減価償却費について 定率法と定額法の違い・少額減価償却資産の特例など

事業における減価償却費について解説します。減価償却の方法における定率法と定額法の違いや中小企業向けの「少額減価償却資産の特例」などについても解説します。

減価償却費とは

そもそも減価償却費とは何でしょうか。

例えば、事業で10万円以上のものを購入したとします。

この場合、1度に経費として落とすことができません。

10万を超えるものの場合、耐用数年に御応じて、数年に渡り分割して経費計上していく必要があります。

高額なものって、基本的に1年で使い終わることはなく、数年にわたって使うものがほとんどです。

なので、会計においては、高価なものを購入したときは、数年に耐用年数に応じて数年かけて経費とします。

この会計方法が「減価償却費」です。

広告

償却年数は物により決まっている

減価償却する際の償却年数は、物の耐用年数によって決まっています。

減価償却に該当するものとして、次の5つの項目に分類されています。

  • 建物、建物付属設備の耐用年数
  • 構築物、生物の耐用年数
  • 車両・運搬具、工具の耐用年数
  • 器具・備品の耐用年数
  • 機械・装置の耐用年数

例えば自動車だと4年、テレビは5年、冷蔵庫は6年など。

詳しい耐用年数は国税庁のページに記載されていますので参考にしてください。

耐用年数表(国税庁)

減価償却の方法には定額法と定率法がある

事業用に高額なものを購入し経費とするには、数年にわたりには減価償却費として会計処理をしなくてはならないことが分かりましたが、ではいったいどのように毎年の経費を計算するのでしょう。

その計算方法には、定額法と定率法の2通りがあります。

定額法

定額法とは、その名のとおり毎年「定額」で均等に減価償却していく方法です。

先に上げた車を例に定額法の計算方法を見ていきましょう。

事業用に200万円で新車を購入したとします。

車(新車の場合)の耐用年数は4年なので、毎年25%ずつ償却することになり、毎年の減価償却費は次のような式になります。

200万×0.25(25%)=50万

つまり、年間50万円ずつ4年にわたり償却していくことになりまです。

年度の途中で購入した場合は、12ヶ月のうち、その年度にあと何ヶ月残っているかの割合で計算します。

12月決算で、10月に車を買った場合の計算式がこちら。

200万×0.25(25%)×3/12(12分の3)=12万5000円

初年度は12万5000円
2年目は50万円
3年目は50万円
4年目は50万円
5年目は37万5000円

※トータルでの期間は4年(48ヶ月)で計200万を償却

中古車だと耐用年数が変わりますが、説明は割愛します。

定率法

定率法は定額法と異なり、毎年の償却金額が変動していきます。

定額法では取得価格に償却率を単純に掛けるのに対し、定率法は未償却残高に償却率をかけて算出します。

イメージとしては、定額法は年間の償却額が一定なのに対し、定率法は初年度が一番多く、次年度に行くに従い償却金額が減っていきます。

つまり、10年で償却する場合、最初の数年で大半の購入額を経費として計上できるので、直近経費をたくさん計上したい場合などに有利です。

経費コントロールができるために定率法の方が節税効果を望めそうですが、何に対しても定額法と定率法とを自由に選べるわけではありません。

どちらの償却方法を選択するかは税務署へ届ける必要があります。

届けがない場合、原則としては法人は建物、付属設備、構築物に関しては定額法、それ以外は定率法が適用され、個人は全て定額法が自動的に適用されます。

広告

少額減価償却資産の特例

これまで減価償却の仕組みを説明し、耐用年数や毎年の減価償却費の方法、産出方法などを説明してきました。

ただ現在は、新型コロナウイルスの影響により、企業の業績が悪化しています。

そのため国は中小企業向けに、「少額減価償却資産の特例」を施行しています。

この「少額減価償却資産の特例」は、条件に該当する中小企業の場合、取得価額が30万円未満の物に対し、合計額300万円を限度として、年度内に全額損金として1度に償却できる精度です。

適用期間は令和4年3月31日までです。

詳しくは、経済産業省の少額減価償却資産の特例についてのページをご参照ください。

少額減価償却資産の特例について(経済産業省)

このように、主に経済状況により、その時々でルールは細かく変わります。

普段からアンテナを張っておき、上手に会計に活用して事業安定化を図りましょう。

まとめ

毎年のように何かしら会計ルールは変更や特例などが設けられますから、確定申告時には特に注意が必要です。

会計の知識があると、年度ごとの売り上げによって、上手に節税効果も得られることでしょう。

昨今のような不況傾向にある場合、会計の知識が会社存続にも大きな影響を与えそうです。

自らも税金についての知識を高めつつ、良いアドバイスをもらえる優秀な税理士さんに協力してもらいながら、不況を乗り切っていきたいところです。

参考になったらシェアしてくださいね!