スペインの民族衣装とフラメンコについて アンダルシア・バレンシア・マドリードの民族衣装など

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スペインは17州、50県に分かれて、現在も地方によってさまざまな文化が残っています。ここでは特に有名な、アンダルシア州・バレンシア州・マドリード州の民族衣装や、フラメンコ・闘牛士の衣装の衣装についてお伝えしていきます。

スペインの民族衣装 アンダルシア州

スペインの三大祭りのひとつ「セビージャの春祭り(フェリア・デ・セビージャ)」では、カラフルな民族衣装を身にまとった人々で溢れています。

セビージャの春祭りは、4月下旬~5月上旬に行われるアンダルシア州の伝統的なお祭りで、広場に「カセタ」というテント小屋がずらっと並び、食べたり・飲んだり・歌ったり・踊ったりしながら楽しく過すごします。

女性の伝統的なフェリア衣装は「トラヘ・デ・ヒターナ」と呼ばれ、カラフルで華やかなのが特徴です。

フラメンコの衣装のひとつである「バタ・デ・コーラ」と間違われますが、裾が長くすぐに汚れてしまうので、一般の人はお祭りでもあまり着用することはありません。

男性は「トラへ・コルト」と呼ばれる伝統的な衣装か、「トラヘ・カンペロ」と呼ばれるスーツを着たりしますが、馬に乗りやすいようにジャケット丈が短いのが特徴です。

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フラメンコの衣装

フラメンコはアンダルシア地方が発祥の踊りで、裾の長いスカートにフリルをたくさんつけた衣装がとても印象的です。

フラメンコの衣装であるスカートは「ファルダ」といい、アンダルシアの民族衣装とジプシーの普段着が混ざりあって現在の形になったといわれています。

フラメンコの衣装にフリルと水玉模様が多く使われているのも、ジプシーたちの暮らしは貧しかったため、スカートの裾がフリルのようにボロボロで、水玉模様のような泥はねの汚れがついていたからという説もあります。

また、フラメンコの衣装には「光りものは使わない」という暗黙のルールがあり、ラインストーン・スパンコール・ラメなどのキラキラ光る装飾品は使わないのが伝統です。

衣装の生地に綿が多く使われているのも、ジプシーの普段着からかけはなれないようにしているからだと考えられています。
ウェディングドレスのように裾が長い「バタ・デ・コーラ」は、エレガントな雰囲気が魅力ですが、上級者向けの衣装でどの曲でも使えるわけではありません。

男性の伝統的な衣装は、ハイウエストズボンに短めのジャケットかベストで、フェリアなどの正装が起源になっているようです。

スペインの民族衣装・バレンシア州

スペインの三大祭りのひとつ「バレンシアの火祭り」は、女性たちの民族衣装が華やかなことで有名です。18世紀の宮廷衣装をモデルにした、ふんわりしたスカートと金糸や銀糸で美しい刺繍がほどこされたドレスがとても優雅です。

レトロな花柄のドレスも多く、まるで中世ヨーロッパにタイムスリップしたような気分を味わえます。

バレンシアの火祭りは、毎年3月15~19日まで開催される伝統的なお祭りで、町の広場に職人たちが作り上げた張子の人形がずらりと並び、お祭りの最終日にはこれらの人形に火をつけて燃やします。

男性の民族衣装はベストにゆったりしたズボン、頭にターバンやアンティークな帽子を被るのが伝統です。

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スペインの民族衣装・マドリード州

首都マドリードで行われる「サイ・イシドロ祭り」では、男性は「チュラポ」、女性は「チュラパ」という民族衣装を着用します。

男性は胸に真っ赤なカーネーションを付けたベストと帽子、女性は白いショールを頭にかぶり真っ赤なカーネーションで飾ります。

もともと「チュラポ」(chulapo)とは「気取っている」という意味ですが、19世紀以降の産業革命で工場で働いていた人々の服装なので、バレンシア州の民族衣装などと比べるととても質素です。

サイ・イシドロ祭りは、毎年5月15日前後に市内の7つの地区を会場に開催され、庶民的で気楽に楽しめるお祭りです。

闘牛士の衣装

スペインの男性用の民族衣装で最も有名なのは、闘牛士の衣装です。

スペインの闘牛士が着ているのは、「チャレーコ」というベストと「シャキーラ」という上着、ズボンは動きやすいぴったりしたものを履いています。

闘牛士の民族衣装も、フラメンコなどの民族衣装と同じで、赤・青・緑といった派手な色彩が使われているのも特徴で、18世紀の中頃にこのスタイルが確立しました。

闘牛士の衣装といえば金糸による刺繍が特徴ですが、牛にとどめを刺す「トレロ」と呼ばれる正闘牛士は、金の刺繍をあしらったベストを着るという決まりがあります。

まとめ

スペインの民族衣装は、他にもカタルーニャ州やバスク州など、地方によって異なり、バロック時代の衣装が少しずつ変化してそれぞれの民族衣装ができあがったそうです。

フラメンコや闘牛士の衣装も、これらの民族衣装がルーツになっています。今でもお祭りなどで、それぞれの地方の民族衣装や、音楽・踊りなど、独自の文化を楽しむことができます。

ちなみに、私の妻は以前フラメンコをやっていたのですが、フラメンコの衣装って、体にピッタリに縫い直すので、オーダーメードに近く、非常にお金が掛かるんですよね。そして体のサイズが変わると、またサイズ合わせにお金が掛かるという。

とてもかっこいいのですが、派手すぎて普段着には使えません(笑)。

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