スコットランドの民族衣装 イギリスとは異なる特徴的なキルトやタータンと女性の民族衣装との関係

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スコットランドとは、イングランド・ウェールズ・北アイルランドとともにイギリスを構成する地方の1つですが、ヨーロッパから移ってきたケルト人の歴史が強く残っているため、イギリスとは別の民族衣装・音楽・文化などが見られる特徴があります。そんなスコットランドの民族衣装について、キルトとタータンの違いや、女性の民族衣装などについて説明します。

スコットランドの民族衣装「キルト」

キルト(kilt)とは、主にスコットランド人の男性が着用するスカート状の伝統衣装のことです。

キルトの始まりは、中世時代のスコットランド北部の高知地方「ハイランド」で、羊の毛を格子柄に編んだ大きな毛布をぐるっと巻いて着ていたのが由来だといわれています。

当時からウエストの後ろ側にプリーツを折り、現在のキルトと似た形で着ていたと考えられています。

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キルトとタータンの違い

「キルト」とは伝統衣装のことを指します。それに対し「タータン(Tartan)」とは、柄のことを指します。

キルトに使われる柄がタータンなわけです。タータンは、日本の家紋に相当する格式高いものだとされています。

タータンの格子柄は民族ごとに定められており、民族の中でも皆が必ずしも同じ柄ではないため、その種類は数百種類にものぼるそうです。

タータンは敵・味方を判断する材料でもあり、民族同士の政争などにも深く関わるスコットランド人のアイデンティティーでもあります。

代表的なタータン

タータンはかつては氏族(クラン)を示す家紋に相当する織柄で、代表的なものとしては次のようなものがあります。

  • ロイヤル・スチュアート
  • バーバリー
  • マクレガー
  • ブラック・ウォッチ
  • ロブ・ロイ
  • アンシェント・マクミラン

他にも、王室が用いてきたロイヤルタータン、記念日や追悼に身に着けるメモリアルタータン、ダンサーが使うドレス・タータンや、スポーツのときなどに着るハンティング・タータンなどがあります。

団体や会社でタータンを定めていたり、軍隊は連隊ごとに固有のタータンを持っています。

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スコットランドの女性の民族衣装

キルトは主にスコットランド人の男性が着用する伝統衣装です。現在では女性も着られるようになりました。しかし、女性用の民族衣装は「キルトスカート」として区別されています。

キルトスカートは伝統的なものというよりも、ファッション要素としてのアイテムとして扱われています。袖の膨らんだ白いブラウスとショートのベストに合わせ、膝丈のキルトスカートを着用するのがトラッドスタイルの定番となっています。

靴下は膝上丈までのチェックやアーガイル柄、白の無地などを一般的には着用します。

他にも女性の民族衣装として、「ケルティックドレス」があります。ケルティックドレスは、無地・ストライプなどシンプルな柄のロング丈の長袖ワンピースで、袖口が広がっていたり、袖のところに飾りがついているのが特徴的です。

これにタータンを取り入れる場合は、肩に羽織ったり、頭に被ったりするようです。

スコットランドで民族衣装を着用するシーンとは?

スコットランドで民族衣装を着用するのは、次のようなシーンが挙げられます。

結婚式

スコットランドの結婚式で男性はキルトを着用することがあります。洋装よりもキルトを着用する花婿の方が、はるかに多いようです。

花嫁は白のウェディングドレスが多いですが、タータンを織り上げたショールやスカーフを肩に掛けるなど、少しだけ民族衣装を取り入れます。

学校

スコットランドの学校では、制服にキルトを取り入れているところが多いようです。日常的に着用したり、セレモニーの時など正装時にも着用します。

フェスティバル

毎年世界各地で行われるケルト人を祝う「ケルティックフェスティバル」では、多くのスコットランド人がキルトを着用し訪れます。

スポーツ観戦

ラグビーやフットボールのスコットランドチームを応援するサポーターの多くは、キルトを着用しています。そのため、スコットランドのサポーターであることが一目瞭然です。

パーティー

スコットランドでドレスコードを必要とするパ―ティーにおいては、男性はキルトを着用して出席します。

まとめ

スコットランドの民族衣装であるキルトは、主に男性が着用する伝統衣装なのですね。柄であるタータンには日本の家紋のような特別な決まりがあることも知りませんでした。

女性がタータンを纏う際はキルトスカートや、肩に羽織ったりするのが一般的なようです。

スコットランドに行く際には、ファッションで使われているユニバーサルタータンを身に着けるなど、伝統に配慮しマナーを守って楽しむとさらに楽しめると思います。

イギリスは歴史のある国だけに、ファッションも知れば知るほど奥が深く面白いですね。

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