障害年金のしくみを理解しよう!国民年金や厚生年金および満額の支給額の違いが明確に!
国民年金や厚生年金については、大体のことは理解している方も多いようですが、これが障害年金となると難しい印象を持つ人もいます。
当事者および親族に障害年金受給者がいるという場合は、多少の知識はあるかもしれません。
ところが国民年金や厚生年金との違い、どういうケースで受給が可能なのか、一般的な認知度は高くないのではないでしょうか。
そもそも年金制度がややこしいですし、もはや年金での生活は無理ゲーだということがバレてきているので、「知りたくない」「関わりたくない」という若い世代も増えている気がしてなりません。
そこで今回は、あまり知られていないであろう障害年金について、書いてみます。
もくじ
障害年金とは
日本年金機構のサイトでは、
病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金
と説明しています。
障害年金には、
- 障害基礎年金
- 障害厚生年金
の2つがあり、国民年金加入者が受給する場合は「障害基礎年金」、厚生年金加入者が受給する場合は「障害厚生年金」を受け取れるというしくみです。
ゆえに必然的には、会社員と個人事業主、あるいはフリーランスとは手厚さの違いも出てきます。
会社員は「障害基礎年金」「障害厚生年金」という2階建てになりますが、個人事業主やフリーランスは「障害基礎年金」のみということになります。
ここでも会社員が有利な制度になっていることに変わりはありません。
つくづく、自営業やフリーランスには「やさしくない」のが、日本ということが現れていますよね。
受給要件は少しハードルが高い
障害年金の受給に関しては、少々、ハードルが高い印象を受けるはずです。
障害等級も要件のひとつなのですが、
- 障害基礎年金:1級と2級(3級は対象外)
- 障害厚生年金:1級~3級(3級に満たない場合は障害手当金のみ)
となっているので、等級によって差が出るということです。
「初診日」という独特な基準がベースとなるので、過去に会社員だったが今はフリーランスという状況で障害を負ってしまった場合は、障害厚生年金の受給はできません。
3級に満たない場合は「障害手当金」という一時金の支給のみとなっています。
障害年金の受給額
障害基礎年金と障害厚生年金の受給額について、現時点での情報を記載しておきます。
障害基礎年金
- 1級:972,250円+子の加算額
- 2級:777,800円+子の加算額
子の加算額については、2人までは1人につき223,800円、3人目以降は1人につき74,600円です。
また「子」とは、
- 18歳になった後の最初の3月31日までの子
- 20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子
になります。
障害厚生年金
- 1級:報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金額(223,800円)
- 2級:報酬比例の年金額+配偶者の加給年金額(223,800円)
- 3級:報酬比例の年金額(最低保障額は583,400円)
- 障害手当金:報酬比例の年金額×2(最低保障は1,166,800円)
個人により報酬比例が異なるため明確な数字は出ません。
例として、「年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)令和元年」を参照すると、本人が1級である場合は年間で120万~192万という範囲となっています。
それに本人分の障害老齢年金が加わりますので、大体、年間で210万円~280万円となり、世帯によっては配偶者や子の分が加算されるわけです。
75歳以上での障害年金は絶望的
障害厚生年金と障害老齢年金を受け取れるのは、原則として現役の会社員世帯なのです。
ほぼ触れられていませんが、65歳を過ぎてから障害を負ってしまった場合は、障害年金のハードルは最も高くなります。
ゆえに雇用が70歳まで延長されている場合はともかく、75歳以降に障害を負ってしまうと、恐らく、民間の保険や預貯金でなどで生活資金をカバーするしか選択肢がないという、非常に残酷な現実があるわけです。
まとめ
「障害年金のしくみを理解しよう!国民年金や厚生年金および満額の支給額の違いが明確に!」というテーマで、障害年金について書きました。
あくまでも障害年金は現役世代が対象で、65歳がボーダーライン。
恐ろしい現実を見るのは70代以降に障害を追ってしまった自営業者です。
しっかりとしくみを理解して、1人1年金の原則を今のうちから理解して、それに備えておきましょう。