不足する「貧血」とは異なり、急に立ち上がったときに血圧が下がることで、脳に酸素が送り込めないことで起こる「立ちくらみ」のことです。
脳貧血が起こる原因は、自律神経機能の低下です。サウナで脳貧血を予防するためにも、「ゆっくりと立ち上がる」ことを常に頭に入れておきましょう。
脳貧血を起こさないよう注意しながら、サウナライフをエンジョイしてください。