遅発性パラフレニーとは 高齢の親の妄想問題 フェイクニュースや陰謀論を信じ始めたら要注意

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高齢になってから発症するパラノイアとして遅発性パラフレニーというものがあります。高齢の親の妄想がひどくなってきた、ネットのフェイクニュースや陰謀論を信じてやまない、突然人との関わりを避けてひこもり始めた、そんな場合は遅発性パラフレニー発症の可能性が考えられます。そんな遅遅発性パラフレニーの症状や原因などについて解説します。

遅発性パラフレニーとは

遅発性パラフレニーは、主に40歳以上の中高年が発症する、重度の妄想、幻覚、思考の錯乱などの症状を引き起こす精神疾患です。

パラノイド型の妄想が特徴ですが、遅発性パラフレニーについてはまだあまり研究が進んでおらず、原因や治療法については不明な点が多いとされています。

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遅発性パラフレニーの症状

遅発性パラフレニーの症状には、

  • 重度の妄想
  • 幻覚
  • 思考の錯乱
  • 社会的引きこもり

などがあります。

遅発性パラフレニーは思考や感情に強い信念を抱くものの、妄想は現実と合致していないことが多く、話す内容は不合理である傾向にあります。

例えば、

  • 迫害妄想(誰かから監視されている、迫害されているなど)
  • 幻覚
  • 幻聴

といったものです。

そのため社会的引きこもりに陥りやすく、人間関係を断とうとします。

中高年以上になってから家族や友人との交流を避けはじめ、外出することを拒否して自分の部屋に引きこもるようになった場合、遅発性パラフレニーの疑いが考えられます。

遅発性パラフレニーの原因

遅発性パラフレニーの原因ははっきりとは分かっていません。

ただし研究によると、

  • 遺伝的な要因
  • 脳の機能異常
  • ストレス

などが関与している可能性があるとされています。

また、脳機能に影響を与える薬などの影響や、環境要因などが関与している可能性もあるそうです。

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男女よる遅発性パラフレニー発症の違い

遅発性パラフレニーは男女比に偏りがなく、男女共に発症する可能性があるとされています。

性別が発症に影響することは確認されていないものの、傾向としては男性によく見られるともされています。

その理由として、男性は女性に比べて社会的な孤立やストレスにさらされやすいことが関係しているのではないかと考えられています。

遅発性精神障害と遅発性パラフレニー

遅発性精神障害とは、成人期以降に発症する精神障害の総称のことです。

代表的な遅発性精神障害に、遅発性パラフレニーや遅発性統合失調症などがあります。つまり、遅発性パラフレニーは遅発性精神障害の一種ということです。

遅発性精神障害は慢性的な症状が現れることが多いため、社会生活に大きな影響を及ぼしやすいとされています。そのため早期の発見と治療が非常に重要となってきます。

パラノイドとパラノイア、パラフレニーの違い

遅発性パラフレニーの説明の中に、パラノイドとかパラノイアといった似たような言葉がよく出てくるため、色々と混同しがちですので、ここで一旦まとめておきます。

パラノイア:強固な妄想が持続する偏執病のこと
パラノイド:その偏執病を患う人のこと

パラノイアは病気そのものを指す言葉で、パラノイドは人を指す言葉です。

では、パラフレニーとパラノイアの違いはというと、パラノイアとパラフレニーは共に不合理な疑いや不信感が特徴的で、疑心暗鬼や偏執的な妄想が現れる疾患のことですが、パラフレニーは遅発性パラフレニーのように、中高年以降に発症した偏執病に対して使われることが多いです。

まとめ

遅発性パラフレニーを発症すると、長期化しやすいことやわりと高齢化してから発症しやすいことから、認知症へと発展していくリスクもあるとされています。

もともと遅発性パラフレニー自体は、幻覚や妄想によって特徴づけられる精神障害であり、認知機能の低下はありませんが、幻覚や妄想などの症状からレビー小体型認知症の疑いがもたれる場合もあるようです。

これらの治療法は異なるものなので、しっかりと原因となる病気の診断を行い、適切な治療を行うことが重要です。

親などが高齢になり、ネット上のフェイクニュースや陰謀論など信じてやまない、事実と異なる被害妄想などを頻繁に口にするようになった、と悩む人が増えているそうです。このような場合は遅発性パラフレニーの発症の疑いがありますので、早めに心療内科などを受診するようにしてください。

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