中高年女性に多く発症する手指の関節に起こる「へバーデン結節」とは?症状や原因・治療法・予防法について
「へバーデン結節」という指の関節が変形する病気があります。一体どういったものなのか、初期にはどういった症状が出るのか、またその原因や治るのものなのかといったことをお伝えします。発症者の8割以上が主婦、そして中高年以上の女性に起こるというへバーデン結節とは、一体どういった病気なのでしょうか。
へバーデン結節とは
へバーデン結節とは、指の第1関節がコブのように変形し曲がってしまうもので、「指の変形性関節症」です。
へバーデン結節は5指いずれにも発症することがあり、第1関節を挟むように両側にコブ(結節)ができるのが特徴として見られます。
ちなみに、へバーデン結節の「へバーデン」とは何かと言うと、この疾患を発見した人の名前だそうです。
また、第2関節(PIP関節)にへバーデン結節と良く似た疾患が起こるものに、「ブシャール結節」というものがあります。
へバーデン結節もブシャール結節も「関節リウマチ」とは異なるものです。
へバーデン結節の症状
へバーデン結節ができると、第1関節の動きが悪くなります。
強く握ると痛みが生じるため、強く握るのが困難になります。
また、第1関節付近に水ぶくれのような透き通ったイボのようなものができることもあります。
これはミューカスシスト(粘液嚢腫)と呼ばれるもので、ゼリー状の滑液を内包する嚢胞です。
この嚢腫は第1関節(DIP関節)と繋がっているため、嚢胞が破れてそこから細菌が入ると、関節内にも影響を及ぼし「化膿性関節炎」を起こすことがあります。
初期に見られる症状について
ヘバーデン結節の初期に見られる症状として、第1関節周辺の腫れや皮膚の赤み、痛みなどがあげられます。
ヘバーデン結節は初期の状態から数年かけて変形が進行し、最終的には関節が横に曲がってしまったり(側方変異)、屈曲した状態で関節が固まってしまいます。
進行中は痛みを伴うヘバーデン結節ですが、固まってしまってからは痛みがなくなることが多いようです。
へバーデン結節が起こる原因
へバーデン結節が生じる原因については、実は不明です。
ただ、ヘバーデン結節になりやすい人には傾向が見られます。
主に40歳以上の中高年以上の女性に、多く発症する傾向があるようです。
なぜその年代の女性に多く発症するかということについては、家事などで指先を過度に使用してきた経年による加齢から起こるものではないかと考えられています。
また、中高年以上の女性に多く発症する点から、女性ホルモンのバランスの変化も関係しているのではと考えられています。
へバーデン結節は治るのか?
へバーデン結節の治療についてですが、放っておいて自然と治るものではありません。
治療には、
- 薬物療法
- サポーター・テーピングでの固定
- アイシング
などを行います。
また進行が進む急性期には、関節内にステロイド注射を行い痛みを抑えることもあります。
それでも痛みが取れない、変形がひどい、日常生活に支障をきたす、といった場合は、関節を固定したり(関節固定術)、コブの結節を切除する(関節形成術)などの手術を伴う場合もあります。
いずれも進行を遅らせる、もしくは変形した関節の痛みを取るための手術というもので、へバーデン結節自体を治すことはできないようです。
へバーデン結節の予防法
へバーデン結節の予防法は、手指に過度な負担をかけないようにすることです。
第1関節に痛みがみられるときは、少し手指の使用を控え休ませるようにしましょう。
どうしても使わないとならない場合は、テーピングで第1関節を固定することをおすすめします。
まとめ
ヘバーデン結節は女性だけでなく男性にも発症します。男性の場合も、60歳以上の中高年の発症が多いようです。
ただ、男性の場合は女性ほど痛みは感じない傾向にあるようなので、あまり気にされていない人もいるかも知れません。
もしもヘバーデン結節の疑いを感じた場合は、整形外科を受診してみてください。
また予防法として、手指に痛みを感じた場合は少し使用を控えるようにし、また普段から手指を酷使し過ぎないように心がけましょう。