藤倉化成の膝ブレーキシステムGSKneeが脳卒中患者へのリハビリでスムーズな歩き方を実現

医療業界、特にリハビリの分野においては脳科学とロボット工学、機械工学など、様々な分野からの共同研究により考えられた訓練が、今後はトレンドとなっていくと予想されます。

そんななか、第58回日本リハビリテーション医学会学術集会(2021年6月10日~13日)では、長下肢装具に取り付けるタイプの膝ブレーキシステム(藤倉化成)を備えたリハビリテーション用医療デバイスが注目を集めたという情報を得ました。

第58回日本リハビリテーション医学会学術集会

 

このデバイスシステムは、脳卒中患者さんが再び膝を曲げて歩けるようになり社会復帰の希望が持てるもので、「GS Knee(ジーエスニー)」と言い、片麻痺の方のリハビリ用ツールとして開発されました。

すでに実証実験を行っているリハビリテーション病院もあるようですが、今回は、藤倉化成の膝ブレーキシステムとも言える「GS Knee」について、少し言及してみたいと思います。

 

GS Kneeとは

GS Knee は医療用デバイスであり、言及できるのは関係者および管理人を含めて限られた人だけです。
当メディアの信用と信頼の証でもあります。

GS Kneeは長下肢装具に取り付け、膝屈曲のリハビリ時に膝折れ等の防止を制御する、電子制御デバイスになります。

実際のGS Kneeの操作は、理学療法士(PT)さんが手元スイッチにより行います。脳卒中患者さんのリハビリ時の歩行タイミングに合わせ、理学療法士がタイミングを計りながら膝ロックと膝フリーを手元スイッチで切り替えながら使用できる点が特徴です。

歩行中だけでなく、座る、立ち上がるときにも GS Kneeの膝ブレーキは働きます。マヒした側の足の膝関節がカクンと落ちること(膝落ち)を防ぐため、「膝ブレーキ」は屈曲方向にのみ働き、進展方向はフリーとなるよう、手元スイッチを押しているあいのみ膝ブレーキが解除される安全設計となっています。

GS Kneeはアダプターを介し、ワンタッチで長下肢装具との脱着が可能です。1台の機器を複数の患者さんで共用できるため、使用するリハビリテーション施設側の費用負担も大きく抑えることができます。

また、GS Kneeを装着する患者さんも、GS Knee自体とても軽量かつコンパクトな設計となっていますので、リハビリ時のストレスも極限まで少ないといったメリットがあげられます。

まさに従来にはなかった、新しい医療用デバイスの誕生と言えますね。

なお、GS Kneeは患者さん自身がスイッチを操作して使用するものではなく、あくまでも理学療法士(PT)さんとともにリハビリ時に使用するものです。デバイスは本体・スイッチ共に充電式で、それらを含めた管理も理学療法士さんや病院の方でしていただくことになります。

 

GS Kneeの価格

GS Knee はレンタルでの提供となる予定と聞きましたが、価格(レンタル料金)は未発表ですので、詳しい仕様などと合わせて開発元や販売代理店に問い合わせをしてみてください。

レンタルでの提供の理由は、膝ブレーキに使用されているEAMという新素材の定期的な交換と、制御ソフトウェア「V-Sido」のアップグレードなど、専門的なメンテナンスを必要とするからです。

買い取り方式ですとメンテナンスが行き届かない恐れもありますが、レンタルによって常に最適な状態での使用が可能となります。メンテナンス契約等も未発表なので、詳しくはお問い合わせください。

>>>GSKnee公式サイトはこちら

 

GS Kneeは長下肢装具に取り付けて使用

「GS Kneeとは」の部分で触れましたが、長下肢装具に取り付けるタイプになります。他社のリハビリデバイスは大掛かりなものが多くて、導入も大変でしょうし、脳卒中患者さん自身にも装着の手間が大変なのではないかと推測されます。

その点、GS Knee は長下肢装具に取り付けるだけなので、準備も簡単で重量などによる負担もかなりの違いになるはずです。

ちなみに重量は、わずか780gで、1度の充電で8時間の使用が可能になっています。ただし、全メーカーの長下肢装具に取り付けが可能ではありませんので、導入前の検討事項としていただくことになるでしょう。

 

日本リハビリテーション医学会学術集会2021で GS knee が好評

2021年6月10日~13日の期間に、「第58回日本リハビリテーション医学会学術集会」が京都の国際会館にて開催されました。

多くの医療器具メーカーが出展するなか、GS Kneeを制作している藤倉化成も出展しました。

実際にGS Kneeに触れ、装着しての体験ができるとあって、多くの方々(主に理学療法士さんや病院経営者さん、装具メーカーさんなど)が興味をもってブースに訪れられていました。

また、期間中はGS Kneeの開発に携わっている、千里リハビリテーション病院・副院長の吉尾雅春先生をはじめ、同病院の増田知子先生、膝ブレーキのメイン素材となるEAMを開発された東京電機大学の三井和幸教授、バイオメカニクスの権威である国際医療福祉大学大学院の山本澄子教授らによる、セミナーも開催されました。

こちらにも多くの方々が興味をもって集まられ、GS Kneeに関する講義を熱心に公聴され、立ち見が出るほど活況でした。増田知子先生がセミナー内で公開されたGS Kneeを使用してリハビリを行った患者さんの、膝の屈曲・伸展を伴った歩行の回復過程動画は目を見張るものがあり、多くの視聴者がGS Kneeの可能性を感じられていたようです。

セミナー後には先生方から直接回答を得られる機会もあり、ここでも積極的な質問が飛び交い、セミナーの予定時間が終了した後も、個別に質問をするなど、GS Kneeに対する関心の大きさを垣間見ることができました。

後日これらのセミナーに関しては、期間限定で視聴可能となるようです。

視聴が可能となった際には、改めてこちらのページでもお伝えできるようにしたいと思います。

 

まとめ

リハビリと言えば、脳卒中患者さんが一生懸命に歩行訓練などにがんばっている姿をイメージします。

通常のリハビリでは、マヒした側の足は力が入らないので、膝がカクッと落ちる膝折れによる転倒などを防ぐために、装具の膝部分を固定しての訓練がセオリーですが、そのためにマヒした側の足を旋回して前に出す、いわゆる「ぶん回し歩行」や「コンパス歩行」などと言われる歩き方になってしまいます。

しかし、今回ご紹介した藤倉化成の膝ブレーキシステム『GS Knee』を活用することで、発病前の通常の動作である膝を曲げ伸ばしを含めたスムーズな歩き方が 『GS Knee』 によって実現できるようになると、より一層、患者さんはきっと救われるのではないでしょうか。そして、理学療法士さんなどリハビリ関係者も今まで以上のやりがいや、回復された患者さんとの喜びも共有できるのではないかと思います。

>>>GSKnee公式サイトで問い合わせる

 

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