男性30代は尿酸値が気になるお年頃 尿酸値が高いとどうなるの?数値や改善方法について
男性は30代に入ると尿酸値が気になるお年頃になります。というのも、全年代の中で最も尿酸値が高いのが30代だからです。尿酸値が高いとどうなのか、高いと言われる数値はいくつからか、また尿酸値を下げるための改善方法についてご紹介します。
男性30代は尿酸値が気になるお年頃
男性同士の会話で30代くらいから話題に上がるのが、「尿酸値」について。
20代ころまではあまり耳にしませんが、30代に入るとわりと尿酸値という言葉を耳にするようになります。
健康診断で「尿酸値が高いから気をつけろ」って言われちゃってさ。みたいな感じで、飲みの席などで話題に上がるんです。
それもそのはず、年代別に見ると、30代は全年代の中でも最も尿酸値が高い人が増える年代で、その割合は30%に届きそうなほどだからです。
なぜ30代になると尿酸値が上がるのでしょうか。
30代に尿酸値が上がる理由
30代になると尿酸値が上がる人が増える理由ですが、その理由は主に3つあります。
まず1つ目が、お酒の摂取量が増えるからです。特にプリン体を多く含むビールを飲む機会が増えるからです。
学生の頃と比べ、社会に出ると仕事上の飲みの機会も増えますから、それで飲酒機会が増えるのでしょう。
厳密に言うと、20代なかば頃から飲酒機会は増えるので、20代も10代と比べると尿酸値が高い人の割合は増えています。ただ、学生のうちはそれほどまだお酒を飲まないので、20代全体で見ると30代よりは少ないということになるのでしょう。
また2つ目の理由として、プリン体の含有量の多い食品の摂取量が増えるからです。
プリン体の多い食品にはレバーや魚の干物、魚卵などがあげられます。これらプリン体の多い食品は、お酒のつまみに多く、結局は酒の席が増えることが原因となっています。
3つ目は肥満化です。学生の頃まではわりと運動の習慣があったものが、社会人になると運動する機会が減り、そのわりには食事の機会ばかりが増えて肥満化する人が増えてきます。
肥満化すると血糖値を下げるインスリンが効きにくくなるため、体は血糖値を下げようとインスリンの分泌量を増やします。インスリンが増加すると肝臓で乳酸が吸収されやすくなり、乳酸が増えると尿酸の排出が妨げられ、結果的に尿酸値が高くなるのです。
結局、学生生活が終わり、社会に出てからの生活において、食べること・お酒を飲むことの機会が増え、その割に運動はしないという状態が、尿酸値を上げる生活習慣になってしまっているのです。
尿酸値が高いとどうなるの?
では尿酸値が高いとどうなるのでしょうか。
実は尿酸値が高いだけでは、特に何の症状もありません。
ただ、尿酸値が高い状態が続くと、結晶となった尿酸が関節や足先などに溜まり始めて炎症を起こします。この炎症が激痛を伴う痛風です。
また腎臓に尿酸が溜まると結石ができ、これまた激痛を伴う尿管結石や膀胱結石を起こします。
30代の尿酸値が最も高いと言いましたが、その状態が続くと通風になるわけですから、40代が最も痛風患者が多くなるというのもうなずけますね。
ちなみに、痛風患者の98.5%は男性で、女性で尿酸値が高い人はほぼいません。その理由は、女性ホルモンが尿酸を体外へ排泄しやすくするからと言われています。そのため、女性も女性ホルモンが減少する更年期以降は、通風の発生率もやや上昇するようです。
尿酸値の数値はいくつからが高いのか
尿酸値が高いとはよく言いますが、では尿酸値は数値的にいくつからが高いと言われる値なのでしょうか。
尿酸値は7.0mg/dLまでが基準値内と言われています。つまり、7.0mg/dLを超えると尿酸値が高いということになり、高尿酸血症と診断されます。というのも、血中尿酸値は7.0mg/dLを越えると、関節内に尿酸が溜まり始めるからです。
尿酸値が高くても、特に初めの頃は何の症状が現れないこともあります。しかし確実に尿酸は体内に蓄積されていますので、いずれ通風となって現れます。
なので、尿酸値が7.0mg/dlから8.0mg/dlの間は、数値が下がるように生活習慣を変える努力を行うことが必要です。
また、8.0mg/dlを超えたら、薬による治療を考えたほうが良いでしょう。9.0mg/dl以上なら、もう薬を飲む以外ありません。
尿酸値を下げるための改善方法
尿酸値は6.0mg/dL以下に抑えることが良いとされています。
尿酸値が上がらないよう上手にコントロールすることで、、関節内などに蓄積された尿酸塩結晶が溶けてなくなっていきます。それでも溶けてなくなるまでの期間は、少なくとも約1~2年はかかるとされています。
尿酸値をげるには、
- 高プリン食(肉・魚介類など)を極力控えること
- 十分な水分を摂取する(水、お茶類など)
- アルコール(特にビール)の制限
- 糖分の高いお菓子やジュース類を控える
- 有酸素運動を行う
ということを習慣とすることです。
まとめ
尿酸値は30代が最も高いとされる年代です。食生活の変化と運動不足が、尿酸値上昇につながる原因となっています。
尿酸値は高いだけでは特に何の症状も現れませんが、尿酸が蓄積されると通風や結石を起こします。
尿酸値を下げるには、プリン体を含む食品を極力避けることと、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を行うことです。
体内に蓄積された尿酸は、なかなか排除されません。また、尿酸値は7.0-8.0mg/dl内であれば生活習慣で抑えることができるものの、8.0mg/dlを超えると薬による治療を取るしかありません。
健康診断時の尿酸値をチェックして、数値が高めの方は尿酸値を下げる生活習慣に切り替えましょう。