軽度認知症テスト 軽度認知障害(MCI)の症状やチェック項目、対策
軽度認知症が気になる方は、自宅でできる簡単なテストでチェックしてみましょう。また、軽度認知障害(MCI)の症状やアルツハイマー型認知症との違い、適切な対策についてもご紹介します。
もくじ
軽度認知症(MCI)とは
軽度認知症は正式には「軽度認知障害」と呼び、認知症の一歩手前の状態のことです。
MCI(Mild Cognitive Impairment)とも呼ばれています。
物忘れなどの記憶障害は、軽度認知症だとまだ軽微です。
言うなれば、正常な状態と認知症との中間の状態です。
軽度認知障害の症状
高齢者の25%は軽度認知障害(MCI)もしくは認知症なのだそうです。
そして認知症の約5割は、アルツハイマー型認知症です。
アルツハイマー型認知症の軽度認知障害(MCI)の段階を「アルツハイマー病によるMCI」と呼びます。
アルツハイマー病によるMCIとアルツハイマー型認知症の違いは、前者が認知症の一歩手前段階なのに対し、後者は認知症になってしまった状態です。
アルツハイマー病によるMCIの症状としては次のようなものがあげられます。
- 少し前に話したことや聞いたことを忘れ、何度も同じ話をしたり確認したりする
- インパクトのある大きなニュースもすぐに忘れてしまう
- 1ヶ月以内に参加したイベントについてうろ覚え
- 少し前のことでも、すぐに忘れてしまうことが頻繁にある
ちなみに、アルツハイマー病によるMCIはアルツハイマー型認知症と異なり、基本的ADLの障害はありません。
基本的ADLとは、食事や着替え、お風呂に入るなどの日常生活で最低限の動作のことです。
軽度認知症テスト
軽度認知障害が見られるかを判断するテストについてご紹介します。
多少の不安がっても、日常生活における最低限の動作ができていれば、認知症ではなく軽度認知障害(MCI)の段階です。
こちらの「自分でできる認知症の気づきチェック」でテストしてみてください。
多少の不安がっても、日常生活における最低限の動作ができていれば、認知症ではなく軽度認知障害(MCI)の段階です。
より高度な認知機能をテストしたい方は、こちらもお試しください。
軽度認知障害の対策について
アルツハイマー病によるMCIの状態から、アルツハイマー型認知症に移行するのは、放っておくとわずか数年だそうです。
アルツハイマー型認知症は発症したら根治治療は不可能ですが、アルツハイマー病によるMCIだと適切な対策を行うことで認知症に至るまでの時間を遅らせられる対策法はあります。
主な対策法は次の3つです。
- 運動
- 食事
- 認知トレーニング
もう少し詳しく見ていきましょう。
運動による対策
有酸素運動を行いましょう。代表的なのはウォーキングです。
有酸素運動は体内に酸素を取り入れるため、脳にも酸素が送られ脳内の血流もよくなります。
ウォーキングの際には、頭で九九を唱えたり、しりとりをするなど、同時に別のことも行うことで更に脳内が活発に働き、より高い認知症予防の効果が期待できます。
食事による対策
認知症予防には食事も大切です。
最も意識したい点は、偏食をせずにいろいろなものを食べることです。
特に次の門は意識的に摂取するようにしましょう。
- 野菜と果物:ビタミンC、E、βカロチン
- 魚(特に青魚):DHA、EPA
- 赤ワインやチョコレート:ポリフェノール
これらは一度にたくさん摂取するのではなく、日常的にバランスよく摂取することが大切です。
認知トレーニング
認知症は、記憶力だけでなく集中力や計算力にも障害が起こりますので、こうした面のトレーニングを行いましょう。
トレーニングと言っても続けるのが難しいものを選んでは意味がありません。
ゲームをする楽器を演奏するなども、充分トレーニングになります。
家計簿をつける、読書をする、日記をつける、野菜や花を育てる、イベントや地域のボランティアに参加し人と会話をすることも、認知トレーニングになります。
まとめ
物忘れなど、多少は誰でもあるものです。
昔からボーっとしていて、どこにしまったか忘れてしまうとか、約束の日時を忘れたりなど、多少は性格によるものもあるでしょう。
なので、診断テストの結果を鵜呑みにするよりも(難しい問題もある)、以前の自分と比べて最近の自分はどうかという比較をした方が良いと思います。
また、問題なく日常生活が送れているのであれば、高齢になっていけば少しくらいはミスは増えるもの。
普段から、自分の好きなことの中で能動的に楽しめることに取り組むことが、認知トレーニングにもつながりますので、上手に生活を楽しみましょう。
もしも頼れる人が周囲にいなかったり、一人暮らしなどされている方で、不安に感じることがあれば、病院にて相談してみてください。
認知症対策のアドバイスとともに、血流をよくする薬などの処方も併せて、対応策が取られることと思います。
不安を取り除くことと早期の対応により、軽度認知障害(MCI)があったとしても、認知症のレベルに至るまでの時間を大きく引き伸ばすこともできるはずです。