認知症検査の種類と費用について 免許更新時の認知機能検査は何をする?【認知症の種類と初期症状】
認知症の種類と初期症状や認知症検査の種類と費用について。また、75歳以上の方の運転免許更新時の認知機能検査についても解説します。
もくじ
認知症の種類と初期症状
認知症とは、認知機能が低下し、日常生活に支障が出てくる状態のことです。認知機能が低下する理由には、脳の病気や障害など原因は様々あります。
まずは、認知症の種類と初期症状について見てみましょう。
認知症の種類
認知症には主に次の4つの種類があります。
最も多いものから順に、
- アルツハイマー型認知症
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭葉変性症
となります。
アルツハイマー型認知症
認知症の約60%がアルツハイマー型で、脳神経が変性し、脳の一部が萎縮していくことで起こる認知症です。進行が進むと、日付や人の顔、金銭の管理、家事などができなくなります。
血管性認知症
アルツハイマー型の次に多いのが血管性認知症で、全体の約20%を占めます。原因は脳梗塞や脳出血です。意欲の低下を起こし、脳梗塞による歩行障害や言語障害、嚥下障害を伴うことがあります。
レビー小体型認知症
レビー小体型は認知症の約10%を占めます。神経細胞の障害により起こる認知症で、後頭葉に障害が見られます。幻視が特徴的な症状ですが、嗅覚の低下や睡眠中の異常行動、パーキンソン症状なども見られます。
前頭側頭葉変性症
前頭側頭葉変性症は、その他の型と比べまれに起こるものです。症状としては、人格や行動がこれまでと著しく変わってしまうタイプ、言語が話せなくなるタイプ、言葉の意味が理解できなくなるタイプなどがあります。
認知症の初期症状
各認知症の種類ごとの初期症状について見てみましょう。
アルツハイマー型認知症は、物忘れで発症することがほとんどです。新しいことが覚えられないといった短期記憶に障害がでます。
レビー型は型認知症は、無気力・うつが起こり、幻視や自律神経症状が起こります。
血管性認知症の原因は脳梗塞や脳出血なので、初期症状は特にありません。脳梗塞や脳出血を起こさないよう、予防をすることが重要です。
前頭側頭葉変性症には「常同行動」という症状が現れます。毎日同じ時間に同じ行動を取ることに固執したり、理性的な行動ができなくなり、万引などをしてしまいます。
認知症検査の種類と費用
認知症検査には主のような種類があります。
- 長谷川式認知症簡易評価スケール
- ミニメンタルステート検査(MMSE)
- ウェクスラー記憶検査(WMS-R)
- 画像検査
- その他の検査
日本国内において最もよく行われている認知機能テストが「長谷川式認知症簡易評価スケール」です。名前や生年月日、簡単な計算、記憶力などがテストとして問題が出され、30点満点中20点以下だと認知症の可能性の疑いありと判定されます。
「ミニメンタルステート検査(MMSE)」は簡単な質問により認知機能を評価するテストですが、長谷川式よりも質問項目が多く、26点以下だと認知症の疑いがあると判定されます。
世界的に行われているのは「ウェクスラー記憶検査(WMS-R)」です。総合的な記憶検査がテスト内容です。
画像検査はCTやMRIなどの画像から脳の萎縮状態を見る検査です。これだけで認知症と判断するものではなく、認知症と診断された後に、認知症の型や進行度合いのチェックに利用します。
その他の検査としては、血液検査や尿検査などもあります。
長谷川式認知症簡易評価スケール、ミニメンタルステート検査(MMSE)、ウェクスラー記憶検査(WMS-R)といった主なテスト形式の認知症検査の費用は比較的安価なもので、認知機能テストに加え、医師の診察や画像診断、血液検査などを合わせても、数千円から2万円程度が相場と言えるでしょう。
免許更新時の認知機能検査について
75歳以上の運転免許証の更新では、高齢者講習の前に認知機能検査を受けることが義務付けられています。
この認知機能検査で検査される内容は 記憶力や判断力を測定する検査です。
検査時間は約30分程度で、「時間の見当識」「手がかり再生」「時計描画」という3つの項目について、検査用紙を用いて行われます。
時間の見当識
検査時にの年月日、曜日及び時間を回答します。
手がかり再生
一定のイラストを記憶し、途中、採点に関係のない課題を行った後、はじめに記憶したイラストをヒントなしに回答、さらにヒントをもとに回答をします。
時計描写
時計の文字盤を描き、その文字盤に指定された時刻を表す針を描きます。
まとめ
多かれ少なかれ、誰しも歳を取ると脳(だけじゃない)の機能は低下していきます。
最近、物忘れが増えてきたなぁと思う程度ならまだしも、周りから見て「物盗られ妄想」や「異常行動」などが見られ始めたら、少し認知症を疑う必要はあるかもしれません。
また、自分は大丈夫だろうかと不安に感じているのなら、思い切って認知症テストを受けてみるといいでしょう。不安に感じ続けているよりも、そこで「問題なし」と判断されれば、不安も解消されスッキリ生活していくことができます。
認知症テストは精神科や心療内科、脳神経外科、神経内科などで受けることができます。
また近年、認知症は虫歯とも深い関係があると言われています。年に一度は歯科検診をし、認知症予防のためにも常に虫歯のない状態をキープされることをおすすめします。