笹や竹以外のパンダの食べ物にはどんなものがある？パンダが笹や竹を食べるようになった理由
動物園の人気者といったらパンダでしょう。そしてパンダといえば、もこもこしたルックスやスローな動き、笹を食べる姿などが想像される愛らしい動物と言えますよね。そんなパンダ、笹以外にいったいどんな食べ物を食べているのでしょうか。またパンダが笹を食べるようになったその理由とは…。
もくじ
実はパンダは雑食動物
パンダといえば、笹や竹を食べているイメージが強いと思いますが、実はパンダは「食肉目クマ科」に分類される肉食性の強い雑食動物の仲間なのです。
パンダの腸の長さは体長の約4倍ほどとわりと短く、これは肉食動物や雑食動物の特徴でもあります
ライオンや人の腸も体長の約4倍程度ですが、ウシやヒツジなどの草食動物の腸の長さは体長の約20～25倍もあります。
草食動物の腸が長い理由は、肉よりも栄養素が少ない草の養分を腸でしっかりと吸収するためです。このことから、パンダは食べ物を竹に特化させていますが、草食に適した消化器官の構造には変化していないことがわかります。
パンダは何を食べているのか
野生のパンダの食べ物の99％は笹や竹であると考えられ、一日に20kgもの笹や竹を食べるといわれています。
野生のパンダは実に30種類以上もの竹を食べており、季節に応じた栄養価の多い種類の竹や部位を選んで食べているそうです
特に栄養豊富で繊維の少ないタケノコはパンダの大好物。タケノコの季節が終わると今度は竹の葉っぱを食べ、葉の質が悪くなると枝を食べるようです。
笹や竹以外のパンダの食べ物
笹や竹以外のパンダの食べ物としては、次のようなものがあります。
野菜や果物
動物園ではサツマイモやニンジンなどの野菜、リンゴやカキなどの果物が与えられているようです。また、パンダは甘いもの好きで、サトウキビも好物のようです。
肉
中国でターキン（ウシ科ターキン属に分類される偶蹄類）の肉を食べるパンダが撮影され、野生では小動物などの肉も食べると言われています。
パンダ団子
上野動物園や王子動物園では、パンダ団子と呼ばれるトウモロコシ粉や米粉を蒸して作った団子が補助食として与えられています。
ミルク
動物園では、永久歯が生えそろう1歳頃までのパンダの赤ちゃんに、母乳以外に人工ミルクが与えられることがあるそうです。
笹や竹以外のパンダの食べ物としては、野花や草、蜂蜜など。それと小動物の肉や動物の死肉も食べるそうです。動物の死肉って、なんだか意外ですよね。びっくり！
動物園のパンダは竹の他に野菜や果物以外に、「パンダ団子」と呼ばれる団子なんかも食べているんですね。
パンダが笹や竹を食べるようになった理由
パンダが笹や竹を食べるようになったのには、理由があるそうです。その理由は、他の動物との餌の取り合いを避け、中国の山岳地帯へ移り住んだ結果なのだそうです。
パンダはご覧の通り俊敏な動物ではありません。そのため他の動物との生存競争に負けてしまい、生活圏を変えざるをえなかったわけです。
中国の山岳地帯には笹や竹が1年を通して豊富に生育しています。そのため、パンダはいつでも食べられる笹や竹を食べるようになったと考えられています。
パンダが笹や竹を大量に食べる理由
パンダは驚くことに一日のほとんどを食事の時間として使っています。
これはなぜかというと、笹や竹が本来パンダの体にあまり適していないことが原因のようです。
笹や竹は野生のパンダが住んでいる環境には豊富にあり、寒い時期でも食べられる食材であったために、パンダは竹や笹を食べる習慣ができたようですが、本来草食動物の消化器官を持っていないパンダは、繊維質の多い笹や竹を十分に消化することができません。そのため、ほとんどの栄養分が吸収されずに排泄されてしまうのです。
例えば、パンダが10kgの笹や竹を食べたとしたら、消化されるのはわずか2kg程度。という理由から大量に食べることで、栄養を摂取しているわけです。
ちなみに、パンダが十分に栄養を得るためには、一日に12.5kg以上の笹や竹を食べる必要があるとされています。
まとめ
パンダが笹や竹を食べているのは、仕方なしに移り住んだ場所に豊富にあったのが笹や竹だった、というわけなんですね。
一日中笹や竹を食べている理由も、パンダの胃や腸が笹や竹を消化するのに向いていないためで、必要な栄養を摂取するためには大量に食べる必要があるからということですが、なんだかこれを知って可愛そうな気持ちになってしまいました。
そのため、動物園では野菜や果物、パンダ団子なども与えているようですが、パンダはもともとクマと同じ雑食動物なのであれば、野生のパンダ同様に肉などはなぜ与えないのでしょうね。
肉食になると、まさか凶暴化するとか？凶暴なパンダなんて、想像するだけでもイヤですが（笑）。
