70代後半男性は便秘が多い?高齢者の便秘は心筋梗塞や脳卒中の原因にも 便秘の改善方法は?
70代後半になると便秘になる男性が増えるそうです。その数は女性を凌ぐほどだとか。便秘は生活の質を下げるばかりか、様々な点で健康に影響を与えます。また、便秘の人の心筋梗塞や脳卒中の発症リスクは、便秘でない人の1.4倍と高く、寿命にも大きく影響してくるそうです。そんな便秘の誰もができる改善方法などもお伝えしますので、この機会に便秘をぜひとも解消してください。
70代後半男性には便秘の人が多い
便秘と聞くと男性よりも女性に悩みを抱えている人が多いような印象があります。
しかし、60代前半までは女性の方が圧倒的に便秘に悩まされている人が多いのですが、60代後半くらいから男性も便秘になる人が増えはじめ、70代後半になると男性の方が便秘で悩んでいる人が多くなるそうです
つまり、長寿とともに便秘は男女共通の悩みとなっていくわけです。
どうして高齢になると便秘になりやすいのか
ではどうして高齢になると便秘になりやすくなるのでしょうか。
その理由は、
- 食事や水分の摂取量
- 筋力や腸の動きの低下
という、2点が大きく関係しています。
また、便秘には「フレイル」との関係もあると言われています。
フレイルとは
フレイルとは医学用語の「frailty(フレイルティー)」の日本語化で、「病気ではないが、加齢と共に筋力や心身の活力が低下すること」です。
フレイルの代表的な特徴は、
- 体重の減少
- 疲労感の増加
- 活動量の低下
- 緩慢さ(歩行速度低下)
- 虚弱(握力低下)
といったものです。
フレイルを予防するには、
- バランスの良い食事(たんぱく質をよく摂る)と十分な水分補給
- 歩いたり、筋トレといった適度な運動習慣
- 就労・趣味の活動、ボランティアといった社会参加
の3点が重要だそうです。
高齢者の便秘は心筋梗塞や脳卒中の原因にも
便秘によって生じる問題点には、主に
- 腹痛
- 腹部膨満感
- 食欲不振
があげられますが、
- 腸内からの栄養吸収率が落ちることよる栄養不足
- 腸が動かないことによる消化不良
- 肌荒れや肩こり
- イライラ感が募る
- 便秘が起因する精神的苦痛
といったことにも繋がります。
また、便秘にはこのような生活の質(QOL)を下げる要因だけでなく、寿命も縮めてしまうことも明らかになっています。
というのも、便秘の人は便秘でない人と比べて、心筋梗塞や脳卒中のリスクが1.4倍も高いという研究結果があるからです。
実は便通が良いということは、人が生きていくうえでとても重要なことなのです。そのためにも、便秘は積極的に改善していく必要があります。
誰でもできる便秘の改善方法
便秘が習慣化している人は、生活習慣を変える必要があります。
便秘の改善方法は大きく、食事と運動です。
食事に関しては、
- いも類
- 果物類
- 海藻類
- 発酵食品
- 乳酸菌食品
を意識して摂取するように努めましょう。
また、便秘には水分もとても大事です。朝起きたら、コップ1杯の水(白湯)をゆっくりと飲む習慣をつけてください。
運動に関しては、
- ウォーキング
- お腹周りを動かすストレッチ
- 腸活マッサージ
が有効です。
腸活マッサージは、大腸や小腸を指で直接刺激します。両手のひらを重ね、おへその周りを時計回りにくるくると円を描くようにマッサージしてみましょう。あまり強く押さえすぎないように注意しながら、腸内で便が動いているようなイメージを描きつつ行うのがコツです。
まとめ
お腹の健康度が高い人ほど長寿なんですね。言われてみれば、栄養価の高いものをいくら食べても、きちんと腸から栄養分が吸収され、不要物が排泄されてこそ、健康的なサイクルが保たれるわけですからね。
高齢でなくとも便秘は様々な問題を引き起こし、また長期化することで副次的な問題を起こします。
QOLの低下だけでなく、命にも関わる病気にも発展しかねない便秘。たかが便秘と馬鹿にせず、便秘がちな人は今日から便秘改善に努めてください。