敗血症(はいけつしょう)とはどんな病気?どんな症状?起こる原因は?どんな人がかかりやすいか
敗血症とはどんな病気なのでしょうか。どのような人がかかりやすく、また、どんな症状が見られるのでしょうか。敗血症の原因や死亡率、コロナとの関係性などについても解説していきます。
敗血症とは
敗血症(はいけつしょう)は、簡単に言うと「全身症状を伴う感染症、あるいはその疑い」のことを、まとめて「敗血症」と呼ぶそうです。
敗血症になると細菌が体の中で繁殖してしまい、組織や臓器が正常に機能しなくなります。
集中治療室での全身管理及び治療が必要となり、敗血症ショックや著しい臓器障害を起こした場合は、死に至ることもあるという恐ろしい病気です。
敗血症は世界でおよそ2700万人が罹患し、そのうち約800万人が死亡しています。
敗血症が起こる原因
敗血症は免疫力が落ちたときに、体の中に細菌(病原体)が入り込み、組織や臓器を障害することで敗血症を引き起こします。
原因となる細菌の代表的なものが、
- 連鎖球菌
- ブドウ球菌
- 大腸菌
- 緑膿菌
などです。
これらの細菌に感染すると、皮膚が化膿したり、肺炎などの呼吸器感染症が起きたり、肝臓や腎臓、腸などに感染症などが起こり、そこから敗血症が起こるとされています。
敗血症の症状
敗血症には前触れなどはなく、発症すると同時に様々な症状があらわれます。
敗血症の症状として見られるものとして、
- 嘔吐
- 下痢
- のどの痛み
- 悪寒
- 発熱
- 身体の痛み・不快感
- 冷や汗
- 意識が乱れる
- 動悸・息切れ
- 脈が速まる
- 血圧低下
- 排尿困難
などが同時に起こります。
重症化すると、
- 腎不全
- 肝不全
- 敗血性ショック
などが起こり、命を落とす危険性が高まります。
どんな人がなりやすいか
敗血症になるリスクが高い人は、
- 糖尿病やがん、自己免疫疾患などの慢性病を持っている方
- 65歳以上の高齢者
- 1歳未満の乳幼児
です。
敗血症を発症しやすいのは、主に新生児と高齢者です。
皮膚粘膜や臓器機能、免疫機能の弱い未熟新生児は発症の危険性が高く、死亡率も高いとされています。
また、感染症を起こした高齢者も敗血症を発症しやすいといわれています。
敗血症の死亡率
敗血症の死亡率はとても高いとされていますが、2010年はおよそ25%であった死亡率は、2017年にはおよそ18%へと減少しました。
日本における敗血症患者の死亡率は、現在低下傾向にありますが、患者数や死亡数は増加傾向にあるようです。
敗血症だと診断されたら、すぐに治療を開始することがなによりも重要となります。
治療が遅れてしまうと、低血圧による意識障害と共に敗血症ショックが起き、多臓器不全に陥ります。
そうなってしまうと、数時間で死に至ってしまう可能性が高まるので、そうならないよう迅速な治療が必要となります。
まとめ
新型コロナウイルス感染症の重症化の影に、敗血症が関与しているのではと考えられているそうです。
というのも、新型コロナウイルス感染症によって集中治療室に運び込まれる患者の多くが、実はこの敗血症の状態にあるからです。
特に高齢の方がコロナにかかると、肺炎から呼吸器感染症が起こり、そこから敗血症が起こるのでしょう。
新型コロナはそれ自体の症状が怖いだけでなく、こうした感染症による被害も無視できないところです。
今現在も再びコロナが猛威を振るい始めています。高齢者の方はくれぐれも感染しないようご注意ください。