改善提案なんて効果なし!書き方を工夫しても提案レベルだから実現性はゼロ?
筆者も元メーカーでしたので、改善提案はイヤというほど(実際にイヤと言ったことはある)味わいました。
事業所によって改善提案の扱い、つまり重要度や優先度合いは異なるでしょうが、筆者が勤めて会社は明らかに「ポーズ」だったのです。
社歴の長い全国に営業所があるメーカーほど、
- やっても意味がない仕事
- 効果は別として習慣化している仕事
- 全社的にやってるから流されてやる仕事
なとがゴマンとあります。
そのひとつが改善提案でした。
そんな改善提案について、どういうものなのかについて言及します。
もくじ
改善提案とは
改善提案とは何かと言えば、文字通り「改善を提案」する非定型業務です。
必須ではありませんが、メーカーサイドの言い分としては、
- 課題発見
- 業務効率化
- 改善の実現方法を具体的に示す
などの意味合いや狙いがあります。
内容としては個人の業務範囲から、チームあるいは職場全体に影響するものまで、特に制限はありません。
また改善提案は事務スタッフ、工場スタッフ関係なく、役員クラス以外の全社員が対象となるケースがほとんどです。
ちなみに「給与体系の改善を希望します」なんてものはNGです(汗)
課題発見のポイント
課題の発見においてポイントとなるのが「3M(さんエム、スリーエム)」です。
- ムダ:Muda
- ムラ:Mura
- ムリ:Muri
この3つのローマ字表記の頭文字を取っての呼称になっています。
一部では「ダ・ラ・リの法則」とも言われているようですが、これは筆者が所属した事業所だけかもしれません。
業務上の「ムダ、ムラ、ムリ」は無いかという視点から、改善すべきところを挙げていくプロセスでもあります。
QCDには改善ポイントが多い
生産管理や品質管理部門では、
- Q:クオリティ(Quality)
- C:コスト(Cost)
- D:デリバリー(Delivery)
以上の3文字の頭を取って「QCD」から改善提案が浮かび上がることがあります。
クオリティでは業務の質の低下の要因やヒューマンエラー、コストに関しては人件費をはじめムダな費用、デリバリーでは納期と業務プロセスの短縮など、それぞれ見直すべきポイントを見るわけです。
しかし長く業務に携わるとマンネリ化から視野が狭くなり、改善はできない、現状がMAXなど、思考停止に陥ることがあります。
それを避けるためにも定期的な配置換えが効果を高めたりします。
提案だけなら誰でもできる
提案なら誰でもできます。
難しいのは実現できるかという点なのです。
評価の高い改善提案は再現性があり、実際に効果を金額換算できます。
改善提案の弱点として挙げられるのは、「こうすれば良いのでは?」という改善効果の見込みが甘く、推測であってもお咎めが無い場合です。
アイデアだけだして実行しない職場も恐らく多いはず。
筆者が勤めた事業所は、まさにこのケースでした。
改善提案1件500円
勤めた会社はルールとして、毎月1件は改善提案を提出するというものでした。
1件提案ごとに500円(以下に詳しく言及)が支払われるのです。
10件で5,000円、100件で50,000円・・・。
想像できるでしょうが、ルールも再現性の検証もザルだったので、これを悪用・・・いや積極的に活用した社員が現れ始めたのです。
毎月100件もの改善提案を提出する社員が続出。
下手に残業するよりは効率が良いということで、同じメンバーが50,000円が給与に加算されていきました。
月間の実働が20日として毎日5件です。
フォーマットに書き込む量は多くないので、誰でも出来るわけです。
改善効果の無い提案への報奨金こそがコストのムダだということに、経営陣が気付くのは、しばらく時間が経ってからだったと記憶しています。
評価は等級
改善提案の評価は上司が行いますが、結果は等級で表現され、報奨金も給与に加算されました。
本当に提案レベルならば「提案賞」として500円で、評価項目を満たす都度、8級から1級(最上級)までの評価基準がありました。
等級が上がるにつれ報奨金も上がります。
ただ難易度が急激に上がる4級以上はなかなか出ませんでした。
本社がやれと言ってるから、やっているだけなので、惰性でやってることに成果は出ません。
しかもこの改善提案、毎月、7級か6級が1件出る程度ではありますが、毎月の全体朝礼で対象者への表彰が行なわれる始末(汗)
表彰される方が恥ずかしい・・・。
まとめ
「改善提案なんて効果なし!書き方を工夫しても提案レベルだから再現性はゼロ?」というテーマで、元の勤務先での改善提案の実態をお伝えしました。
他の事業所では、一生懸命に取り組んでいらっしゃると思います。
中にはポーズだけの事業所もあるということです。
そんな会社だったので現在は大きく規模が縮小されて、存続も虫の域というウワサが(汗)