偽装免震ゴム使用のタワマン解体通告に住民は寝耳に水!大規模修繕の実態とは
今をときめく注目の都市である福岡市で、国の指定した性能基準を満たしていない免震ゴムを、問題なしと偽装して使用(2015年発覚)していたタワマンが、さらなる騒動に発展しています。
そもそも30階建ての賃貸タワーマンションに偽装した免震ゴムを使用するという大胆な行動自体が衝撃的なのですが・・・。
それを踏まえて元マンションの内装設備の設計をしていた関係から、マンション管理などについてシェアしたいと思います。
もくじ
福岡市のタワーマンション概要
問題のタワーマンションは福岡市中央区にあります。
(特定を防ぐために詳細な所在地までは記載しません)
2006年に完成した30階建ての賃貸タワーマンションです。
- 総戸数:212戸
- 間取り:1R、1LDK、2LDK
- 賃料:8万~26.2万
入居の割合は4割程度ということですが、内装はシックな建具で落ち着いた印象です。
メゾネットタイプもあるので単身者からファミリーまで幅広い世帯に向けて建てられたことが伺えます。
交換から解体へ新たな騒動
当該のタワーマンションは免震ゴムの偽装が発覚して以来、当然のように是正を求められていたもののゴム交換などの工事は進んでいなかった様子。
ゴム交換と言っても水筒のパッキンを交換するのとは訳が違います。
通常、免震ゴムは基礎部分に施工されていますから、交換なんて簡単なものではありません。
もともと偽装発覚後は交換を住民に説明していたようですが、急転直下で管理会社から「解体」を通達されたので、さらなる騒動に発展しているわけです。
解体の通知は住民には寝耳に水の状態で、恐らく泣き寝入りで転居という可能性が高いという点でも問題になっています。
管理会社は退去の期限を一方的に決めたようで、補償として敷金の全額返還や数か月分の家賃相当額の支払いを挙げています。
要は「解決金」「手打ち」ですね・・・。
賃貸マンションの泣き所
タワーマンションと言っても賃貸マンションです。
分譲マンションのように入居者で組織される管理組合が存在しないため、全ては物件オーナーや管理会社の意のままという点が弱点となります。
仮に当該の物件が分譲マンションで管理組合が組織されているならば、大規模修繕工事を行うことで、もしかしたら「解体」というところまでにはならなかったかもしれません。
今回は賃貸マンションということで、大規模修繕工事に向けた「修繕積立金」を毎月徴収して積み立てることで、将来の工事費用にあてるわけです。
しかしながら当該の物件は、そのような積み立てのしくみも無いので、入居者主体で物件の方向性を決めたりすることができません。
ゆえに大問題が発覚すると、退去の道しか残ってないわけです。
例え立地や部屋や環境が気に入っていたとしても、解体という方法以外にないと結論付けられたら、抗う方法がないのが現状になります。
まとめ
偽装免震ゴム使用のタワマン解体通告に住民は寝耳に水という事態になっています。
マンションと言えば大規模修繕工事ですが、賃貸マンションには管理組合が存在しないために、住民主導で方向性や話し合いの場が持てません。
恐らく入居者は決められた期限までに退去ということになるでしょう。
解体後はどうなるのか?
新たに新築した場合は、前入居者が優先的に入居できるのか?
いろいろと今後が気になる話題でした。