給与と給料は意味が違う!給与と給料の違いを知って子どもに正確な情報を伝える親になろう!
給与と給料は、似たような言葉ですが、全く意味が異なります。
社会人であれば、知っていて当然なワードではありますが、意外と知らないという声も聞きます。
もしも、子どもから同じような質問を受けたとき、答えられなかったら、親としてカッコ悪いですよね・・・。
ということで今回は、「給与」と「給料」の違いをわかりやすく解説し、恥をかかなくて済むよう、参考となるべくお伝えします。
もくじ
給与と給料の違い
ひとつずつ、言葉の意味の理解から始めます。
給与とは
給与は、会社から従業員に支払われる報酬の総称です。
基本給だけでなく、さまざまな手当やボーナスなども含まれる広い概念です。
給料とは
給料は、毎月決まって支払われる基本的な報酬を指します。
基本給と諸手当が主な構成要素ですが、基本給のみを指すこともあります。
また場合によっては、時間給、日給などの労働量に応じた対価の意味として用いられることもあるので、少々、ややこしいかもしれません。
賃金・報酬・工賃
給与や給料の類義語として、賃金、報酬、工賃などがありますが、
- 賃金:労働基準法など労働に関する中での用語として使われる
- 報酬:健康保険など社会保険に関する中での用語として使われる
という捉え方が一般的です。
ただ「工賃」に関しては、すこし複雑で、就労継続支援におけるB型、つまり雇用契約が結ばれていない場合は、工賃という名目で支給されます。
また工賃という用語は、何らかの作業、例えば自動車のタイヤ交換とかの見積もり上の明細の一項目として明示されますが、そのようなシーンでも使われます。
ちなみに就労継続支援のA型は、雇用契約の締結を前提として成り立っているので、賃金という言葉が使われます。
すごい、ややこしい・・・。
具体例で理解を深める
念のため、給与と給料について、具体的に構成をお伝えします。
給与に含まれるものとしては、
- 基本給(仕事の基本的な固定された対価)
- 諸手当(例、通勤手当、住宅手当、家族手当、残業手当など)
- 賞与(ボーナス)
- 現物支給(社宅、制服など)
があります。
給料に関しては、前述のように「基本給」のみと覚えたほうが一般的ではあります。
なぜ混同されやすいのか
給与と給料が混同されやすいのは、
- 日常会話では「給料」が一般的に使用される
- 給与明細と給料明細という言葉が混在している
- 法律用語では「給与」が正式な表現として使用される
といったことが考えられます。
さらに法律上の使い分けに関しては、
- 所得税法では「給与所得」という表現を使用
- 労働基準法では「賃金」という表現を使用
がなされていることから、「ややこしい」状況が生まれています。
新聞は特に、このような表現には厳しいチェックがなされていますから、違いがわかっていなければ、誤用しても気が付かないわけです。
子どもへの説明方法
さて、ふと子どもから何が違うのかを問われたら、アナタは答えられますか?
高校生や大学生ともなれば、特定の職業に対する憧れと同時に、収入事情は気になるものと考えます。
就職が前提ならば、給与と給料の違いについての会話も出る可能性はありますが、うまく説明できなければ親の沽券に関わります。
難しい用語はさておき、以下のような身近な具体例を出しながらだと、理解が早まります。
「アルバイトを例に考えると、時給900円で働いて月末にもらう基本的な賃金が給料。それに制服代や交通費、たまにある褒賞金なども含めた全体が給与と考えるとわかりやすいかな。」
まとめ
親として、社会人として、一般常識として知っておくべきポイントは、
- 給与は報酬全体を指す広い概念
- 給料は毎月の基本的な報酬
ということになります。
これらはマネーリテラシーの向上にも繋がり、今、はびこっているSNSでの闇バイトに手を出すような、あさはかな思考を回避する期待もこめたいところです。
給与と給料の違いを理解することは、将来の職業選択や金銭管理の基礎となります。
子どもの質問をきっかけに、お金の大切さや働くことの意義について話し合うことも、たまには良いのではないでしょうか。