約束手形とは?2026年には紙版が廃止されるって本当?電子化される約束手形のメリットなど
約束手形とはどんなもの?そもそも事業主でもない限りお目にかかることがないうえに、利用も減少している約束手形。ついに2026年には紙版が廃止され、電子化に統一されるそうです。そんな約束手形のメリットや、今後の利用傾向などについてお伝えします。
もくじ
約束手形とは
約束手形ってご存知ですか?人生ゲームをやったことがある人は聞いたことがあるかもしれませんね。
約束手形とは、取引において使用される決済方法で、ある一定期日になったら代金を払うということを約束する有価証券の一種です。
支払う方が受け取る方へ約束手形を渡します。
約束手形を受け取った方は、約束の期日が来たら代金を受け取りに銀行へ出向き、約束手形と引き換えにお金を受け取ります。
しかし、約束の期日に銀行へ行っても、支払う側の口座にお金がないと、銀行側も約束手形を持つ人にお金を渡せません。
この様な場合を、「不渡り」といいます。
2026年に紙の約束手形は廃止に
この約束手形が2026年で廃止されるとのことです。ただ、廃止されるのは紙の約束手形です。
かつて株券も紙に印刷されていましたが、2009年に上場株式の株主権が電子管理に統一されました。
これと似たような感じで、約束手形も紙のものはなくなり、電子化されるようです。
デジタル版の約束手形
いま世の中はどんどんペーパーレスに向かっています。
約束手形もそういった発行手続きの手間等から、紙のものが廃止され電子化されるのでしょう。
紙の約束手形の発行には印紙が必要だったので、そうした印紙代や手形の受け渡し等に必要な郵送費など、電子化により無駄な経費がかからなくなるというメリットもあります。
また電子化により、物理的な盗難や偽造のリスク、防災面などで失うリスクなども、同時に避けることができるなど、電子化のメリットはかなりありそうです。
利用されなくなりつつある約束手形
ただ、実際の約束手形は紙版だろうと電子版だろうと、利用の機会は減少しつつあるようですね。
約束手形が利用される業種は、製造業、卸売業、建設業が主で、仕入れや製造に多額の費用がかかり、それを回収するまでにわりと時間のかかる業種に集中しているそうです。
これら3業種が約束手形利用のほぼ9割を占めているほどだそう。
最近のIT企業などでは約束手形を利用することはほとんどないのでしょう。約束手形のことすら知らない人も多いのでは?
IT企業の多くは物理的な製品を製造することも少なく、またそれを保管する場所も必要としないため、銀行の融資さえもあまり必要としないと聞きます。
まとめ
約束手形を発行するには当座用の口座を開設するなど銀行からの信用が必要ですので、誰もが気軽に約束手形を発行できるわけではありません。
約束手形には、支払いまでの期間が延長でき、資金の持ち出しを防ぐことで手持ちの現金不足を避けられるといったメリットがあります。
ただ、約束手形を発行した事業者が不渡りを出すと、多額のお金が動くだけに、約束手形を手にする企業さえも連鎖倒産するといった事も起こりかねません。
今のような先行きが不透明な時代において、若い経営者が約束手形の利用を敬遠するのも、なんとなく分かる気がします。