タバコによる血液検査での影響と検査項目 喫煙者の身体へ及ぼす影響は4大死因全てに関係

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健康診断の血液検査前にたばこを吸うと、どのような影響があるのでしょうか。LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪、血糖値、HDL(善玉)コレステロールの値はどうなる?ここでは、血液検査におけるタバコの影響について、各検査項目との関係や、喫煙による身体への影響などについて説明します。

タバコにより血圧が上がる

タバコを吸うと血圧が高くなります。

血圧とは血管内の圧力のことで、心臓が全身に血液を送る際に生じる、血液が血管を押す力を示しています。

タバコの煙に含まれるニコチンには、強力な血管収縮作用があります。そのため、喫煙によって血圧が上昇し、脈拍も速くなるのです。

血圧が高くなると血管に負担がかかり、さまざまな病気の原因となります。

長期的に血圧が高い状態が続くと、血管は次第に厚く・硬くなり、そのことから動脈硬化を引き起こして、脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血、といったさまざまなな病気の原因となります。

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タバコを吸うと血糖値が上がる

タバコを吸うと血糖値が上がります。

血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度のことで、血糖値は甘いものや炭水化物などを食べると上昇します。それを、すい臓から分泌されるインスリンなどの働きによって、上昇した血糖値を下げています。

タバコを吸うと交感神経を刺激することで血糖値を上昇させるだけでなく、血糖値を下げるインスリンの働きを妨げます。ダブルで良くないということっですね。

そのため、喫煙者は糖尿病にかかりやすくなる傾向にあります。そして喫煙本数が多いほど、糖尿病になるリスクも高まります。

また糖尿病にかかった人がタバコを吸い続けると、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病性腎症などの合併症リスクが高まることがわかっています。

中性脂肪・LDLコレステロール値の上昇とHDLコレステロール値の低下

タバコを吸うと、中性脂肪・LDLコレステロール値は上昇し、HDLコレステロール値は低下します。

血液から赤血球や白血球などを取り除いた「血清」に含まれる脂肪を、「血清脂質」と呼ぶのですが、この血清脂質は中性脂肪やコレステロールなどからなり、体にとって重要な働きをするものです。

中性脂肪は分解されてエネルギーとして利用され、コレステロールは細胞などを作る重要な構成成分です。

しかし、タバコを吸うと中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールの合成を促す作用が起こり、HDL(善玉)コレステロールを大きく減少させてしまいます。

血清脂質のバランスが崩れると、動脈硬化の原因となったり、血管の内側が狭くなり詰まってしまうことにつながります。

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タバコを吸うと白血球・赤血球がともに増加する

タバコを吸うと、血液中の白血球と赤血球の両方が増加します。

血液の主な役割は、酸素や栄養素を全身に運んだり、止血などの生体の防御、体温調節などの体内環境の維持など、多くの働きがあります。

喫煙者には、白血球増加や赤血球増加(多血症)が見られることがよくあります。

白血球は通常、感染症や血液の病気などで上昇するものです。しかし、タバコを吸う人は体内に常に有害物質を取り込むため、これが体に慢性的な炎症を起こし、白血球が上昇すると考えられます。

白血球が増加すると心筋梗塞を発症しやすいことがわかっています。多くの場合、喫煙をやめれば白血球数の数値は正常に戻ると言われています。

また、喫煙により赤血球も増加し、いわゆる「ドロドロ血」状態になるようです。

ドロドロ血になると血管の中の血液の流れが悪くなり、動脈硬化を引き起こして血管の内壁がふくらんだり、血管が狭くなったりします。

すると心筋梗塞や脳梗塞、大動脈瘤などの、重大な病気につながっていきます。

タバコによる身体への影響

喫煙は日本人の4大死因と言われる、「がん」「心疾患」「脳血管疾患」「肺炎」のすべてに対して、リスクを高めるものです。

喫煙をすることで、肺がんや喉頭・咽頭がん、食道がんだけでなく、発がん物質が血液を介して全身へ流れるため、全身すべてのがんを増加させます。

また、高血圧や高血糖、脂質異常の原因にもなり、動脈硬化を引き起こして心血管疾患の発症リスクも高めます。

喫煙者は肺炎球菌にも感染しやすく、糖尿病に掛かる割合が非喫煙者の1.4倍にもなることなどがわかっています。

まとめ

もしも血液検査の結果をみて、LDLコレステロールや中性脂肪、血糖値、白血球数などの値が高かったなら、これはタバコが大きく原因している可能性は高いです。

禁煙することで血液検査の結果はある程度は改善が見られるかもしれませんが、肺はいったん破壊されてしまうと再生能力がないため、元に戻ることはないと考えられています。

肺の破壊の進行を早めに止めるためにも、今すぐにでも禁煙をおすすめします。

どうしてもタバコがやめられないという場合は、医療機関に相談してみてください。

一度身についた生活習慣は、なかなかすぐにはやめられないものですが、根気よく続ければきっと辞められます。

ひとりで頑張らなくとも、禁煙外来などを上手に活用して、自分にあった禁煙を行うようにしてみてください。

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