無色無臭で空気より軽い一酸化炭素の中毒症状とは?雪国での自動車立往生が怖い理由!
記録的な降雪によって国道8号線に自動車が立往生するという事態について、連日のようにニュースが流れていました。
自衛隊の出動などで一旦、状況は回復したということですが、また、寒波の到来で同じような事態が巻き起こるのかと心配ではあります。
このような降雪による自動車での立往生の経験はありませんが、現地の当事者の方々は、たまったもんじゃないでしょう・・・。
自動車という決して広くない空間に数十時間も過ごさなくてはならないわけですから、体力的にも精神的にも疲弊すると想像します。
特に要注意なのはアレですね。
立往生からの脱出は除雪
今回のように国道での降雪による自動車の立往生を救出するには、除雪をいかに早くやってしまうかということがカギなのだそうです。
とは言え、自動車で埋まっている道路の除雪は、簡単なことではありません。
なにより立往生している自動車を退避させるスペースと、それに伴う労力が必要なわけですからね。
除雪車を派遣しただけでは、状況は好転しないということは、専門家筋の方が述べていました。
そうなると、もし立往生に出くわしたら、ひたすら耐えて待つしか方法が無いということです。
万一に備えて、防寒着、カイロ、食料や飲料などを積み込んでいても、トイレや常備薬の服用などは困るでしょうね。
雪での立往生で最も気を付けるべきこと
これについては、どのメディアも最優先しているのではないかというぐらい、時間を掛けて伝えていました。
それは一酸化炭素中毒です。
自動車はマフラーから排気ガスを出しますが、暖房を入れて待機している間に、積雪がマフラーまで覆ってしまうと、地面と車体の空間を通って車内に排気ガスが進入してくるわけです。
一酸化炭素は無色無臭のため、異変に気が付きにくいのですが、気付く前に天国へと逝ってしまう可能性の方が高いと言われています。
怖いですよね・・・。
この回避するためには、例えば30分ごとにマフラー周辺を雪かきするといった、地道な方法しか無いようです。
スコップを常備する習慣がないと、ちょっと辛い作業になります。
なぜ一酸化炭素中毒になるのか?
自動車の排気ガスには、もともと一酸化炭素(CO)が含まれています。
人体になぜ、これほどまでの致命的な影響を与えるのでしょうか。
厚生労働省のサイトによれば、
血液中のヘモグロビンは酸素と結びついて全身に酸素を運ぶ役割をしていますが、一酸化炭素は酸素に比べて200倍以上もヘモグロビンと結びつきやすい性質を持っています。このため一酸化炭素があるとヘモグロビンは酸素と結びつくことができず、血液の酸素運搬能力が低下してしまい、酸素不足に陥ります。これが一酸化炭素中毒です。
と書かれています。
脳組織への直接的な毒性作用もあると言われています。
一酸化炭素中毒の症状
MSDマニュアルプロフェッショナル版からの引用です。
- 濃度が10~20%の場合は,頭痛および悪心が現れてくることがある。
- 20%を超えると,一般的に,漠然としためまい,全身の筋力低下,集中困難,および判断力の低下がみられる。
- 30%を超えてくると,一般的に,労作時呼吸困難,胸痛(冠動脈疾患患者の場合),および錯乱がみられる。
- さらに高濃度になると,失神,痙攣発作,および意識障害を来す可能性がある。
- 低血圧,昏睡,呼吸不全を来し,死に至ることもあるが,これは通常,濃度が60%を超えた場合である。
やはり車中でジワジワと体調に変化が現れたときは、すでに進行している可能性が高いと考えた方が良さそうです。
一酸化炭素中毒は何も車内だけで起こるものではありません。
喫煙は一酸化炭素を取り入れる行為
一酸化炭素の発生源としては、住宅火災、ガス暖房器具、ガス湯沸かし器、木または炭を燃やす、灯油のストーブなどがあるので、換気が重要になってきます。
もっとも驚いたのは、喫煙すると血中に一酸化炭素が発生するということ。
中毒を引き起こすほどではないにしろ、慢性的な酸素欠乏状態となっている状況です。
しかも一酸化炭素が動脈硬化を促進することから、禁煙がいかに重要かを物語っています。
まとめ
「無色無臭で空気より軽い一酸化炭素の中毒症状とは?雪国での自動車立往生が怖い理由!」ということで、一酸化炭素と中毒について書きました。
いやー、こわいですねー。
積雪による自動車の立往生は、寒さと一酸化炭素中毒が敵となるわけです。
その他にもエコノミー症候群の話しも出てきたりしますから、車中泊の装備ではない自動車だと、心身共にきついでしょうね。
電気自動車なら一酸化炭素中毒は回避できるのかな?
参照
一酸化炭素中毒 – 22. 外傷と中毒 – MSDマニュアル プロフェッショナル版
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