脈拍が40って遅い?これって病気?息切れやめまいなどの症状がなければ、問題ないことも
脈拍が1分間に40って、かなり少ない方ですよね。「脈拍が遅い」と言われるのは、通常1分間の脈拍数が50回未満の状態のことを指し、「徐脈」と呼ばれています。脈拍が遅いと全身に血液が行き渡らないのでは、と不安に感じるかもしれませんが、まったく問題のない場合もあるのだとか。
反対に、ペースメーカーが必要になるような、深刻な不整脈である場合も考えられます。脈拍と不整脈について、脈拍が遅い場合に病気かどうかを判断する方法についてもお伝えします。
もくじ
脈拍と不整脈
脈拍とは、身体のすみずみまで血液が行き渡っているかどうか、知るための1つの指標です。脈拍の数やリズムに異常があると、心臓や血液循環に関連した病気の可能性があります。
脈拍は手首の内側で測定し、1分間に50~100回が正常範囲ですが、年齢や体温などによる個人差が大きく、運動後など活動内容によっても数値が上下します。
人間の身体は、心臓から全身に動脈を通じて血液を送り出しています。心臓は、左心房・左心室・右心室・右心房の4つの部屋に分かれており、交互に拡張と収縮を繰り返すことで、ポンプのように全身に血液を送っています。
心室や心房の収縮や拡張は、心臓内にわずかな電気刺激が伝わることで、しっかりとコントロールされています。
そして不整脈とは、電気刺激の伝達経路に問題が生じたりすることで、心拍のリズムに乱れが生じる状態のことをいいます。
不整脈の原因
不整脈の主な原因は、心筋梗塞や狭心症、心臓弁膜症、心不全などの心臓病や、甲状腺や肺の病気が考えられます。
また、健康な人でも、加齢やストレス、睡眠不足、過労、アルコールの多飲、喫煙、薬の服用などによって不整脈が起こることもあり、誰にでも起こりうる症状です。
不整脈は、心拍の状況によって大きく分けると「速い」「遅い」「飛ぶ・抜ける」の3つのタイプに分けることができます。
不整脈の症状
不整脈には次のような症状の違いによる種類があります。
心拍数が速くなる「頻脈性不整脈」
心拍数が毎分150回以上になる不整脈で、胸の不快感、動悸、吐き気や冷や汗が出て、意識を失うこともあります。
心拍数が遅くなる「徐脈性不整脈」
心拍数が毎分50回以下になる不整脈で、息切れやめまいが起こったり、失神することもあります。
心拍数が飛んだり、抜けたりする「期外収縮不整脈」
心拍が飛んだり乱れたりする不整脈で、自覚症状がないことも多いですが、息苦しさや胸の詰まった感じ、胸痛などが起こることがあります。
脈拍が遅いと言われたら
もしも、健康診断などで脈拍が遅いと診断されたとしても、すぐにどこかが悪いと判断するのは待ってください。
脈拍が遅く、1分間の脈拍数が50未満の場合を徐脈(じょみゃく)といいますが、心電図の波形は正常で、心拍数だけが遅くなっていることがあります。
その状態を洞徐脈(どうじょみゃく)といいますが、健康診断で脈拍の遅さを指摘される場合は、ほとんどがこの洞徐脈にあたります。この場合、電気信号は正常で心臓の拍動が遅い状態と考えられるので、心不全や甲状腺機能低下症など原因となる病気がない場合は特に問題ありません。
アスリートなどでは1分間の脈拍数が30~40回という人も多く、「スポーツ心臓」とも呼ばれ、1回の収縮で送り出す血液の量が多いため、安静時の脈拍数は少なくなります。
また、特にスポーツをしていない人の中にも、体質的に脈が遅い人もいます。
徐脈の症状
徐脈の症状としては、息切れやだるさ、足のむくみ、めまい、失神などが主にみられます。
徐脈は加齢や動脈硬化が進んでいる人に起こりやすく、若い人でも甲状腺の病気により甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、起こることがあります。
ほかにも、降圧薬や抗うつ薬などの薬の副作用として、徐脈が起こるケースもあります。
徐脈の多くは直ちに命に関わるということは少ないので、経過観察をすることが多いですが、失神を起こす場合は、大けがや事故につながる危険性があるので、ペースメーカーが必要になることもあります。
他にも、息切れやだるさなどの症状が強く日常生活に支障をきたす場合、心不全の疑いがある場合に、ペースメーカー必要とする治療が行われることがあります。
まとめ
1分間の脈拍数が50回未満の場合でも、それでだけではなんとも判断できないのですね。
徐脈の場合でも、息切れやめまいなどの症状がなければ、特に問題はないかもしれないということです。
また、脈拍数はストレスや睡眠不足などの影響を受けやすいそうです。なので、安静時に再度測りなおすと、正常値の範囲内に収まったということもよくあります。
健康診断のときなどは、いつもより少し緊張してしまうものなので、特によくあるようです。
ですが、脈拍数が50回未満で、息切れやだるさ、足のむくみ、めまい、失神などの症状が伴う場合は、すぐに病院にて詳しい診察を受けてください。
早期対応が、病気の早期発見・早期治療に繋がり、大事に至らずに済むための唯一の手段です。
気になったらすぐに診察を受け、早めにスッキリしたほうが、へんにストレスを抱えすに済みますのでおすすめです。