老後の移住に失敗する原因 移住前に考えておくべき大事なこと

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老後は田舎に移住がしたい!そう夢を描いて都会で頑張っている人も多いでしょう。しかし、いざ田舎へ移住してみたら、「こんなはずじゃなかった…」と移住失敗に終わる人もいます。ではなぜ移住に失敗してしまうのか、その原因や移住前に考えておくべき大事なことについて説明しましょう。

老後移住に夢見るも…

定年したら老後は移住するぞ!と夢見ている人も多いでしょう。

人それぞれどんな移住ライフを描いているかは異なると思いますが、大抵は都会で働いていた人が田舎へ移住してのんびり生活したい、そう思い描いているのではないでしょうか。

実は私の両親もまさにそんな夢を抱いて、リタイア後に都会から田舎に移住しました。

そんなリアル移住者の声も含め、都市から田舎へ移住ということを前提に、老後移住で失敗する人・しない人の違いを考えていきたいと思います。

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老後の移住に失敗する原因を知る

移住に失敗する人の原因は、田舎で暮らすことの想定が総じて甘いということです。

テレビや雑誌で良い面ばかりが取り上げられているので、そこにばかり意識が行ってしまい、実は都会で当たり前に得ているメリットを忘れがちです。

そういった、既に当たり前となっているインフラについては、当然という前提で田舎暮らしの魅力も付加されると思ってしまっているのです。

老後移住における幻想として、次のようなことを考えていたりしませんか。

  • のんびり生活ができる
  • 広い家に住める
  • 物価が安い
  • 家庭菜園が持てる

では、これらについて見ていきましょう。

田舎暮らしはのんびり生活じゃない

田舎=のんびりと思う人もいますが、田舎は都市と違って人間関係が濃いです。

自分だけマイペースで悠々自適に生活するというのは、なかなか難しく、やたらと町内会や村のイベントにいちいち狩りだされます。

老後移住と言ってもまだ60代なら、限界集落では若手だったりしますから(笑)。

移住先で早く打ち解けようとはりきったら、その後は面倒くさいことは全部あなたの仕事に、なんてことも。

かといって、全てを拒絶していると、周囲の目が痛くて生活しづらい…。

良くも悪くも住民間のコミュニケーションに取られる時間は、都会生活よりも多いということは覚悟しておく必要があります。

広い家はメリットだけじゃない

広い家に住むのは憧れだったりしますよね。日本の家はウサギ小屋なんて例えられたりするほど、特に都市部の家は狭いです。

なので田舎で格安の家を買ったり借りたりして、ゆったり暮らすぞ!と思っているかもしれませんね。

しかし、マンション生活から田舎の一軒家、しかも敷地内で家庭菜園があるような場所に引っ越すと、庭や敷地内の手入れといったこれまでやったことないような労働が増えます。

夏の雑草の伸びるスピードは半端ないです。放っておくとあっという間に雑草に覆われ藪の中に家が埋もれます。

敷地が広いので、草取りにも時間がかかり、夏の厚い中の重労働なのでとても疲れます。

家も広いと、そのぶん掃除も大変です。

家事や雑事に終われ、一日が終了となる日も少なくありません。

穏やかな自然環境の中にいるかもしれませんが、時間的にのんびり暮らせるかというとそうとも言い切れません。

田舎は物価が安いともいえない

近所から野菜をもらったりできるから食費がかからないし、それに家賃も安い。

そう思っていますよね。

また近所の人が野菜をくれるということは、あなたも何かしらお返しをする必要があります。もらってばかりというのはさすがに気が引けますから。

そして、田舎は交通手段が発達していないので、車が必須です。というか、どこに行くのも車です。

駐車場代がかからずとも、そのぶんガソリン代がかかります。場合によっては人数分の車も必要になります。

家庭菜園を持つということは

リタイアして移住したら自分で家庭菜園をもって野菜を作りたいと思う人も多いでしょう。

中にはこれで少し食費も浮かせるだろうと考えていたり。

しかし家庭菜園って趣味ならいいのですが、採算を取るほど作るのは結構たいへんです。

肥料やら農機具やら、けっこうお金も手間もかかります。

好きじゃないならやらない方がいいです。近所で旬の野菜を買った方が、安いし手間もかかりません。

それにけっこうな重労働です。

畑仕事がしたいと思うなら、あまり年を取ってから始めるのではなく、都市部にいるときから小さな家庭菜園を借りて、ある程度若い時から始めておいた方がいいでしょう。

いきなり定年後に始めると、気力と体力が追い付かず、疲れて嫌になってしまいます。

移住先で何をしたいのか、移住前によく考える

では、老後の移住で失敗しないためにはどうすればよいのでしょうか。

それは移住前に冷静に今の暮らしと移住先での暮らしを比較してみることです。

今の都市での生活のメリットとデメリットをあげ、同時に移住することのメリットとデメリットもあげ、それぞれリストアップします。

移住後のデメリットが想像しづらい場合は、都市生活のメリットを見ると、ほぼ反対の要素が田舎暮らしには見つかるかと思います。

そうやって都市と田舎での暮らしのメリット・デメリットをよく見比べてみましょう。

田舎に移住することで都市で得ていたメリットを失う場合、それがあなたにとってどれだけ優先順位の高いものかを考えてみてください。

手に入れたいものだけでなく、失いたくないものもきっちりと知ることが大事です。

間違っても退職金を全部つぎ込んで、いきなり超田舎に家を購入するようなことはしないでくださいね。

人の少ない田舎に住みたいのであれば、お試しでそのエリアで借家を借りるなどして住んでみることです。

そこでうまくやっていけそうか、肌で感じてみること。そのあとで家の購入をしないと、引っ越したいのにお金がない、買った家も売れないとなったら、もう地獄ですよ。

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バランスの良い移住先

おそらく長年都市部で生活していて田舎生活に憧れを持っている人にとっては、田舎の村に住まずとも地方都市などに移住するだけでもだいぶ満たされると思います。

東京などの大都市と違い、そうした地方都市は中心部はインフラが整い生活がしやすく、それでいて少し行くとのどかな自然がたくさんあるといったように、バランスがとてもいいところも多いです。

地方都市なら煩わしい近所との付き合いも、田舎ほど蜜ではないでしょう。

車でちょっと行ったところに家庭菜園用の土地を借り、野菜を作ることもできます。

場合によってはリタイア後も、特技を生かして近所で少し働くこともできるかもしれません。

そういった余裕が心にないと、何事も楽しめませんからね。

まとめ

のんびり具合のバランスがちょうどいいのが、地方都市での暮らしかと思います。

バリバリの田舎暮らしは、イメージと裏腹にけっこうハードな生活です。

よっぽどの覚悟を持って移住をする人でなければ、途中で嫌になってしまうでしょう。

それと、もっと年を取った後のことを考えると、手入れが必要な広い一軒家よりもマンション暮らしの方が手間もかからずセキュリティの面でも安全でっす。

なので、最後はマンションに住むという年配の方も少なくありません。

人生の最後のことについてまで、少しだけ想像力を働かせてみると、老後移住先の田舎の家が「終の棲家」となることは、実は意外とないということも見えてきたりします。

夢を抱くのは大事なことですが、老後の田舎暮らしに関しては、もう少し現実的に考えたうえで動いてほしいと思います。

もちろん、パートナーがいる方はその方の意見もしっかり取り入れて。

いきなり定年してから移住するのではなく、現役時代から移住の準備を少しずつしていくことが大事ですね。

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