電力自由化はホントにお得?新電力料金が高騰して通常の数倍になった理由とは
電力小売りの全面自由化になったのは2016年です。
ガスと電気を同じ会社で契約することもできるようになり、セットだと幾分か電気料金が安くなるという「ふれこみ」でした。
今でも、ガスとセットで契約すると、お得ですというアピールは続いていますが、節約と言っても年間で数千円レベルなら手続きすら躊躇してしまいます。
リスクがはっきりしないので、個人的には未だに見送りです。
そんな中で新電力の電気料金が数倍に跳ね上がるというニュース記事を見かけたので、この現象について追いかけてみました。
もくじ
新電力料金高騰の原因
新電力料金が数倍に跳ね上がった原因は、液化天然ガスの不足が発端です。
原産国でのプラントのトラブルによる供給減と、東アジアの寒波によって中国などの液化天然ガスの利用が急増しました。
そのため電力大手の発電量も減少した中での寒波によって需要が増加してしまいます。
すると日本卸電力取引所市場で売られる電気が減りますから価格が当然高くなり、新電力の調達コストも上がりますから、市場連動料金プランで契約している世帯は、電力料金が爆上げとなってしまったわけです。
電力の全面自由化で参入した新電力の数
資源エネルギー庁によると、登録小売電気事業者は令和3年2月19日現在707者事業です。
想像より多い印象を持ちました。
新電力の事業者の中には、自前の電源を持たないケースも多くなっています。
携帯電話会社が回線を持っていないと考えるとイメージしやすいでしょう。
そのために東京の日本卸電力取引所から電気を調達することになります。
つまり取引相場ですから、価格は需要と供給のバランスに反映されます。
通常は1kw10円程度だったのが、1月の半ばの寒波が日本を包んだときには、1kwが250円以上に上がったわけですから、それは消費者である新電力の契約者に跳ね返ってくるわけです。
市場連動型のリスクとも言えるでしょう。
市場連動型の新電力業者の数
登録小売電気事業者が全国で707事業者あるなかで、市場連動型の料金プランを採用している事業者数は、わずか10数社です。
具体的には、
- 自然電力
- エルピオ(市場連動プランのみ)
- ダイレクトパワー
- テラエナジー
- ハチドリ電力
- ハルエネでんき
- エフエネ
- ジニーエナジー
- みんな電力
- めぐるでんき
- おトクでんき
- アスエネ
などになります。
一部が市場と連動するプランもありますが、契約するなということではなく、市場に左右されるリスクがあるプランだよという意味で捉えてください。
経済産業省も市場連動型料金プラン契約者に注意喚起
一部引用すると、
電力のスポット市場価格の高騰により、市場連動型の料金プランを契約している場合には、皆様の電気料金にも影響が及ぶ可能性があります。
御契約の料金プランについては、小売電気事業者から提供された資料等に記載がありますので、よく御確認ください。
という記述があります。
出典:「市場連動型」の電力料金プランを契約されている消費者の皆様へ | 経済産業省
よほど想定外の爆上げだったのでしょうね。
まとめ
市場連動型の料金プランを採用している新電力業者では、電気代高騰の救済措置として、
- 即日解約
- 業者側が割引による損失負担
- 違約金なしの契約変更
などの対応をしています。
今後、新電力への切り替えを検討する際に、参考になれば幸いです。