出世したくない人が増えている日本 その理由の最大要因とは?出世を望む人・望まない人の割合
いま日本では出世をしたくない人が増えているのだそうです。なぜ出世したくないのか、その理由は何なのでしょう?出世を望む人・望まない人の割合はどうなっているのでしょう。出世欲の低い国民が多い日本が、今後グローバル経済の中で生き残っていくことはできるのでしょうか。
もくじ
出世したくない人が増えている
日本では、会社で出世したくないと考える人が、いま増加しているそうです。
アジア太平洋地域の主要な14か国で比較した場合、なんと日本が最も出世欲がないのだそうです。
また、会社での出世欲だけでなく、「自己研さん」や「起業・独立志向」に対しても、日本は最下位なのだそうです。
かつてジャパン・アズ・ナンバーワンと言わしめた日本。あの頃は、アジア圏でナンバーワンであるだけでなく、欧米諸国とも肩を並べ、経済のみならず様々なプロダクトの開発や研究でも成果を上げ活気づいていました。
そんな日本人の「やる気」は、いったいどこへいってしまったのでしょう?
バブルが崩壊し、失われた30年という長い景気低迷期間が、日本人の意識を変えてしまったのでしょうか…。
出世したくない理由とは?
ではなぜあまり出世したいと思わないのか、その理由を見ていきたいと思います。
出世したくない理由には、次のような理由が挙げられているそうです。
- 責任が増える
- 仕事量が増える
- 仕事と給料が釣り合わない
- 人間関係が面倒
- やりたい仕事ができなくなる
- 残業代が出ないから
- 部下の面倒をみるのが嫌
- 現状に満足している
これらの理由から見えてくる大きな要因として、「責任や仕事量が増えるのに対し、それに見合った給与が払われない」ということが、出世欲を妨げているように思えます。
つまり、出世しても大変なだけで、さほど給料が上がらないという現状が、そこにはあるのです。
たしかにこれではモチベーションは上がりませんよね。モチベーションが上がらなければ、パフォーマンスも上がらず。結果的に企業の業績は上がらないがために、給与も増えないという。
まさに悪循環に陥っている…。
これが日本の大半の企業で起こっている事実とすると、日本経済が停滞するのも無理ないかもしれませんね。
これを打破するには、やはり賃金アップしかないのでしょうか。
相次ぐ物価上昇のなか、給与が上がらないままでいたら、日本人のやる気はさらに低下していきそうです。
出世を望む人・望まない人の割合
出世を望む人・望まない人の割合は、各年代によって異なるであろうことは想像できます。
例えば、いまの20代を例にすると、およそ80%の人が出世したくないのだそうです。
「今どきの若い人は出世欲がないんだね」と思いきや、実は年代が上がれば上がるほど、出世したい人の割合は減少するそうです。
40代、50代となるに連れ、妻子のいる人はお金がかかる時期。この年代は少しでも給料がアップすることを望んで出世欲が高いかと思いきや、20代・30代より低いというのだから驚きです。
そもそも「出世」とは
そもそも「出世」とはどういう意味なのでしょうか。出世という言葉について探ってみました。
すると、「出世」には大きく3つの意味がありました。
- 社会的に高い身分や地位を得ること
- この世に生まれ出ること
- 仏教用語の「出世間」
一般的には「社会的に高い身分や地位を得ること」を指し、企業内でより高い地位につくことを指す時に使われる事が多いでしょう。今回のテーマでも、この意味での出世についてお伝えしています。
また読んで字のごとく、この世に出てくる、つまり「生まれた」という意味では、皆さん出世したわけです。
そして仏教用語での出世は、「俗世間の煩悩から解脱し、悟りを得ること」を意味し、本来は「出世間(しゅっせけん)」という言葉だったものが略されて「出世」になったそうです。
なので、仏教の世界に入り、僧侶になることを「出世者」とも呼ぶそうです。
まとめ
出世欲の低下は未婚率や少子化とも関係が深そうです。
パートナーがいなかったり、扶養する子供がいなければ、結局は自分自身のためだけに働くことが中心となります。
それだったら、そこまで頑張って給料を増やす必要はない、ということになるのでしょう。
人は自分自身より誰かのための方が頑張れる、ということを聞いたことがあります。
頑張るための誰かがいないなら、頑張れないのも無理ないのかもしれません。