何となく使っている「渋い」という言葉を解説するなら何と言えば良い?
常日頃使っている話し言葉でも、よくよく考えると、具体的な表現を求められた場合、どう答えるのが適切なのか迷ってしまうことがあります。
お互いに、何となくイメージできているからこそ会話が成り立つのですが、日本語が難しいとされるのは、そうした「あいまいさ」「あやふやさ」が多いこともあるのかなという印象です。
中でも「渋い」という言葉、これについて今回は注目してみました。
もくじ
「渋い」の意味
これは味に関する言葉で、まあ、正直マズイ部類ですよね。
舌が痺れるような、ずっと残るような、あまり良い印象ではありません。
ところが使い方によっては、
- 落ち着いた様
- 派手ではなく地味
- 大人びた感じ
- 褒め言葉
いった印象に早変わりします。
人の言動に対する「渋い」という表現は決して悪いことではありません。
ただしモノに対しては良くない印象が強いですね。
柿を代表的に、成果などが出ないことを表現したり、ケチくさい感じや勿体ぶる様子も「渋い」という言葉で成立します。
非常に不思議な言葉でもあります。
「渋い」人とは?
では渋い人とは、具体的な人物像の印象を挙げていくと、
- 物静か
- 中高年世代
- 低音ボイス
- 男性
- ヒゲ
- 革ジャン
- 礼儀正しい
- 冷静
- 優しい
- 自慢しない
などなど、どんどん出てきます。
つまり「渋い」人物像は十人十色であり、また絶対に当てはまらない人物像も多種多様であると言えそうです。
「渋い」の対義語
悪い意味ではなく対極にあると言える人物像としては、
- チャラい
- 自慢気
- ナルシスト
- うるさい
- 女性蔑視
- 自分勝手
- 狭量
- ガサツ
- 威圧的
などが挙げられるでしょう。
渋さというのは作れるものではありません。
醸し出す雰囲気や性格など、人間的な魅力や特徴を指すものに違いありません。
「渋い」の言い換え
良い意味での「渋い」を言い換えるとしたら、どのような言葉があるでしょうか。
- いい男
- 益荒男(ますらお)
- 優男
- 男っぷり
- ダンディー
- いぶし銀
- 男前
- ロマンスグレー
- 粋
- 年季の入った
- 職人
いろいろと出てきますが、個人的には「ダンディー」という表現が腑に落ちます。
これも個人の好みやイメージで大きく意見が分かれるとは思いますが、おそらく根底の部分では共通点があるように感じます。
その共通点とは「かっこいい」です。
激シブ
「渋い」の上級クラスと言っても良いでしょう、激シブという言葉は。
まあ常用される言葉ではありませんが、強烈に渋いときに使うと相手に伝わりやすいはずです。
悪い意味で使うと、とてつもなく印象が良くないことが伝わりますので、便利と言えば便利なのかもしれません。
四文字熟語の紹介
なんと「渋」という文字を含んだ四文字熟語が存在します。
交通渋滞、渋沢栄一などではありません。
羞渋疑阻(しゅうじゅうぎそ)というもので、「恥ずかしさが原因で物事を決め切れずにためらう」いう意味を持ちます。
簡単に言えば、もじもじしている様子でしょうか。
まとめ
「何となく使っている「渋い」という言葉を解説するなら何と言えば良い?」というテーマで、独自の解説を試みてみました。
たったひとつの言葉ですが、いろいろと学ぶことはありました。
特に「羞渋疑阻(しゅうじゅうぎそ)」ですね。
ここでしか使わないとは思いますが・・・。