75歳からは痩せすぎない方がいい?痩せすぎによる健康リスク 痩せ型の高齢者は認知症が多い?
普段はダイエットに励んでいるわたしたちですが、実は75歳からは痩せすぎない方がいいらしいです。高齢で痩せすぎの場合、健康リスクが高まるそうです。更には痩せ型の高齢者には認知症が多いという検証結果もあります。
どうして高齢になると痩せ過ぎでないほうが良いのか、その健康リスクとはどういったものなのか、どのようにすればよいのか、目指す体重は?といった様々な疑問にお答えします。
もくじ
高齢者の健康管理
高齢になるに連れ、人は健康に不調を訴える人の割合が増えていきます。
高齢者の健康状態を年齢ごとに見てみると、健康であるという人の割合は、
55~69歳:53.3~54.4%
70歳以上:49.5~51.3%
80歳以上:49.5%
のようになっています。
老化とともに様々な機能の低下が起こるので仕方ない面もありますが、それでも健康管理を行うことでできるだけ健康状態を維持していきたいところです。
75歳からは痩せすぎない方がいい
高齢者の健康管理の1つとして、実は75歳からはあまり痩せすぎない方がいいという指摘があります。
中高年の頃はやたらと肥満に対する健康管理の啓発が多かったものですが、75歳を過ぎると当然肥満はよくありませんが、あまり痩せすぎというのも良くないようです。
ではいったい高齢者の痩せすぎという基準は、どれくらいを指すのでしょうか。
身長に対する体重の割合を示す数値にBMI値というものがありますが、高齢者の場合この数値が18.4以下になっていると痩せすぎサインとなり、栄養不良状態である可能性が高まります。
※BMI=体重(kg)÷身長(m)の2乗
例)身長170センチで体重60キロの場合 60÷(1.7×1.7)=20.76
痩せすぎ高齢者の健康リスク
痩せすぎ高齢者の健康リスクとして、問題となる点を説明しましょう。
痩せるということはたんぱく質が不足していくことなので、筋肉量が減少しています。
筋肉は運動機能や活動量との関係が強いため、筋肉が落ちると人は行動的でなくなるほか、さまざまなリスクが高まります(詳しくは後述)。
また体重が減る理由として、骨粗鬆症になってきている可能性があります。
骨が弱くなると骨折のリスクが高まります。転倒による足腰の骨折は、寝たきり状態へとつながるリスクが非常に高いです。
更に栄養不足による体重減少の場合、免疫力が低下します。風邪をひきやすくなったり、疲れやすくなったりするほか、がんの発症リスクも高まると言われています。
痩せ型の高齢者に認知症が多い?
とある研究結果によると、太っている人と比べ、痩せ型の高齢者に認知症が多いという結果が出ているそうです。
ではなぜ、痩せ型の高齢者に認知症が多いのか、その主な理由は筋肉量が少ないことだそうです。
筋肉から分泌されるホルモンに「アディポネクチン」という物資があり、このホルモンは認知症予防に効果的な物質とされています。
しかし痩せている人は筋肉量が少ないため、このアディポネクチンが分泌されにくい状態にあります。そのため、通常体重以上の人と比べ認知症リスクが高まるようです。
また、筋肉量が少ないと糖尿病になるリスクも高まります。
糖尿病はアルツハイマー型認知症や血管性認知症の発症原因の1つとされています。
一般的には肥満型が糖尿病リスクが高いと言われていますが、実は痩せ型も糖尿病のリスクが高いのです。
その理由は、痩せてしまうと筋肉の量だけでなく質も低下することにあります。
筋肉は体の中でブドウ糖を貯めておく最大の臓器とも言われています。その筋肉が減少してしまうと、食後に十分な量のブドウ糖が筋肉の中に取り込めきれず、血液に流れてしまうからです。
痩せすぎないための栄養摂取方法
食事において、痩せてしまう主な理由は、低栄養にあります。そのため、体重減少を避けるには、低栄養とならないような食事メニューを意識する必要があります。
特に栄養不足となりがちなのが、タンパク質と野菜です。
タンパク質を多く含む食材には、
- 鶏むね肉
- 豚ヒレ肉
- カジキマグロ
- 高野豆腐
- プロセスチーズ
- 卵
- そば(乾麺)
などがあります。
意識的に接種するようにしましょう。
乾麺のそばが意外にもタンパク質が高いことに驚かされますね。麺類を食べるときは、ラーメンやうどんよりも乾麺のそばを食べましょう。
野菜は主に旬の野菜を食べるよう意識し、不足分は青汁などで補うと良いでしょう。
また、基本的な食事は和食中心が良いのですが、そこにタンパク質や野菜をプラスするために、冷凍食品やレトルトなどの手軽にプラスできるものを上手に活用することをおすすめします。
まとめ
高齢者になると「フレイル(加齢による心身衰弱)」が起こりやすく、日本人高齢者の半分はその疑いがあるとされています。
フレイルは食事との関係性が大きいとの指摘もあり、高齢者は栄養不足にならないような食事を意識する必要があるようです。
ちなみに高齢者にとっての適度な体重とはどれくらいかといいますと、BMI値で言うと25~27.5くらいだそうです。
BMI値が25~27.5というと、見た目はちょっとぽっちゃり体型になります。
「いくつになってもスマートな方がかっこいい!」と思ってしまう気持ちもわかりますが、65歳を過ぎたら見た目よりも健康面を意識し、ちょいぽっちゃりを目指してましょう!