大豆を食べ過ぎるとどうなる?適切な摂取量と食べ過ぎによる影響 大豆の栄養成分と健康効果など
大豆は日本人にとって古来から親しんできた馴染み深い食品で、栄養成分が豊富なことと安価な点から、今も日常的に利用されることの多い食品の1つです。健康にも美容にも良いとされる大豆ですが、食べ過ぎると体に悪影響を及ぼす可能性があります。大豆の適切な摂取量や食べ過ぎによる影響、大豆の持つ栄養成分と健康効果などについて解説します。
大豆の食べ過ぎは体に良くない?
大豆は、たんぱく質や大豆イソフラボンなど、体に良い栄養成分を多く含み、健康を維持する為にも積極的に摂っていきたい食品です。
しかし大豆を食べ過ぎてしまうと、体に悪影響を及ぼす可能性もあります。
大豆には食物繊維が豊富に含まれているので、適量を摂取すれば便通の改善につながりますが、一度にたくさん食べると下痢や腹痛の原因となるおそれがあります。
また、美肌効果や更年期の症状緩和といった効果があるとされている大豆イソフラボンも、過剰に摂取すると女性ホルモンのバランスを崩してしまい、肌荒れなどの副作用を起こす可能性があります。
サプリメントや健康食品から日常的にこれらの栄養成分を摂取している場合も注意が必要です。
大豆の1日の適切な摂取量
大豆を含む豆類の1日の適切な摂取量は100gとされています。
大豆製品に置き換えると、豆腐なら1/4丁、納豆だと1パックが1日の摂取量の目安となります。
因みに、大豆イソフラボンの1日の適切な摂取量は70~75mgとされていますので、大豆製品に置き換えると、豆腐だと1丁、納豆だと2パックが1日の摂取量の目安になります。
大豆を食べ過ぎると太る?
大豆は肉や魚に比べて低カロリーですが、食べ過ぎはカロリーの過剰摂取につながるため、太る原因にもなります。
大豆製品のカロリー目安は、
木綿豆腐1丁(300g):237kcal
絹ごし豆腐1丁(300g):186kcal
納豆1パック(45g):86kcal
となります。
白米(150g)のカロリーが252kcal程度、唐揚げ(約4個)のカロリーが376kcal程度なので、それに比べてヘルシーなイメージの豆腐でも食べ過ぎるとカロリーオーバーとなってしまうのがわかるでしょう。
大豆は100gあたりの糖質量は5gと非常に低いため、糖質制限ダイエットには向いていますが、カロリーがそれなりにあるので食べ過ぎると太る可能性があることを覚えておいてください。
大豆の栄養成分と健康効果
大豆の栄養成分とそれぞれの健康効果は、次のようになります。
大豆タンパク質
大豆に含まれるタンパク質は、体にとって必要不可欠な必須アミノ酸がバランスよく含まれているため、良質なタンパク質とされています。
タンパク質は筋肉づくりにも欠かせない栄養素ですが、大豆に含まれるタンパク質にはコレステロール値を下げるはたらきもあります。
サポニン
サポニンは、体への脂肪の蓄積を抑制する作用がある栄養素です。
また、アディポネクチンという脂肪燃焼を促進する成分の分泌を促す作用もあります。
食物繊維
大豆には食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維には、整腸効果やコレステロール濃度を低下させる効果などがあるとわかっています。
大豆オリゴ糖
大豆オリゴ糖は、大豆に含まれるオリゴ糖のことです。
大豆オリゴ糖は、大腸まで届いて善玉菌の「ビフィズス菌」を増やし、腸内環境を整え、便秘改善を促す作用があります。
ビタミンB群
大豆にはビタミンB1・B2・B6等のビタミンB群が多く含まれています。
ビタミンB群は、糖や脂肪の代謝をサポートする栄養素で、イライラを解消する効果などが期待できます。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは、女性ホルモンの「エストロゲン」に似たはたらきをする成分で、美肌効果・骨粗しょう症予防・更年期症状の緩和・代謝機能の維持・乳がんリスクの低下など、女性の健康をサポートしてくれます。
大豆にはほかにも、ビタミンE・マグネシウム・カリウム・カルシウムなど、多くの栄養成分が含まれています。
大豆イソフラボンを摂りすぎると
大豆イソフラボンの安全性については食品安全委員会により、1日の摂取上限を70~75mgとされています。
ただし、これはサプリメントとして通常の食事に上乗せ分についてであり、イソフラボンの成分だけを摂取する場合について定められたものです。
大豆の水煮100g当たりで換算すると、大豆イソフラボンは約40mg含まれていますが、摂取上限量を越えたからといって直ちに健康被害に結びつくものではありません。
また、いろいろな大豆食品をバランス良く食べていれば、上限量を越えることもないでしょう。
まとめ
大豆には、たんぱく質や大豆イソフラボンなどさまざまな体に良い栄養成分が含まれています。
ただ、食べ過ぎると腹痛や下痢を引き起こしたり、肌トラブルの原因にもなる可能性もあります。
大豆の適切な摂取量は、1日に豆腐1/4丁、納豆1パック程度が目安となるので、覚えておいてください。
大豆は肉や魚に比べて低カロリーで糖質量も少ないですが、食べ過ぎると太る原因にもなります。
大豆や大豆製品を普段の食生活にバランスよく取り入れ、健康アップを図っていきましょう。