膵臓がんとは 膵癌と膵臓癌の違い 原因や痛み、初期症状と検査について 進行スピードや余命は?
膵臓がんとは、どんながんなのでしょう。そもそも膵臓はどこにあって、どんな働きをしているのでしょう。また、膵癌と膵臓癌の違いや、膵臓がんになる原因、初期症状や痛み、検査などについてお伝えします。進行スピードが早いとも言われる膵臓がん、余命との関係も気になるところです。
膵臓とは
がんは様々な部位に起こりますが、膵臓(すいぞう)にがんが発生することもあります。
胃や肺、大腸などに対し、膵臓はあまりなじみがないので、体のどの位置にあるのかと思う人もいるかと思います。
膵臓はみぞおちとへそのあいだに位置し、胃の裏側に横向きになって存在します。長さ15~20センチほどの大きさです。
膵臓には主に、外分泌機能と内分泌機能の2つの働きがあります。
外分泌機能として「膵液」という消化液を出します。これは食べ物を分解して、消化吸収を良くするための消化液です。
内分泌機能としては、血液中の糖分を調節するために必要なホルモンを分泌しています。
膵臓がんの原因 膵がんとの違い
膵臓がんは、その名の通り膵臓に発生するがんです。実は膵臓がんの原因は、あまりよく分かっていません。
しかし、喫煙や大量の飲酒習慣のある人、慢性膵炎、糖尿病、肥満の方などは、膵臓がんになるリスクが高いといわれています。また、血縁に膵臓がんを患った方が多いという家計では、遺伝による発生リスクも高まると言われているようです。
なお、膵臓がんと似た言葉で「膵がん」というものがありますが、このふたつは同じものを指すようです。
膵臓がんの初期症状と痛み
膵臓がんは、初期の段階では無症状なことが多く、痛みなどもありません。
そのため早期の発見が難しいがんとも言われています。
進行が進むと、
- 腹痛
- 食欲不振
- 体重減少
- 膨満感(おなかが張る)
- 黄疸
- 腰や背中の痛み
などが起こるとされています。
膵臓がんの検査と治療法
膵臓癌の検査には、
- 血液検査(血中膵酵素)
- 腫瘍マーカー検査
- 超音波(エコー)検査
- CT検査
- MRI検査
- 超音波内視鏡検査
- 内視鏡的逆行性胆管膵管造影
- 細胞診・組織診
- PET検査
などがあります。
健康診断で血液検査を行う場合がありますが、この血液検査の数値だけで膵臓がんが発見されることはまずありません。
すい臓がんは何かしらの症状が出て医療機関を受診した結果、検査をして膵臓がんが発見される人がほとんどです。
たまに別件で病院を訪れ、CTを行った際に、たまたま膵臓がんは発見されるということもあるようです。
主な検査の流れは、血液検査(血中膵酵素)腫瘍マーカー検査、超音波(エコー)などで膵臓がんの疑いがあったっ場合、CT検査、MRI検査、超音波内視鏡検査などを行い、内視鏡的逆行性胆管膵管造影を通して、病理診断(細胞診・組織診)の結果を観て、確定診断が出されます。
膵臓がんの進行スピードと余命
膵臓がんの進行スピードはとても速いとされています。
なので、発見された時には治療が難しい場合ということも少なくないようです。
膵癌がんの平均的な余命は10ヶ月と言われています。手術で切除した場合で12.5ヶ月、非切除の場合ですとわずか4.3ヶ月ともいわれています。
また、5年生存率は切除した場合で14.5%、非切除だと0.3%と非常に低いものとなります。
膵臓がんが早期発見され、2㎝以下の場合なら5年生存率も68.7%まで上昇しますが、なかなか症状が表に出てこない膵臓がんだけに、そのような極初期で発見されることは非常に少なく、発見されたときは手術不能な場合が80%を占めるのが現実のようです。
まとめ
膵臓がんの進行が極めて静かに進み、発見されたときには重篤な状態になっていると言うことを知り、驚かされされました。
また、健康診断の血液検査項目では、あまり膵臓がんが発見されることもないという点も、不安になりますね。
膵臓がんは主に40-80歳代が多く、全体の95%を占めています。特に60歳代以降になると増加する傾向があるようです。
50歳を過ぎたら、定期的に膵臓がんの検査も行うようにしたほうが良さそうです(家系的に膵臓がんが多い場合は、40歳を過ぎた頃から)。