「低糖質」と書かれた食品表示はどういう意味?「糖質ゼロと糖質オフ」「糖質と糖類」の違いについて

スーパーやコンビニエンスストアなどで「低糖質」「糖質ゼロ」「糖質オフ」など、糖質を意識した様々な表示を見かけます。しかしよく似た表現なので、なにがなにやらさっぱり。これらの表示ごとの意味の違いや、糖質と糖類の違いなどについて解説します。

糖質と糖類の違いとは?

「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」とがありますが、この違いは何なのか、これらの違いについて気になりますよね。

まず、糖質と糖類の違いから説明していきましょう。

糖質とは

糖質は穀類やいも類、砂糖などに多く含まれる栄養素で、身体を動かしたり脳を働かせたりするのに使われたり、身体づくりや身体の修復に使われる重要なエネルギー源です。

消費者庁の「食品表示基準」で定義される糖質は、炭水化物から食物繊維を除いたもので、次のように算出されます。

糖質=炭水化物-食物繊維

また糖質は、糖類・多糖類・糖アルコールなどで構成されています。

糖類とは

糖類とは糖質の一部で、糖質から多糖類・糖アルコールを除いたものが糖類です。

糖類とは単糖類・二糖類の総称であり、代表的な糖類としては、ブドウ糖や果糖などの単糖類や、ショ糖や麦芽糖などの二糖類があります。

ちなみに、多糖類にはでんぷんやオリゴ糖など、糖アルコールにはキシリトールやエリスリトールなどがあります。

広告

糖質ゼロと糖類ゼロの違いとは

次に、「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」の食品表示の違いについて説明します。

糖質ゼロとは

栄養成分の含有量が少ないことや多いことを示すための表示については、消費者庁の食品表示基準で定義が定められています。

「糖質ゼロ」と表示することができるのは、「100g中(または飲料100ml中)0.5g未満の糖質を含む食品」であると規定されています。

つまり糖質ゼロと言っておきながら、「糖類がまったく含まれていない」とい意味ではないのですね。

こういうところが、日本の食品表記をややこしくしている所以かと思います。

糖類ゼロとは

食品100g当たり(または飲料100ml当たり)に含まれるこれらの糖類が0.5g未満であれば、「糖類ゼロ」と表示することができます。

また、「糖類ゼロ」の商品の場合、砂糖やブドウ糖などの「糖類」は含みませんが、でんぷんやオリゴ糖などの「多糖類」や、キシリトールやエリスリトールなどの「糖アルコール」を含んでいる可能性があります。

「糖質ゼロ」と同様に、「糖類ゼロ」も「糖類がまったく含まれていない」というわけではありません。

糖質オフと糖類オフの違い

「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」と似た表示に、「糖質オフ」「糖類オフ」というものもあります。

食品表示基準では、「糖類オフ」と表示できる基準は決まっているのですが、実は「糖質オフ」と表示できる基準は決まっていません。

糖類オフ

「糖類オフ」と表示できるものは、比較対象品と比べて「糖類が食品100g当たり5g以上(飲料の場合は100ml当たり2.5g以上)低減されていて、かつ低減された量の割合が25%以上であること、と定められています。

また、「○g減」「○%オフ」「○%カット」などの表示は、強調表示された場所の近くに表示しなければならない決まりとなっています。

糖質オフ

「糖質オフ」と表示するための基準というものは、特に定められていません。

比較対象食品に比べて低減されていれば、販売者の責任において「糖質○%オフ」と表示することができます。

ただし、含まれている炭水化物の内訳として、糖質と食物繊維の表示が必要になります。

広告

低○○・○○控えめ・ライト・ダイエットの定義

「控えめ」「ライト」「ダイエット」「低」などの表示は、含まれている糖質(糖類)の量が食品100g当たり5g(飲料の場合は100ml当たり2.5g)未満であれば、表示することが可能とされています。

「糖質オフ」という表示と、「低糖質」「糖質控えめ」などの表示は、よく似ているようで実は異なるものだということが、これで理解できたと思います。

砂糖不使・甘さ控えめの定義とは?

「砂糖不使用」という表示は、「砂糖を使用していない」ということのみを示すもので、砂糖以外の糖については制限されません。これで甘い理由がわかりましたね(笑)。つまりダイエット向き商品でもなんでもないということです。

また、果物や野菜などの成分に糖分が含まれていても、砂糖を使用しているわけではないので、記載の制限を受けません。

「甘さ控えめ」という表現も、味覚を表すものなので、食品表示基準の対象外となります。

まとめ

「糖質ゼロ」「糖質オフ」「低糖質」などの栄養成分の強調表示には、食品表示法の食品表示基準で定義が定められ、それぞれ基準が異なることがわかりました。

また、「糖類」とは「糖質」の一部であり、「糖類ゼロ」でも糖質は必ずしもゼロではないということも知ることができました。

そもそも「糖質ゼロ」でも、糖類が一切含まれていないというわけではありません。

これらの表現はまるでひっかけ問題のようで、なんとも分かりづらいですね。アルコールの表現も似たようなものがありますが。

表面上の表現に惑わされず、記載される栄養成分表示をしっかりとチェックして、日々の食品選びを行うようにしてください。

参考になったらシェアしてくださいね!