嗅覚障害に効く薬には何がある?原因ごとの点鼻薬の種類の違いとその他の治し方について

※広告

嗅覚障害はその原因によって大きく3つのタイプに分けることができ、それぞれ治療方法がことなります。嗅覚障害と原因による3つのタイプ、点鼻薬やその他の治し方、亜鉛不足との関係について解説していきます。

嗅覚障害とは

嗅覚障害とは、匂いの感覚が弱くなったり、匂いを全く感じなくなったりする症状のことをいいます。

嗅覚障害の原因は、最近では新型コロナウイルス感染症もありますが、最も多いのは副鼻腔炎です。

嗅覚のメカニズムは、鼻から入った匂いの成分が、鼻の付け根あたりにある嗅細胞とよばれる細胞まで届くと、嗅神経を通って匂いの情報が脳に伝わり匂いとして感じることができます。

この経路のどこかに異常があると、匂いを感じることができなくなってしまいます。

広告

嗅覚障害の原因と3つのタイプ

嗅覚障害は異常が生じている部位によって3つのタイプに分類され、それぞれ原因が異なります。

気導性嗅覚障害

匂いの成分が嗅細胞まで届かないことによる嗅覚障害で、原因の多くは副鼻腔炎とされています。

嗅神経性嗅覚障害

嗅細胞がダメージを受けたことによる嗅覚障害で、原因として嗅細胞のウイルス感染や、頭や顔のケガ、薬物・毒物の影響などとされています。

新型コロナウイルス感染症による嗅覚障害も、このタイプだと考えられています。

中枢性嗅覚障害

匂いの情報を伝える鼻から脳までの経路にダメージを受けたことによる嗅覚障害で、原因として頭部のケガや脳の疾患などとされています。

スキー・スノーボードでの転倒、交通事故などの外的な要因や、脳梗塞・アルツハイマー病・パーキンソン病などの影響による併発などが考えられます。

嗅覚障害と亜鉛不足

亜鉛の摂取不足によって起こる症状は、嗅覚障害ではなく味覚障害です。

他にも、加齢・ストレス・薬の副作用などが原因で、味を感じる仕組みがうまく働かなくなることもありますが、味覚障害の半分以上は、亜鉛の摂取不足や亜鉛の吸収低下など、亜鉛不足が関係しています。

また、味覚障害の原因が嗅覚障害による嗅覚性味覚障害ということもよくあるので、病院を受診する場合は耳鼻咽喉科を受診すると良いでしょう。

嗅覚障害を確認できるのは耳鼻咽喉科だけなので、味覚障害の原因が嗅覚障害によるものかどうかを判断することができます。

広告

嗅覚障害と点鼻薬

嗅覚障害の治療にはセレスタミンやリンデロンなどのステロイド点鼻薬が有効です。

仰向けに寝た状態で点鼻をすることで、薬が嗅粘膜に届いて炎症を抑えることができますが、点鼻薬の使い方にはちょっとしたコツが必要なため、使い方の指導を受ける必要があります。

点鼻薬を使っても効果がないという場合、点鼻薬の使い方を間違っている可能性があります。

また、普通神経は再生しないのですが、嗅覚神経は新しいものが生まれてくることがわかっていて、ある程度の数の新しい神経が生まれてくる目安が2ヵ月といわれています。

そのため、まず2ヵ月を目安に点鼻薬を続け、嗅覚が戻ってくるかをみる必要があります。嗅覚が戻ってもすぐに点鼻薬をやめてしまうと、また匂いがわからなくなってしまうこともあるので、勝手にやめないようにしましょう。

嗅覚障害の治し方

嗅覚障害は副鼻腔炎の治療によって改善することが多いですが、ウイルス感染や外傷による神経性の嗅覚障害の場合、漢方薬やステロイド点鼻などによる治療が行われてきました。

最近では「嗅覚刺激治療」という、嗅神経細胞の再生を促す方法が注目されています。

これは、朝晩3種類の香を10秒ずつ3ヶ月以上嗅ぐ方法で、ローズマリー・ラベンダー・レモン・ユーカリなどのアロマオイルやコーヒー・お茶などが用いられます。

匂いを嗅ぐときに「これは〇〇の匂い」とイメージしながら嗅ぐことで、嗅神経が回復するといわれています。

まとめ

「カレーの匂いが鼻を近づけないとわからない」「洗濯で使った柔軟剤の匂いがわからない」など、普段の生活の中でこんな経験があったら嗅覚障害の可能性があります。

匂いを感じ取れないと食べ物の味わいを損なうだけでなく、煙やガスなど日常生活の危険を知らせるサインに気付かない恐れもあります。

嗅覚障害の原因は、副鼻腔炎や嗅神経や脳の異常などが考えられますが、どの嗅覚障害も長い期間放置すると治りにくくなってしまいます。

嗅覚に不安を覚えたら、まずは耳鼻咽喉科に相談してみてください。

参考になったらシェアしてくださいね!