スクールサポートスタッフの増員か?文科省が予算の倍増を求める方針レベルだけにぬか喜び?
公立学校教諭の業務を分担する役割として、スクールサポートスタッフ(SSS)の存在はご存知でしょうか?
多分、気付かない人の方が多いかもしれません。
学校だよりなどで新学期によくある教職員の紹介欄には、スクールサポートスタッフについては言及が無いか、人数だけを掲載しているケースがほとんどです。
多分、地方の学校ほど、その存在は珍しいのかもしれません。
今回は、スクールサポートスタッフについて書いてみたいと思います。
もくじ
20年以上前から言ってた
まず個人的な意見としては、もう20年以上前から副担任制度か外部からアルバイトの庶務係を導入すべきと言っていました。
1クラスに担任と副担任、あるいは担任と庶務係もしくは、複数のクラスを兼ねた庶務係が絶対に必要だと。
文科省もようやく重い腰を上げた感じです。
現場からの突き上げがスゴかったのか、それとも珍しく危機感を持ったのかは定かではありませんが、そもそも行動が鈍すぎるのは否めません。
長い間、あれやれこれやれと業務を増やしていったのは文科省です。
それでいて公立学校教諭を増やす努力は全くしない印象ですし、研修ばかりで負荷を押し付けるだけ。
挙句の果てには、資質がどうのこうのと「手が足りていない」という単純なことが認識できなかったのは痛いです。
お金が必要なのはわかってますが、それを何とかするのが中央省庁でしょって話なので、たまったツケが回ってきただけの話だと認識しています。
スクールサポートスタッフとは
教員業務支援員と言われる、教職員免許を必要としない職員のことです。
職務内容としては、学校教育法施行規則第65条の7から、具体的には、
- 学習プリントや家庭への配布文書等の各種資料の印刷、配布準備
- 採点業務の補助
- 来客対応や電話対応
- 学校行事や式典等の準備補助
- 各種データの入力・集計、掲示物の張替、各種資料の整理等の作業
とされており、
教員の業務の円滑な実施に必要な支援に該当するものであれば、従事することを妨げるものではなく、例えば、新型コロナウイルス感染症対策のための清掃活動(消毒作業を含む。)や子供の健康観察の取りまとめ作業についても従事可能であること。
と関連文書では書かれています。
人件費の出所
国が3分の1を支払い、残りは都道府県や政令市が負担する構図です。
こうなると、予算に余裕がある市区町村だけにスクールサポートスタッフが配置されやすいという、これまでの講師の配置と同じではないかと睨んでいます。
そもそも講師は、登録者が圧倒的に不足しているのが現状であり、差配そのものが困難となっているようですが、お金の出所は似たようなものです。
つまり、予算が潤沢ではないので、いくら予算を文科省が倍増を要求して実現してたとしても、せいぜい学校に1人配置されるかどうかのレベルではないでしょうか。
それでは教職員の働き方改革は絵に描いた餅です。
ブラック職業の肩書が取れることはありませんね。
文科省の見積もり
スクールサポートスタッフのための予算については、2022年度は約1万人分の45億円でした。
1万人も増えるなら先生方は楽になるのでは?なんて考えてはいけません。
全国には公立小中学校が約3万校あります。
スクールサポートスタッフを1万人確保したところで焼け石に水なんです。
配置に関しては15学級以上ある学校で1校につき1人という見積もりでしかありません。
これでどうしろというのか?
2023年度は倍増としても
メディアではスクールサポートスタッフが大幅に増員するかのような書き方がなされていて、白々しいやらウンザリやら、相変わらずだなあという気がしているわけですが、倍増したとしても2万人・・・。
前述のように、1校に1人いるかいないかというレベルでしかないのです。
学校現場で働く先生方は、多分、希望は持ってないでしょうね。
筆者が提唱している1学級1SSSは夢のまた夢。
どうやったら実現できるか、絵を描いてみたい気もするのですが、民間が入る余地はなさそうです。
せいぜい2週間そこらの教育実習を廃止して、1学期ぐらい時短でもいいから、学生をSSSにアルバイト採用させた方がマシだと思いますけどね。
学生は現場の実務を知ることができるし、先生方の授業も見れるし、働くことの意義も見いだせるかもしれない。
インターンではないですが、それに近い感じで一定期間、現地で研修するほうが、座学より役立ちますよ。
まとめ
「スクールサポートスタッフの増員か?文科省が予算の倍増を求める方針レベルだけにぬか喜び?」というテーマで、スクールサポートスタッフの予算要求倍増ということについて書きました。
あくまでも2022年度予算の倍増を要求するというだけで、スクールサポートスタッフの増員が確定しているわけではありません。
仮に倍増の予算が取れたとしても、先生方の苦労は続きます。
それだけです。