イギリスの隠れたソウルフード「フィッシュ&チップス」がもう食べられなくなるかも…
イギリスの隠れたソウルフード「フィッシュ&チップス」をご存知ですか。そのフィッシュ&チップスが、イギリスで今後食べられなくなるかもしれないという危機にあるそうです。その理由とは?また、日本にも他人事ではない状況が押し寄せている?
もくじ
フィッシュ&チップスとは
フィッシュ&チップスという料理をご存知ですか?
これはイギリスの代表料理のひとつで、タラなどの白身魚のフライとフライドポテトを組み合わせという、とてもシンプルな料理です。
そう、こんな感じですね。美味しそうでしょ!
もともとあまりイギリス料理というのを耳にしないように、イギリスの料理ってあまり美味しくないと言われています。だからフィッシュ&チップスのようにあまり手が加えられていないシンプルな料理のほうが、安定して美味しいと言うね(笑)。
そしてこのフィッシュ&チップス、「イギリス国民のソウルフード」とも言われるように、ファーストフード感覚でイギリス国民は皆よく日常的に食べています。
もともと塩気があるのでそのままでも十分美味しいのですが、何故かイギリス人はそこにドバドバと浸かるくらいにビネガーを注いで食べたりします(こういう感覚がちょっとわからない)。
私もイギリスに滞在していたときは、よくフィッシュ&チップス屋に行き、買っては食べていました。毎回「No vinegar!」と言わないと、店員がニコニコしながら容器の半分くらいまでビネガーを注ぐのです。
最初は、「こいつナメてんのか?」と思ったほどあまりにビネガーをかけるものだから、からかわれているのかと思いましたが、彼らにとっては善意のつもりだったようです(笑)。
フィッシュ&チップスの原料が高騰
そんなイギリス国民のソウルフードであるフィッシュ&チップスに危機が訪れているそうです。
なんでもフィッシュ&チップスの原料であるタラが高騰して、フィッシュ&チップスの価格が爆上がりしているのだとか。
これまでフィッシュ&チップスのタラはロシア産が主に使われており、長年のあいだ安価にて供給されてきたわけですが、このところのウクライナ侵攻以降、ロシアからのタラの輸入が滞り、また他の国から輸入するタラも価格高騰で追い打ちをかける始末。これまでの価格では最早フィッシュ&チップスは提供できない状況になりつつあるのだそうです。
フィッシュ&チップスが1200円!で閉店の危機に
ロシアからのタラが入手できなくなり、代わりに使用し始めたのがアイスランドのタラ。しかし、連日続く物価上昇に伴いタラの仕入れ値が昨年の2倍近くに値上がり。
おまけにジャガイモも育てる肥料や使用するひまわり油の価格も2倍近くに上昇し、遂にフィッシュ&チップスの値段が1200円近くまで跳ね上がっているもよう。
さすがにタラとジャがイモを揚げたものに1200円は払えませんよね。これじゃあ庶民が愛するファーストフードの価格とは言えません。ちなみに私が食べていた頃は、日本円にして500-600円くらいだったと思います。
もちろんフィッシュ&チップス屋さんも価格を上げすぎると誰も買わなくなるのはわかっているとのこと。しかしそうでもしないと赤字になってしまうので…ということで、このままだとフィッシュ&チップス屋がなくなってしまうかもしれないと言う状況なのだそうです。
フィッシュ&チップスがなくなったら、そりゃあイギリス国民はどれほど悲しむことか…。
でもこれって、他国だけの話ではありませんよ。日本もじわじわと原材料や燃料などの値段が上がり、イギリスのフィッシュ&チップス現象が徐々に起こってきています。
特に日本は食料を輸入に頼っていますから、輸入元の国が価格をガツンと上げてきたら、そのダメージはとんでもないことになりそうです。
日本でもフィッシュ&チップスが食べられる
話し変わって、フィッシュ&チップスをイギリスで食べて気に入った方も、噂でしか知らない方も、そしてここではじめてフィッシュ&チップスの存在を知った方も、なんだか食べてみたいなぁと思いはじめたのではないでしょうか。おすすめはビールと一緒に食べることです。
そんな方々のために、イギリスに行かずとも日本でもフィッシュ&チップスを食べられる店はけっこうあるのです。特にブリティッシュパブなどで検索すると、たいていそういった店にはフィッシュ&チップスがメニューとしてありますよ。
しかも本場と同様、ビネガー付きなんていう気の利いた店もあるようです。
東京エリアにはHUBというブリティッシュパブのチェーンがたくさんあります。そこにもフィッシュ&チップスはメニューの中に存在します。まずはそのあたりからチェックしてみるといいかもしれません。
まとめ
けっこう北の方で採れる魚って多いんですよね。ホッケとか、サーモンとか、日本で安く買えるカニも、たいていロシア産です。こういったものも高騰していくのでしょうね。
なにかが起こると歯車が少しずつ狂っていき、どこかに影響が出てきます。何事もなくというわけには行かないものです…。
もっと協力しあって、お互いが良くなるために知恵を出し合えないものなのでしょうか。
ウクライナはもちろん、ロシア国民のためにも、いますぐロシアは侵攻を止めてもらいたい。そう切に願います。