終活の始め方 何から・いつから始めればいい?エンディングノートに書く内容と終活の流れ
中高年に差し掛かると、親の介護などを機に自身の死についても考えさせられ始めてきます。そうなると、「終活」ということが気になり始めてくるかと思います。そんな終活の始め方について説明します。いつ頃からどのように終活を始めたら良いのか、エンディングノートはいつ頃からかき始めるべきなのかなど、終活の流れについて一度理解しておきましょう。
もくじ
終活とは
終活とは、自身の死に対して、生前のうちから準備をする活動のことです。
どのように自分の死を終わらせたいか、葬儀をどのように行い、お墓をどのようにしたいか、遺産はどのように分配し誰に託したいか、といったことを予め元気なうちに決めておき、できることは準備も始めていきます。
そうすることで、残された遺族への精神的・金銭的負担を減らすことができ、また自身も気持ちよく老後を過ごすことができます。
終活は自身の死を意識することですが、きちんと自分の死と向き合うことで、誰しもが抱える老後の不安を解消し、自身の死についてもポジティブに考えられるようになるというメリットがあります。
終活はいつから始めるべきか
では、終活はいつ頃から始めると良いのでしょうか。
終活を始めるタイミングは、人生においていくつかあると思います。
たとえば、
- 定年退職したとき
- パートナーが亡くなったとき
- 大きな病気をしたとき
などは、終活を始めるのによい機会だと思われます。
頭の中では「そろそろ終活をはじめなければ…」と思っている人も、いざとなると何から手を付けたら良いのか、いつから始めようかと考えてしまい、なかなか手がつけられないものです。
もしも、上記の3つのうち1つでも当てはまっている内容を経験されているのであれば、すぐに着手しましょう。もう終活を始めるタイミングはやって来ています。
終活の始め方
終活を始めるにあたり、まず最初に行うことは、エンディングノートを書いてみることです。
エンディングノートを書くことで、現在の自分について客観的に情報をまとめることができます。
エンディングノートの内容は、大体次のような項目になります。
- 自分の基本情報について
- 財産・資産について
- 身の回りのこと
- 家族・親族について
- 親しい友人・知人について
- ペットについて
- 医療・介護について
- 葬儀・お墓について
- 相続・遺言書について
- 連絡先
- 自分からのメッセージ
エンディングノートが書けたら、その内容をもとに、次の項目についてより具体的に決めていきます。
- 医療の希望
- 介護について
- 最後の時に誰に連絡をしてほしいか
- 家系図の必要性
- 遺言書・相続について
- 財産の整理・整頓
- 相続税について
- 贈与税について
- 葬儀について
- お墓について
- 老後を支える契約
- 自分らしく生きるお金の算段
これらが決まると、実際に葬儀やお墓、財産整理や空き家の整理などにかかる費用等も明確になってきます。
認知症になってしまうと自分自身で判断するのも難しくなってきます。また、お一人様の場合など、後の処理をする人がいないという場合もあります。
こうした事態についても予め考え、少し余裕を持って終活は始めましょう。
ただ、終活は自分ひとりで行うのはなかなか難しいものがあります。専門の終活アドバイザーと共に進めていくことで、円滑に滞りなく希望の終活プランが立てられると思います。
ぜひ、気になることがあったら、身近な終活アドバイザーに相談をしてみてください。
自治体で受けられる終活サポートもありますので、まずはご自身のお住まいの自治体に問い合わせてみることをおすすめします。
エンディングノートは毎年見直す
終活のためのエンディングノートは、何歳からでも書く意味はあります。それは30代なら30代での、40代なら40代での死生観というものがあるはずだからです。
エンディングノートは死を意識することで、より生を充実するために書くものでもあります。そのため、資産状況や家族構成が変わるなど、年代により置かれる状況等が変わることで、必然的にエンディングノートの内容も変わってきます。
そのため、エンディングノートは毎年見直すことをおすすめします。できれば、「1年のこの時期に見直す」と決めておいたほうが良いでしょう。
また、エンディングノートには重要な情報が記載されていますので、厳重に保管するようにしてください。ただ誰にも見つからないと、それはそれでエンディングノートを書いた意味がありませんので、信頼できる家族や親族(お一人様の場合などは友人等)に、エンディングノートの在り処を伝えておいたほうが良いかもしれません。
まとめ
近年はネットバンクなどが増えたり、証券などもデジタル化されるなど、資産管理が紙ベースからデジタルに変わり、なかなか把握しづらくなってきています。
そういった情報も一旦きちんとまとめておかないと、残された家族などが後の処理に非常に手間取り困ってしまいます。
人生の後半に差し掛かるに連れ、身辺整理を兼ねてなるべくサービスを減らし、財産などもまとめるなど、シンプルにしていきたいところです。
今後は定年年齢が伸びてくることを考えると、60歳を終活元年にすると良いかと思います。こういった終活も簡潔にできるようなシステムができ、誰もが当たり前のように終活が行えるよう人生行事の1つになると良いのかもしれませんね。