『減速して自由に生きる ダウンシフターズ』(高坂勝著)を読んで考えたこと 人生にワクワクを取り戻す

※広告

高坂勝さんの『減速して自由に生きる ダウンシフターズ』を読みました。そこで感じたこと・考えたことをシェアしたいと思います。いま再び人生にワクワクを取り戻すために。時代がどうあれ、自分の人生を楽しくするのは自分です。

「減速して自由に生きる」とは

「減速して自由に生きる」というのは、定年後の話ではなく、現役の人に対しての話です。

経済成長を求める社会の中で、ストレスを抱え自由な時間もなく働く人生から降り、小さな生業をもってもう少しゆるく生きていこうというのです。

著者の高坂さんは、自信も悩みながら、生活スタイルを変え、企業で勤めることから、自分の生業をもって自分のペースで生きることを実現されました。

今は当初の生業であった池袋の居酒屋はたたみ、千葉県匝瑳市の方へ移住して、米などを作り、民泊を経営しながら、独自の活動をされているようです。

減速するにあたり、高坂さんは600万円あった年収は350万円に減りました。

しかし、その代わりに自由な時間ができたので、これまでならお金を払っていたことを自分の手で行うことで、お金を掛けない暮らしをしながら、ストレスとは無縁の自由な生活を手に入れました。

広告

ダウンシフターズのすすめ

昭和から平成、そして令和となり、日本の成長はますます鈍化しているように思えます。

それもそのはず、人口が減少しているわけですから、経済を回すにも限界があります。

サラリーマンという生き方も、我々の親の世代とはだいぶ状況が変わりました。年功序列の終身雇用なんて言葉は過去のものとなり、昇給もままならなければ、退職金も減っています。

良い大学を卒業して、良い会社に就職できさえすれば、人生は安泰といわれていた成功法則も、説得力が薄れています。

更に年金のもらえる額も減少し、年金給付開始年齢もどんどんと遅くなっています。消費税の税率はどんどん上がり、社会保険料の増加、学費の高騰など、いくら稼いでもどんどん奪われていくばかりで、貯金もままなりません。生活保護の数も1993年ごろから、ずっと増加し続けています。

これでは、将来に対する不安は募るばかり。いつかこの流れは変わるなどといった根拠のない希望を抱くことも、そろそろ限界のようです。

企業の成長が見込めないのなら、当たり前ですが給料も増えません。団塊の世代の人たちが現役だった時代は、日本全体が活気づいており、放っておいても右肩上がりの成長期だったのです。

S字成長の時代を終え、今は緩やかな衰退の時期に入ったわけですから、団塊の世代の人たちと同じ働き方をしても、今ではもう同じ未来は得られないのです。

つまり人生の先輩と同じことをしても、上手くはいかない。さすがにそろそろ、みんな薄々と感付き始めているのではないでしょうか。

だったら、もう嫌だ!無理!とメンタルが崩壊する前に、ダウンシフトして、生き方を変えみてはどうかというのが今回のテーマです。

上手く行っている方、毎日が充実していて楽しいという方は、そのまま突き進めばいいでしょう。

しかし、限界を感じながら、毎日苦しみながら働いているという人は、ここで価値観を変え、視点を変えれば、もっと楽しい生き方もあるのではないか。それがダウンシフターズなのです。

ダウンシフターズは足るを知ること

ダウンシフターズは、世の中の価値観よりも自分の価値観を信じる生き方です。つまり、他人との比較をやめ、自分にとっては何が大切かを考えるところからスタートします。

みんなが持っているからというだけで、不要なものを手に入れることをやめれば、その分収入が減っても困らないはずです。時間ができれば家具も料理もなにもかも、作れるものは自分の手で作れば無駄なお金はかかりません。お米や野菜だって自分で作れば、食費もだいぶ抑えられます。

そうやって、「もっともっと」から、自分にとっての充分である「足るを知る」生き方にシフトするのです。

いうなれば、物もサービスも少なく、時間がゆっくりと流れていた、もっと昔の生活スタイルを取り戻すといってもいいかもしれません。

私たちはいろんなものを持ち過ぎました。だからきっと今、断捨離ブームなんかも起きているのでしょう。

本の中でも「半農半X」という話が出てきます。これは半分農業をやって、残り半分は自分の好きな何者かを行うというものです。

自分の好きな何者かは、ミュージシャンでもデザイナーでも好きなものを選び、少しはそれで生業が成りたてばいいのです。なぜなら半農の部分で、食べる部分は確保できていますから、必要なお金もさほど多くは必要ありません。

当然、半農を選択する時点で、都市生活は放棄していますので、田舎暮らしです。田舎に行けば、家賃がタダ同然の物件もあるので、著者のように年収だって都市生活の半分くらいでも成り立つのです。

広告

まとめ

今すぐにダウンシフトしなくても構いません。

そういった選択肢もあるんだなと知ることで、今の忙しい生活に対するストレスが少し減ったなら、意味があると思います。

「いざとなったら、ダウンシフトすればいいや」そう思えるだけでも、少しは救われるでしょう。

私はかつて二十歳の頃、自給自足の生活をしようかと本気で考えていたことがあります。都市から田舎へ移り、自分で小屋を建て、小さな畑と最低限の労働による稼ぎとで気ままに1人生きていこうかと考えました。H.D.ソローの『森の生活』を読んだりしていましたから。

都会の喧騒から離れ晴耕雨読を夢見たのです。全てを自分の手で生み出し、誰からも束縛されることなく自由に生きる暮らしです。

そしていま再び、心が自由を求め始めています。50代に入り、残りの人生のことを考え、もっと自由に自分のやりたいことをやって、悔いのない人生を送りたいと思いはいじめているのかもしれません。

大人になり、親になると、どこか周囲と自分を比較して、恥ずかしくない振る舞いをしなくてはという思いから、変な同調が働き、いつしか自分にとってはつまらない生き方になってしまったのかもしれません。

もしくは、今回のコロナでいろいろと考えたことも関係しているのかも。

いずれにせよ、何でもそろっている「もっともっと」の生活から、自分にとっての価値感を優先し、「足るを知る」でダウンシフトした生活へ入っていこうと思っています。

そう思ったら、ここ最近の暗い気持ちが去り、なんだか人生が再びワクワクしてきました。

参考になったらシェアしてくださいね!