パンデミックの収束と歴史について かつてのペストやスペイン風邪の収束から私たちが学ぶこと

感染症が人類の誕生以来常にあったように、人類はこれまで何度も、さまざまな病原体によるパンデミックと戦ってきました。その中でも代表的なペストやスペイン風邪のパンデミックの歴史と収束についてお伝えします。

パンデミックとは

パンデミック(pandemic)とは、感染症や伝染病が世界的に大流行することをいい、日本語では“感染爆発”などと訳されています。

感染症の流行は段階的に広がる傾向があり、特定の区域や特定の集団に広がることを「アウトブレイク(outbreak)」といいます。

さらに広い地域に拡大すると「エピデミック(epidemic)」と呼ばれ、さらに国境を越えて広がった状態をパンデミックといいます。

つまり、パンデミックとは重症度や感染者数などで定義されているわけではなく、その感染症がどの程度広範囲のエリアに拡散したかを表す表現なのです。

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パンデミックの歴史

一番古いパンデミックは、紀元前430年にギリシャで起こりました。死者の数は7万5000~10万人。しかし疾患名は記録に残っていません。

最も死者数が多かったのは、14世紀にヨーロッパで流行したペスト(黒死病)です。7500万人の死者が出ました。

そして、その次に多いのが第一次世界大戦中の1918年から1919年にかけて流行したスペイン風邪(インフルエンザ)です。当時の世界人口のおよそ3分の1が感染し、4000万~5000万人の死者が出たそうです。

ペストの歴史と収束

ペストは、ネズミやノミが保有するペスト菌により、引き起こされた病気です。

発症するとリンパ節の腫れや発熱などが起こり、命にかかわるほど強い症状が起こる場合もあります。

ペストはこれまで三度にわたり大流行しました。1度目は6世紀にアフリカからアラビア半島にかけて。2度目は14世紀にヨーロッパ全土に広がりました。三度目は1894年に香港で発生し日本にも波及しました。

ペストは、病人の隔離・検疫・渡航制限といった手段を取ることで、流行に歯止めがかかることが分かりました。厳しい隔離と衛生状態の改善などで収束したのです。

それでも現代でもなお、ペストの発生は続いています。しかし被害の規模は小さく、抗生物質により治療が可能な病気となりました。

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スペイン風邪の歴史と収束

スペイン風邪は、1918年に始まったインフルエンザが発端で、世界中で約5億人が感染したパンデミックとなりました。これは当時の世界人口の4分の1から3分の1に相当するほどの大規模です。

死者の数は正確な数字は分かっていませんが、全世界で4000万人以上だったといわれています。ここ日本でも約38万人もの人たちが、スペイン風邪により亡くなられたそうです。

当時は有効なワクチンなどもなく、抗生物質すらまだ発明されていなかったため、対策は患者の隔離や公共施設の閉鎖などに限られていました。

この当時の日本の対策は、マスク着用・距離を取る・手洗い・うがい・外出の抑制など、新型コロナウイルスの対策とまったく同じ手法が取られています。

スペイン風邪の流行は第三波まであり収束するのにおよそ3年かかりました。収束できた理由は、生き残った人たちが抗体を獲得し、集団免疫を形成したためと考えられています。

スペイン風邪から私たちが学ぶこと

患者1人が2~3人にうつす感染力や、世界で多数の死者を出していることなど、新型コロナウイルス感染症とスペイン風邪とはよく似ています。

百年前のスペイン風邪流行から、私たちは新型コロナ感染症について、何を学ぶことができるでしょうか。

まず1つは、人の移動や密集が流行を拡大させるということです。

次に、流行は1回の波では終わらず、繰り返し流行が起こること。そしてウイルスは変異し、致死率は高まる可能性があるということです。

私たちがスペイン風邪の教訓を生かすとすれば、人の移動や密集を避け、できるだけ流行のピークを緩やかにすることが最も重要となります。

つまり、私たち個人ができる対策としては、今も言われているように、三密を避け、マスクを着用することが、ベストな方法ということなのです。

まとめ

これまで人類は多数の犠牲を出しつつ、パンデミックと戦ってきました。

感染の仕組みについて学んだり、新しい治療法やワクチンの開発などにより、過去のパンデミックを収束させてきました。

現在の新型コロナウイルスによるパンデミックも、安全で効果的なワクチンによって収束するかもしれません。

もしくは共存するといった新たな方法を見出す必要があるのかもしれません。

かつて体験してきたパンデミックとは言え、新しいウイルスに関しては未知な部分も多いもの。

十分に警戒しつつ、収束する術を探っていくしかないのでしょう。

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