寝言のうめき声 もしかしたら病気の前兆かも?睡眠時随伴症やレム睡眠行動障害について
寝言は日本人の約66%の人が1度は経験しているそうです。あなたも誰かの寝言で夜中に起こされたなんていう経験ありませんか?しかし、寝言でもうめき声や暴言などの場合は、なにか病気との関係性などがあるかもしれません。
もくじ
寝言とは
寝言は睡眠中に起きる「睡眠時随伴症(すいみんじずいはんしょう)」という異常行動の一種です。睡眠時随伴症には、寝言以外に夜尿や歯ぎしり、寝ぼけ、夢遊病(睡眠時遊行症)なども含まれます。
睡眠時随伴症は、子供・大人を問わず症状が表れますが、おねしょや寝ぼけなどは、主に小児期だけに見られるものです。そして成長とともに眠りをコントロールする脳のシステムが発達すると、遅くとも25歳くらいまでには自然となくなります。
年齢とは関係なく、生活習慣の乱れや強いストレス、寝る間際のアルコールやカフェインの摂取などにより、眠りが不安定になると、寝言を発することもあります。
また、睡眠時随伴症が起こるタイミングが、ノンレム睡眠時かレム睡眠時により、寝言の位置づけも変わってきます。
ノンレム睡眠時の寝言
ノンレム睡眠とは、深い眠りで脳も身体も休息している状態をいいます。
ノンレム睡眠時の寝言は、入眠直後の眠りが深いときに起きやすく、日常生活での出来事に関係する寝言が多いと言われています。怒りや悲しみなどの負の感情も現れやすく、言葉にならないような寝言はあまりみられません。
睡眠不足の状態が続いたとき、寝言が増えたり、悪夢を見てうなされたり、叫び出したりするのは、このタイプが多いです。
ただし、はっきりとした寝言や頻度が高い場合は、休んでいるはずの脳が休めていない可能性もあります。
ごく稀に「レビー小体型認知症」や「うつ」などのが関係する場合もあるそうです。
レム睡眠時の寝言
レム睡眠とは、浅い眠りで身体は休み・脳が活動している状態です。このとき脳は情報を整理しています。
レム睡眠の時の寝言は、朝方の眠りが浅いときに起きやすいです。夢の内容に関係する寝言が多く、奇想天外な内容が多い傾向にあります。
寝言は通常、このレム睡眠時に出ることがほとんどです。レム睡眠時に起こる代表的な睡眠時随伴症として、「レム睡眠行動障害」があります。
レム睡眠行動障害とは
レム睡眠行動障害とは、レム睡眠中に寝言を発したり異常な行動を起こしたりする現象のことです。寝ながら怒鳴る、殴る、蹴るなど、夢の中の行動を実際に現実でも行ってしまいます。
力が加減できないため、となりで寝ている人をケガさせてしまうこともあります。
レム睡眠行動障害の原因はさまざで、これまでは50歳以降の男性に多いという傾向がありました。しかし最近では、20~30代で発症する人も増えているようです。
レム睡眠行動障害は、「レビー小体型認知症」や「パーキンソン病」の場合に現れる症状でもあります。もしも気になる点がある場合は、医療機関での受診をおすすめします。
寝言を改善する方法
寝言を発する原因はさまざまなことが考えられますが、主に挙げられるのは以下の理由が考えられます。
- 生活習慣が乱れている
- 過度な疲労を感じている
- 過度なストレスを抱えている
- 寝る前にアルコールやカフェインを過度に摂取する習慣がある
寝言を改善するには、日常生活を正し睡眠の質を高めることから始めてください。
すぐに実践できる対策として、食生活を見直す、ストレスを解消する、生活習慣を整える、の3つの方法があります。
食生活を見直す
睡眠の質を高めるための食事としては、3食規則正しく食べて体内時計のリズムを整えることが大切です。
夕食は就寝する約3~4時間前までに済ませて、アルコールやカフェインの摂取はできる限り控えるようにしましょう。
ストレスを解消する
ストレスを解消させる方法は、眠る前にアロマを焚いたり、読書や音楽を楽しむなど、気分転換ができるものがおすすめです。
ウォーキングやヨガなど、体を動かすことも、リフレッシュできるうえに適度な疲労が睡眠を促してくれるはずです。
生活習慣を整える
睡眠の質を高めるためには、できるだけ毎日同じ時間での起床と就寝を心がけることです。
朝起きたら意識して太陽光を浴び、寝る前はパソコンやスマホなどの画面が明るいものを触らないようにしましょう。
まとめ
寝言と言っても原因は様々で、子供の寝言は夜泣きと同じように成長で治る一過性のものです。
大人の場合でも、朝方やレム睡眠時などの眠りが浅くなるタイミングでの寝言は、特に心配する必要はありません。
ただ毎日のように寝言を言ったり、寝言の声が大きかったり、はっきりとした言葉による寝言の場合は、精神的や肉体的に強いストレスを受けていたり、何かしらの病気を患っている可能性もないとはいえません。
てんかんの発作や睡眠時無呼吸症候群などでも、うめき声のような声を出すことがあるようです。
気になる方は、一度医療機関に相談に行ってみてください。