しゃちほこトピックス > 経済社会 > 樹木葬の急伸で一般墓(お墓)離れが加速!納骨堂も伸び悩み!樹木葬が受け入れられる理由

樹木葬の急伸で一般墓(お墓)離れが加速!納骨堂も伸び悩み!樹木葬が受け入れられる理由

しばらく冠婚葬祭に関わっていませんが、近年は特に葬儀や埋葬を取り巻く状況が大きく変化した実感します。

少子高齢化や核家族化、価値観の多様化などを背景に、従来の一般墓(お墓)離れが進んでいる一方で、樹木葬が注目を集めています。

日経新聞の記事ですが、鎌倉新書が実施した調査では、樹木葬が48.7%という数字を示していることを知りました。

ということで、樹木葬の人気上昇と一般墓離れの現状、そしてその背景にある理由について調べてみたいと思います。

一般墓離れの現状

一般墓、つまりこれまでのお墓スタイルが敬遠される主な要因としては、以下が挙げられます。

  • 高額な墓地取得費用と維持管理費
  • 少子化による跡継ぎ問題
  • 地方から都市への人口流出
  • 宗教観の変化

昔と違って、お墓は守るべきものから、いかに後世にスムーズに付き継がせるか、あるいは引き継ぐ者がいない場合は、墓じまいをするかということが求められています。

そもそも、夏のお盆時期の墓参りは、暑さで危険な行事になっている印象です。

環境の変化も相まって、お墓離れは、今後も進むことでしょう。

納骨堂の現状

一般墓の需要が減少する中、一時期は納骨堂が注目を集めました。

しかし、近年はその需要の伸びも鈍化している印象があります。

納骨堂が伸び悩んでいる理由としては、

  • 空間的制約による個別性の欠如
  • 管理費の継続的な負担
  • 参拝の際の時間制限や混雑

などが挙げられます。

言い方は良くないですが、下手するとロッカーに納骨されているような、何というか無機質な空間に納められていると見えなくもありません。

永代供養なら安心ではありますが、管理費の支払いなどは必要です。

また、狭い場所でも納骨が可能なことが納骨堂のメリットではありますが、それはあくまで運営側のメリットで、参拝側にはどうでもよいことです。

逆に十分な時間や、空間的な余裕がない中での参拝になることも少なくないのが、参拝者のデメリットとしての声もあります。

ただし納骨堂を選んだ人は、参拝する時間がないなどの理由が大多数でしょうから、そのような場合は、デメリットにはならないとも考えられます。

樹木葬の急伸

樹木葬とは、遺骨を樹木の根元に埋葬し、その樹木を墓標とする埋葬方法です。

樹木葬が多くの人々に受け入れられている理由には、以下のようなものがあります。

  • 経済的な側面
    一般墓と比較して初期費用が低く継続的な管理費も抑えられる場合が多い
  • 環境への配慮
    自然の一部となることで環境負荷を軽減
  • 維持管理の簡便さ
    子孫による継続的な管理が不要な場合が多い
  • 自然回帰の概念との親和性
    自然に還るという考え方に共感する人が増えている

要するに「手離れが良い」「経済的」というところが、人気の側面にあるような印象です。

実際に樹木葬を行っている場所は、庭園のような作りで、非常におしゃれな景観になっていることが多く、気軽に参拝できるところも受け入れられていると推測します。

樹木葬には、お供えを持参するような、相応の準備も必要ありません。

そもそも「お墓に供えたもの」は、後片付けとかしないんですよね?

供えた後は知らんぷりって、行動原理としてはどうなんですか?

それこそ、誰かがやってくれるだろうって、いい加減過ぎませんか、いくら墓地に管理人がいたとしても。

ビンとかパックごと供える人もいたわけでしょ?

マナーにうるさい日本人が、そういう「供えっぱなし」には触れないのは卑怯だなと、子どものころから考えていました。

そういう面でも樹木葬は、環境に優しいと感じます。

樹木葬の課題や注意点

ただし、樹木葬にも以下のような課題や注意点があります。

  • 永続性リスク
    樹木の寿命や自然災害による影響
  • 法的な制約
    地域によっては樹木葬が認められていない場合がある
  • 宗教的な観点
    特定の宗教や宗派では樹木葬が認められていない場合がある

自然災害のリスクまで考えると、もう、何もできないですよね・・・。

法的な制約もはっきりしていないですし、宗教上の理由も無視できないのは理解できます。

支持は多くなってきていても、所詮はグレーな埋葬方法ということでしょうか。

現状の墓埋法(墓地、埋葬等に関する法律)は、樹木葬を想定していませんが、通常のお墓と同じように、埋葬許可などの届け出は必要です。

勝手に私有地などに埋めることは、法律違反ですので、絶対に止めましょう。

まとめ

葬儀・埋葬方法の選択肢が多様化する中、個人の価値観や家族の事情に合わせた選択が重要になっています。

樹木葬の急伸は、社会の変化や人々の意識の変化を反映したものと言えるでしょう。

今後も葬送の形態は変化していくことが予想されます。

大切なのは、自分や家族にとってどのような選択が最適かを、十分に時間をかけて考えることではないかなと考えます。

参照

お墓は継承しない? 広がる樹木葬、「家」から「個」へ 3Graphics – 日本経済新聞

【第15回】お墓の消費者全国実態調査(2024年) ―跡継ぎ不要のお墓を購入した人が約65%「承継者不要」のお墓が選ばれる時代へ― ? 株式会社鎌倉新書

参考になったらシェアしてくださいね!